一寸法師の作品情報・感想・評価

一寸法師1955年製作の映画)

製作国:

上映時間:84分

ジャンル:

3.2

「一寸法師」に投稿された感想・評価

タマル

タマルの感想・評価

2.0
判断が難しいところ。

江戸川乱歩の『一寸法師』は合計で4回映画化されており、新東宝配給の本作は3度目の作品。
前年に松竹配給の『名探偵明智小五郎シリーズ』がヒットしたことに刺激され、新東宝でも乱歩作品で比較的人気の高い作品『一寸法師』を映画化するという運びになったようだ。そういった経緯からか、原作では明智小五郎だった探偵が、旗龍作という名の別人に変わっているのがおもしろい。
ちなみに乱歩は書き終えた自作『一寸法師』を幼稚な作品と断じ、自己嫌悪から著しく自信を失ってしまった。乱歩に休筆&放浪ぐせがつくのはこの時期からである。

正直、冒頭は心惹かれた。
暗闇の中、一寸法師を追いかけてどこまでどこまで走っていくシーンには、白黒映画が持つ暗闇の鈍重さが活かされており、今後の展開に期待を持たせるに十分すぎるほどの魅力を備えていたのである。

しかし、終盤に私が観たものは、アホな警官から逃げ回る、活劇というにはあまりにお粗末なドタバタ劇だった。トーンが違いすぎる!!
そもそも、原作『一寸法師』からして特に活劇的な側面が新聞読者から評価されていたそうだが、それにしたって江戸川乱歩の怪奇趣味をもっと汲み取ってやって欲しいものである。序盤の追跡シーンにゾクゾクさせられた身としてはかなりガックリさせられた。

では、江戸川乱歩の本職、ミステリーの部分はどうだったかといえば、こちらもガックリな出来。
とにかく垢抜けない!!
小説をそのまま映像化してしまったかのような盛り上がらない画面である。まるで火サスを観ているかのような気恥ずかしさに常に苦しまされた。
そう、火曜サスペンス。 まさに火サスを観ているかのような既視感だった。殺人の動機が「うっかり」という所も完全に火サスだった。

とはいえ、これが1955年の作品であると考えればどうだろう?
火サスが当時もやっていたのかどうか定かではないが、もし放送していなかったならば、本作が火サスの草分けだったとは考えられないだろうか? だとすれば、一概に悪し様には言えないのではなかろうか???? むしろ、偉大な作品なのではなかろかろうか????

元祖火サス。
オススメでございます。

このレビューはネタバレを含みます

江戸川乱歩の小説に出てくるフリークスたちは、皆鬱屈したコンプレックスや性欲を猟奇犯罪や変態行為で爆発させ、最終的には哀れに死んでいくというパターンが多い。
この「一寸法師」はその代表格で、滑稽な姿と超グロ残虐行為のギャップが恐ろしいキャラクターだ。

今回は切断した女性の腕をマネキンに取り付けるという猟奇シーンも映像化されている。
原作では印象的なシーンだったが、この映画だとショー会場が異常にパニックになりすぎて何か間抜けだ。
腕一本であんな大地震みたいに騒がなくても…しかも腕はかなり作り物臭い。

俳優たちの演技もちょっとまずい…。
まず探偵役の二本柳寛(なぜか明智小五郎ではない)は無駄に態度がでかすぎる上に何言ってるかわからない。
一寸法師にストーキングされる悲劇のヒロイン三浦光子は唯のおばさんにしか見えない。
ていうか主人公であるはずの宇津井健の役はいらないのでは?何にも役に立ってないし。
一応、三浦光子と宇津井健のラブストーリー的な物がたまに挟まれるが、
かなり邪魔くさい上に2人ともいけ好かない人物像なために段々イラついてくる。
(アマゾンのクレジットには現在の格順に並べたらしく天知茂が2番目に来ているが、この当時は超脇役だ。
 ちなみに若き日の丹波哲郎先生も出てくる)

そんなこんなで欠点はかなり多い映画だ。でも決して駄作とは思わない。
それは「一寸法師」役の和久井勉の熱演が大きい。(この人は本物の小人)

見世物としてずっと苛められて、どこへ行っても化物扱い。どんなに努力しても変わらない無間地獄。
警官隊に追われ、獣の様に電線や梯子をよじ登っていく姿から、今までどんな人生を生きてきたのかが伺える。
意中の女性から「男性として」どころか「人間として」すら見てもらえない悲しみ、憎しみ、怨念。
溜め込んだ猛烈な負のエネルギーを爆発させ、ヒロインに襲い掛かるシーンはかなりの迫力だ。

俺のような日陰者は、一寸法師側にどうしたって感情移入してしまう。宇津井健なんてどうでもいい。
彼女のために命がけで行動しても、彼女はキモがるばかりでイケメンとイチャイチャ。自分は何をしても化物扱い。
そうこうしてるうちに自分は転落死。その間も彼女はイケメンとry。
まるで「キングコング」だ。

キングコングも一寸法師もどんなに命がけでアピールしても、ヒロインには最後まで恐怖の化け物としてしか認識してもらえない。
今作のヒロインだって、一寸法師の死に目を見届けるのを最後まで渋った上に、嫌々見送った後も一寸法師の幻影を見てビビる始末だ。
その挙句に、宇津井健との
「バカだなア、今のはタダの子供だヨ。でも一寸法師はホントの子供になったのかもネ。」
「うふふそうね」
というふざけたやり取りを見せつけ、この映画は終わる。

なんかクライマックスで演技も演出も微妙な推理シーンとかあったけど、そんなのはどうでもいい。
ストーリーや宇津井健には目もくれず、一寸法師の情念を一身に感じるべき映画だ。
安西郷子さんの美しさに驚かされました。
原作は読んでいませんが、楽しめました。

このレビューはネタバレを含みます

サッパリ良さがわからない。途中まで一寸法師はどうやって絡んでくるんだろうと気になってたけど、最後の最後でイライラする逃走劇を披露して自爆とか。そしてなぜか一寸法師主役のお涙ちょうだいのラストシーン。いやお前は確かにタイトルにはなってるけど、大して目立ってないし、ただのゲス野郎じゃないかと。一寸法師にイライラ。
切り落とされた女性の腕を持ち歩く小人が目撃されたのと時を同じくして、令嬢の失踪事件が発生する。江戸川乱歩の原作を忠実に映画化した作品。映画としての視覚的な面白さが追求されており、原作映像化の教科書的な作品と捉えることができる。ちなみに、私は原作を読了済み。

明智小五郎は旗龍作(はたりゅうさく)という人物に置き換えられている。本作の二本柳寛が演じる探偵は大柄だが、後に天知茂が演じる明智とニヒルな雰囲気がよく似ている。(本作では、天知茂は探偵の助手として端役で登場する)

一寸法師の情念に感情移入できるかどうかが鑑賞のポイント。彼は不具者というカラダをもっているがゆえに、人間としての扱いを受けることができないでいる。片思いの女性のために命をかけても、彼女には気持ち悪がられるだけ。側に寄り添ってくれるのは、純真な子供しかいない。

一寸法師役の和久井勉(本物の小人の役者)は助演男優賞レベルだと思う。

原作を知らない人はキャスト一覧をじっくりと見ないほうがいいかも。感の鋭い人はオチがうっすらと見えてきてしまうから・・・
みん

みんの感想・評価

4.2
動画サイト
これは今じゃきっと上映禁止。怖さも最高。宇津井健が若い。
tapes201

tapes201の感想・評価

4.2
カルト!よくぞソフト化という感じ。好事家連には、戦後三大学ラン映像の一つ、天知茂さまの学ラン姿が拝めるというのもあります。あと二つは、「女王蜂」における仲代達也、「やくざと抗争 実録安藤組」の安藤昇。