一寸法師の作品情報・感想・評価

一寸法師1955年製作の映画)

製作国:

上映時間:84分

ジャンル:

3.3

「一寸法師」に投稿された感想・評価

くれお

くれおの感想・評価

4.2
江戸川乱歩全集を読んで
映像化に興味を持ち鑑賞

映像化は無理そうだなと本を読みながら想像した世界が見事に目の前に広がり驚嘆

現代では決して味わえない乱歩の不気味ワールドを堪能
お伝

お伝の感想・評価

4.0
怖くもないし面白くもないんだけど、小人=悪という露骨な差別が逆に清々しいし、ホンモノを出しているのが良い。小人も実は心のある良いやつなんだぜというしらけるラストも古臭くて良い。
白黒作品。
昔の日本の町並み…夜は灯りも乏しく薄暗く靄がかかる中、子供でもなく大人でもない人影が不気味に町を駆け抜ける。
その一寸法師の姿が強烈に印象に残るポプラ社的な雰囲気のある作品。とにかく一寸法師さんがインパクト(大)
当時の様子、世相も興味深い。
映画終わって帰るときに、歩道の端にある車道との仕切りの小さな柱みたいなものに布がかかっていて、大きさからして一寸法師!と思って、一瞬ヒヤッとしてしまった。(映画は寝てしまいました)

「こわいはおもしろい」@神保町シアター
こわいはおもしろい特集。

こわくなくて、おもしろくない。
セットリストはよーく考えよう。

小人の純愛。
小人が流す清らかな涙に、思わずこちらも瞼が熱くなる…
わけない。

ゆるゆるの脚本というか原作。
宇津井健の坊や面と棒読み。
都合よく通りかかるタクシー。
などなど、ツッコミにも満たない。

独り言をブツブツやるJJIは名画座に付き物だが、本作エンディング近くでボヤく輩が珍しく気にならなかった。

クライマックスの小人と多勢の警察のチェイスの
アホくささには清々しささえ漂う。

端役の天知茂と丹波哲郎の顔面力。
昭和30年の街並み。
ヤバイ時は視点をチェンジ。

2019劇場鑑賞14本目
乱歩のオリジナルな話は かなり強引で無理やり犯罪と小人を結び付けているが、それでも丁寧に映像化されていて面白かった。これが中川信夫がやるとコメディになってしまうところだが 笑
出番は少ないが安西響子が二役で魅せるし、和装の三浦光子も良い。

このレビューはネタバレを含みます

1955年新東宝製作。作家小林が「フレッシュな猟奇」を求めて街を彷徨した夜、子供に饅頭を与える一寸法師を目撃。後をつけると、彼は懐から人間の片腕らしきものを落とす。翌日、彼について小林が聞き込みをしていると、行方不明となった義理の娘を探す旧友、山野夫人に出くわす。小林は私立探偵、旗に事件の調査を依頼する。一寸法師を演じた和久井勉のアクションが素晴らしい。恋した相手の弱みにつけこみ、「一度だけ…」と報われることを願うが、決してその想いは叶えられず、最後の場面までその人にバケモノ扱いされる。切なすぎる結末。
モノクロ。
一寸法師って小人の事なんだね。

明智の天知茂が探偵の助手でビックリ!
無茶苦茶若い丹波哲郎も出てたよ。

昭和の町 フィルムの感じ なんか早口に聞こえるとこやら 古い作品やなぁ〜ってシミジミ。
タマル

タマルの感想・評価

2.0
判断が難しいところ。

江戸川乱歩の『一寸法師』は合計で4回映画化されており、新東宝配給の本作は3度目の作品。
前年に松竹配給の『名探偵明智小五郎シリーズ』がヒットしたことに刺激され、新東宝でも乱歩作品で比較的人気の高い作品『一寸法師』を映画化するという運びになったようだ。そういった経緯からか、原作では明智小五郎だった探偵が、旗龍作という名の別人に変わっているのがおもしろい。
ちなみに乱歩は書き終えた自作『一寸法師』を幼稚な作品と断じ、自己嫌悪から著しく自信を失ってしまった。乱歩に休筆&放浪ぐせがつくのはこの時期からである。

正直、冒頭は心惹かれた。
暗闇の中、一寸法師を追いかけてどこまでどこまで走っていくシーンには、白黒映画が持つ暗闇の鈍重さが活かされており、今後の展開に期待を持たせるに十分すぎるほどの魅力を備えていたのである。

しかし、終盤に私が観たものは、アホな警官から逃げ回る、活劇というにはあまりにお粗末なドタバタ劇だった。トーンが違いすぎる!!
そもそも、原作『一寸法師』からして特に活劇的な側面が新聞読者から評価されていたそうだが、それにしたって江戸川乱歩の怪奇趣味をもっと汲み取ってやって欲しいものである。序盤の追跡シーンにゾクゾクさせられた身としてはかなりガックリさせられた。

では、江戸川乱歩の本職、ミステリーの部分はどうだったかといえば、こちらもガックリな出来。
とにかく垢抜けない!!
小説をそのまま映像化してしまったかのような盛り上がらない画面である。まるで火サスを観ているかのような気恥ずかしさに常に苦しまされた。
そう、火曜サスペンス。 まさに火サスを観ているかのような既視感だった。殺人の動機が「うっかり」という所も完全に火サスだった。

とはいえ、これが1955年の作品であると考えればどうだろう?
火サスが当時もやっていたのかどうか定かではないが、もし放送していなかったならば、本作が火サスの草分けだったとは考えられないだろうか? だとすれば、一概に悪し様には言えないのではなかろうか???? むしろ、偉大な作品なのではなかろかろうか????

元祖火サス。
オススメでございます。

このレビューはネタバレを含みます

江戸川乱歩の小説に出てくるフリークスたちは、皆鬱屈したコンプレックスや性欲を猟奇犯罪や変態行為で爆発させ、最終的には哀れに死んでいくというパターンが多い。
この「一寸法師」はその代表格で、滑稽な姿と超グロ残虐行為のギャップが恐ろしいキャラクターだ。

今回は切断した女性の腕をマネキンに取り付けるという猟奇シーンも映像化されている。
原作では印象的なシーンだったが、この映画だとショー会場が異常にパニックになりすぎて何か間抜けだ。
腕一本であんな大地震みたいに騒がなくても…しかも腕はかなり作り物臭い。

俳優たちの演技もちょっとまずい…。
まず探偵役の二本柳寛(なぜか明智小五郎ではない)は無駄に態度がでかすぎる上に何言ってるかわからない。
一寸法師にストーキングされる悲劇のヒロイン三浦光子は唯のおばさんにしか見えない。
ていうか主人公であるはずの宇津井健の役はいらないのでは?何にも役に立ってないし。
一応、三浦光子と宇津井健のラブストーリー的な物がたまに挟まれるが、
かなり邪魔くさい上に2人ともいけ好かない人物像なために段々イラついてくる。
(アマゾンのクレジットには現在の格順に並べたらしく天知茂が2番目に来ているが、この当時は超脇役だ。
 ちなみに若き日の丹波哲郎先生も出てくる)

そんなこんなで欠点はかなり多い映画だ。でも決して駄作とは思わない。
それは「一寸法師」役の和久井勉の熱演が大きい。(この人は本物の小人)

見世物としてずっと苛められて、どこへ行っても化物扱い。どんなに努力しても変わらない無間地獄。
警官隊に追われ、獣の様に電線や梯子をよじ登っていく姿から、今までどんな人生を生きてきたのかが伺える。
意中の女性から「男性として」どころか「人間として」すら見てもらえない悲しみ、憎しみ、怨念。
溜め込んだ猛烈な負のエネルギーを爆発させ、ヒロインに襲い掛かるシーンはかなりの迫力だ。

俺のような日陰者は、一寸法師側にどうしたって感情移入してしまう。宇津井健なんてどうでもいい。
彼女のために命がけで行動しても、彼女はキモがるばかりでイケメンとイチャイチャ。自分は何をしても化物扱い。
そうこうしてるうちに自分は転落死。その間も彼女はイケメンとry。
まるで「キングコング」だ。

キングコングも一寸法師もどんなに命がけでアピールしても、ヒロインには最後まで恐怖の化け物としてしか認識してもらえない。
今作のヒロインだって、一寸法師の死に目を見届けるのを最後まで渋った上に、嫌々見送った後も一寸法師の幻影を見てビビる始末だ。
その挙句に、宇津井健との
「バカだなア、今のはタダの子供だヨ。でも一寸法師はホントの子供になったのかもネ。」
「うふふそうね」
というふざけたやり取りを見せつけ、この映画は終わる。

なんかクライマックスで演技も演出も微妙な推理シーンとかあったけど、そんなのはどうでもいい。
ストーリーや宇津井健には目もくれず、一寸法師の情念を一身に感じるべき映画だ。
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