にせ刑事の作品情報・感想・評価

にせ刑事1967年製作の映画)

製作国:

上映時間:92分

3.6

「にせ刑事」に投稿された感想・評価

今回の勝新は、拳銃を盗まれて免職になった元刑事。
毎日ぶらぶらしながら刑事ドラマばかり観て、まだ刑事のつもりでいる無職男性だ。
熱血漢といえば熱血漢だが、警察でもないのに己の正義を振るいまくるちょっとアレな人だ。
向こうにも好意があったから良いものの、好きな女性への猛アプローチもちょっと危ない。
明るく社交的な『タクシードライバー』というべきか。
こういう妄執的な役を演じる勝新は珍しい。
己の正義に従う勝新に世論は味方し、どんどんエスカレートしていく。
ここもトラビスと同じだ。
ラストは全く逆の結果に終わる所も皮肉。
このラストは山本薩夫作品らしく権力批判が盛り込まれているが、勝新の物語とは噛み合ってないのが残念。

作中、大魔神マニアの子供が『大魔神怒る』を観るシーンがあるが、本作は白黒映画なのでカラー作品である『大魔神怒る』も白黒で流れる。
凄い変な感覚。
座頭市のキャラにしてもそうだけど、男らしくて喧嘩に強く、頭も働くナイスガイなのに、本人が望まずともトラブルを次々呼び寄せ、周囲の人々を巻き込みながら街全体を荒廃させてしまう。そんな星の下に生きるナチュラルボーンのトラブルメーカー・勝新の魅力がここでも爆発。
事件はスクリーンの向こう側なのでこちらは良い身分だ。焦る勝新、暴れる勝新、照れる勝新、すべてチャーミングで彼から目が離せない。気がつくとヒロインではなく勝新を目で愛でている。