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FUJIKOの作品紹介

FUJIKOのあらすじ

舞台は、1977 年の静岡。 嵐がひどく停電した病院で娘・麻理を出産した富士子。母親になった喜びも束の間、夫の実家から理不尽な仕打ちを受け続けたあげく、姑と義姉に麻理を奪われてしまう。愛する幼な子と引き離された絶望の中、実母・千代の力を借りなんとか麻理を取り返した富士子は、周囲の反対を押し切りシングルマザーとして麻理を育てることを決める。しかし、その先に待ち構えていたのは、図らずも自身が憧れていたロックンロールのような波乱万丈の人生だった――。

FUJIKOの監督

木村太一

原題
公式サイト
https://fujiko-movie.com/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
95分
ジャンル
ドラマ
配給会社
Atemo

『FUJIKO』に投稿された感想・評価

背骨
4.0
今より女性の立場が弱かった昭和という時代を生きた富士子のロックな人生

時代に翻弄されながらも強く生きる市井の女性を描く構成の巧みさと、女優片山友希の魅力を全面に押し出した作風で出会えてよかったと思える作品

常に「マジか」な選択をする彼女の人生はまさにロック… え、フジロック??!!
kuu
3.8
『FUJIKO』
製作年 2026年。上映時間 95分。
映倫区分 G 製作国 日本

1970~80年代の静岡を舞台に、激動の時代を生きるシングルマザーが自らの生き方を模索しながら力強く歩んでいく姿を描いたヒューマンドラマ。

雨上がりのアスファルトから立ち上る匂いのような生々しさが全編に満ちてる、映画『FUJIKO』は、他者に定義されそうになる己のシステムを、血の滲むような執念で初期化し続けた魂のサバイバル劇でした。 

そこにあるのは、抗うことの泥臭い美しさ。

​今作品が放つ熱量の背景には、これが実話ベースであり、他ならぬ木村太一監督の実母の半生をモチーフにしたという、虚構を凌駕する強固な現実の地盤がある。

木村監督は、King GnuのMVやLouis VuittonのCM等で網膜に焼き付く映像を手がけてきた気鋭。
自身のルーツという最も内省的な熱源に映画で肉薄した。
撮影の川上智之によるスモーキーな光や、エディターの三宅愛架が刻むタイトなカッティングは、主人公・富士子の衝動を駆動させるビートとして機能してました。
この濃密な作家性に肉体を与えたのがキャスト陣かな。
主演の片山友希は、眼光の鋭さだけで社会の不条理を睨み返す富士子を善き解像度で演じてた。

今作品は、1970年代から80年代、現代よりも女性の自由や権利が著しく制限されていた暗い時代を背景にしていて、その中で既成の価値観や社会規範に立ち向かい、自らの手で人生を切り拓いていく主人公の女性の自立と生存戦略が物語の太い主軸として描かれてましたし、さらに、理不尽な親族から子供を奪われながらも執念で取り戻し、周囲の支えを得て力強くシングルマザーとして生き抜いていく姿を通して、普遍的な母性と家族の絆、そしてその裏にある深い葛藤を浮き彫りにしていました。

確かに、観る上でいくつかの厳しい側面があることは否定できません。
特に物語の序盤、姑や義姉から理不尽に娘を奪われるシーンとか、1970年代特有の男尊男女や家父長制的な描写があまり、観ていて胸が苦しくなり、強いストレスや重さを感じてしまう瞬間があります。
また、95分というタイトな上映時間の中で、出産、離婚、転職、子育てといった激動の数年間をすべて描き切ろうとするため、エピソード間の時間経過が早く、一部の人間関係の構築や苦難の解決がやや唐突な、駆け足の展開に感じられる箇所があるのも事実。 

しかし、今作品はそうしたネガティブな要素を包む魅力に満ちていました。
YOUが演じる強烈な意地悪姑をはじめ、リリー・フランキー、岸本加世子、イッセー尾形といった日本映画界が誇る実力派ベテラン勢が脇を固めており、彼らが織りなす人間模様の厚みと生々しい演技が、物語の深部へと引き込んでくれました。
そして、CMやMVの世界で手腕を振るってきた木村監督やからこそ成し得た、スタイリッシュかつエモーショナルな映像美が全編を彩っており、これがウディネ・ファーイースト映画祭での最高賞含む2冠や、ドイツのニッポン・コネクションでの受賞という世界的な高い評価に繋がっているんやと納得はしました。

結果として、この95分というコンパクトな構成はダレるとこはあまりなく、富士子の波乱万丈な半生をまるで自分のことのように一気に追体験することができた。
過酷な現実の理不尽さに胸を痛めながらも、最後には困難を乗り越えて自立していく彼女の力強い生き様から、未来への確かな希望と、明日を生きるためのポジティブなエネルギーを貰える見応えのある作品に仕上がっていると思います。

本作は、人間は自由という刑に処されているちゅう言葉通り、どんな過酷な環境でも自分をどう形作るかって選択からは逃れられない。
富士子が置かれた状況は、社会的役割(嫁、母)を周囲が勝手に規定し、個人の実存を認めないシステムやった。
子供を奪われる理不尽に直面したとき、彼女は被害者でいることを拒絶する。
普通ってバイアスを破棄し、シングルマザーという茨の道を自ら選ぶ。
この自分で選び、結果の責任を背負う態度こそが実存の確立なんじゃないかな。
彼女の生き方は泥にまみれている。
しかし、環境に支配される客体ではなく、環境をハックしていく強固な主体としての輝きがありました。
世界がどれほど理不尽でも、自分自身をあきらめないってカードは常に自分が握っているんやと、富士子の横顔が静かに教えてくれました。


あらすじ・キャスト
1977年、静岡。激しい嵐により停電した病院で、富士子は娘の麻理を出産する。しかし母になった喜びもつかの間、夫の実家から理不尽な仕打ちを受け続け、まだ赤ん坊の麻理を姑と義姉に奪われてしまう。実母・千代の力を借りてどうにか麻理を取り戻した富士子は、周囲の反対を押し切ってシングルマザーとして麻理を育てることを決意。時代の波にもまれながらも社会に負けず自由を求め、周囲に支えられつつ必死に生き抜いていく。

「茜色に焼かれる」の片山友希が富士子役で主演を務め、意地悪な姑・敏子をYOU、富士子が保険営業の仕事で出会う佐々木をリリー・フランキー、病に伏せる富士子の父をうじきつよし、富士子が駆け込む託児所の園長・畑山を竹下景子、富士子の父の古い友人である蕎麦屋店主・大石をイッセー尾形、富士子の母・千代を岸本加世子、富士子が働く喫茶店の店主・奈倉をMEGUMIが演じた。監督・原案は、これまで数々のMVやCMを手がけ、2023年の長編映画初監督作「AFTERGLOWS」でも注目を集めた木村太一。MEGUMIが企画・プロデュースを担当。
Rin
5.0
昭和の泥臭さ × 現代的なスタイリッシュさが粋でちょっと不条理、泥臭い地方の人間関係が描かれる割に、演出は迅速で笑えて助かる。柔なお涙頂戴ではなく、ロックンロールなシンママ像が根底にある、だから喜怒哀楽がリアル。ふじこの苦労話的な闇を想像すると全然いい意味で裏切ってくれるし、自分の選択で生きるという、当時にすればの破天荒さが明日を生きる原動力。
勇気出して生きよう

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