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ドッグ・レディ
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ドッグ・レディの作品紹介

ドッグ・レディのあらすじ

ひとりの女性がたくさんの犬に囲まれて、平原を横切っていく。彼女はブエノスアイレス郊外の空き地に自らの手で建てた小屋で、10匹の犬とともにひっそりと暮らしている。金も使わず、言葉も喋らず、社会からはみ出たような謎の女。だが無秩序に肥大化した大都市の周縁には、彼女のような謎が謎のままで存在できる世界が広がっている。狩りに出て、食事をし、水辺を眺め、やがて死ぬ。そんな原初的な自由が許された世界の、彼女は名もなき観察者なのかもしれない。

原題
La mujer de los perros/Dog Lady
製作年
2015年
製作国
アルゼンチン
上映時間
98分
ジャンル
ドラマ

『ドッグ・レディ』に投稿された感想・評価

4.3
 昨年年間ベストに入れた『トレンケ・ラウケン』もだいぶヤバかったが、今回は『トレンケ・ラウケン』に至るラウラ・シタレラの旧作3作品を観た。中でもこれは衝撃的な1本だった。そもそも森林の中で犬たちと暮らす主人公の名前も判らなければ、その背景もさっぱりわからない。犬たちは妙に飼い主の女性に懐いているが、彼女は森の中で着の身着のままで、ホームレスの様に食材を探すのだが都市部とは違うからまともな食材などない。しまいにはパチンコで弱らせた鳥を捕獲したり、堂々と人の家から盗みを働くから大胆不敵である。春夏秋冬という4つの季節の過酷さを順番に撮り、四季の豊かさと過酷さの中に生きる主人公の女性と犬たちの生活をまるでドキュメンタリーの様に撮っているものの、そこはかとなく物語が立ち現れる様は大胆不敵で、真に目が離せない。彼女がこんな生活をするのは、人間界から心を閉ざしたかに思われるがどうもそうではないことが中盤以降、露になる。それは例えば内科で重要な薬を処方されたり、親戚らしき人の家でテレビを見ていたりする。極めつけは終盤のバイカー集団のパーティの祭りの様な喧騒に彼女が魅了される場面にも明らかだろう。人間の生の営みそのものを何らかの円環構造として形作るラウラ・シタレラの意図そのものは無茶苦茶に判りやすいのだが、それをアウトプットする過程が心底とち狂っていると言わざるを得ない。

 ラウラ・シタレラは先に台本を用意せず、まずそこで暮らしをさせてから映画の進行を考えるという作劇上の組み立てを行っている。エル・パンペロ・シネというのは映画制作集団というよりもまず1つの共同体であり、彼らにとって映画は商業に帰結しない。一般的な商業映画ではまずもって脚本(物語)があり、出来るだけそれに沿う形で撮影が円滑に進められて行く。プロデューサーはいわば撮影の監視役であり、監督が途中で誤った方向に向かったり、脚本そっちのけで好き勝手やらないように忠告する立場として現場にいる。エル・パンペロ・シネの芸術である映画というものは、いわば「お目付け役」がまったく存在しない純粋な芸術なのである。ラウラ・シタレラの演出の作法はまずもって「映像」が先んじて、物語は必ずその後にしか存在しない。ここではベロニカ・ジナスの自由奔放な営みの蓄積の中に初めて物語が立ち現れる。秋があって、過酷な冬が来るという意味ではアニエス・ヴァルダの『冬の旅』が真っ先に思い浮かぶ。この日ゲストとして登壇した上條葉月さんによれば、実は『冬の旅』においても当初はモナの道程に犬が出て来ていたのだという。然しながら途中からまったく犬が登場しなくなるのだという(うろ覚えにつき、要再見)。クライマックスの卒倒シーンの驚異的なロング・ショットは心底とち狂っているが、ラストに起きる奇跡そのものが悲劇的な『冬の旅』への異議申し立てにも思えてならない。
菩薩
3.9
野良犬と野良人の強かな共存戦略、人と人とは傷つけ合わずにいられないが人と犬とではそうでないならこの形は一つの理想か。私自身は秩序の中で生きていく事を是としているしむしろそうでない者に対する反感がおそらく異常に強いので正直よくは分からないが、彼女が自然発生的に遭遇した野良マッドマックスを前に表情を緩めていくのは、そこを解放区であると認識したからなのだろうか。拒否や排除より当たり前に肯定と受容がある、『冬の旅』は勿論のこと『ウェンディ&ルーシー』ら辺とも接続される映画なのではないか。ラストがこれまた『オステンデ』なのかと思ったらむしろハマグチェ『悪は存在しない』…?イッヌを捨てる人間は本当に死ね、お前が社会に捨てられろ。音楽がファナ・モリーナで確かにアルゼンチンってこの土壌だわって思った。
退屈ではあるけど、一貫性は常にあり、テーマに対しても真摯でそれでいてカタルシスも得られる、そんな特異な作品。
すでに観ている二作品でちょっと苦手意識が芽生えつつあるラウラ・シタレラの作品ではあるけど、共同脚本も務めた主演のベロニカ・ジナスの作品でもあると思う(ジナスの「我」と言うのが漏れ出ていて、後半に行くまではシタレラ作品っぽさは薄いとも感じた)。

都会の片隅、自然も割りとある郊外で犬複数頭とともに半自給自足の生活をする、本当に一言も喋らない小汚い女性(汗を掻く夏とかの季節以外は少しは小ぎれいにしてるけど、どっちにせよ…)。
最初に「半自給自足」と言ったように、基本的に自然から調達はするけど、どうしても無理なら文明の利器に頼ったり、他者から盗んだりする部分は少しあり、犬を連れずに街に出て来たり他者と交流することもあるけど、それでもこの女性、一言も言葉を発さない。
表情もほとんど変わらず、彼女について回る犬の方が表情が豊かだとすら思える場面もある。

最初に言ったように、自ら世捨て人となるを選んだような無表情鉄面皮振りを、夏から春までの四季を通して一貫性を以て描くものだから、退屈なことは退屈である。
でもこの異様なまでの淡白さと浮きっぷりでずっと走り抜ける姿勢は、途轍もなく真摯だし、意味合いが深そうなラスト部分も包括したうえで、観終わった時には不思議な爽快感があった。

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