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ドランクヌードル
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『ドランクヌードル』に投稿された感想・評価

kuu
3.7
『ドランクヌードル』
原題または英題 Drunken Noodles
製作年 2025年。上映時間 82分
映倫区分 R15+
製作国 アメリカ・アルゼンチン合作

ニューヨーク・ブルックリンの都市と州北部の森を舞台に、日常と記憶、幻想が混ざり合う詩的な映像で紡いだ全4章の物語。

カンヌ国際映画祭のACID(アシッド:新進気鋭のインディペンデント映画を支援する部門)をはじめ、いくつかの独立系映画祭で紹介された本作は、ニューヨークのうだるような夏を舞台に、タイムラインをあえて交差させる手法をとることで、淡々とした都市の日常を描き出してました。
 
トリビアとして挙げられるんは、作中に登場するホモエロティック(同性愛的なエロティシズム)な刺繍のアートワーク。
これは実在のアーティスト、サル・サランドラ氏の手によるもので、彼との出会いが監督に今作品のインスピレーションを与えたとされています。
タイトルである『ドランクヌードル』タイの辛口焼きソバは、マッチングアプリやフードデリバリーが日常のインフラ(生活基盤)となった現代の都市生活において、突発的に消費され、やがて消化されていく刹那的な夜の象徴として置かれてるかと。
 
キャスト陣のアンサンブルは、過度なドラマ性を排した自然体なもので、主演のレイス・ハリーファは、ギャラリーのインターンとして都会の片隅に佇む青年アドナンを、等身大の実存感で演じてました。
彼が関わるマシュー・リッシュやジョエル・アイザックといった面々も、劇的な恋愛相手というよりは、アドナンの人生の異なるフェーズや選択肢を淡々と映し出す鏡のような役割を担ってます。
 
この映画の背景をなすんは、デジタルな即物性と、人間が抱える割り切れないエモーショナルな揺らぎとの静かな摩擦。
ギグワーカー、単発で仕事を請け負う労働者との行きずりの交錯が、個人のディープな記憶の古層へと繋がっていく構成をとっています。
現代的な希薄な繋がりを過剰に批判も賛美もせず、そこにマジックリアリズム、つまり日常の中に現実離れした不思議な現象が自然に溶け込む表現手法を少しだけ織り交ぜることで、日常に小さなクラックを入れるに留めてます。
ノンリニアに配置された4つの章は、劇的な伏線回収のためじゃなく、マルチタスク的に生きる若者の脳内マッピングをそのまま写し取った結果と云えます。
 
違う観点から見れば、今作品は、過ぎ去る時間の経過をただ観察する試みなのかもしれない。
タイトル『ドランクヌードル』のように、もつれ合いながらも、やがては等しく過去へと消えていく感情の集積。
人はアプリの画面をスクロールするように他者と接しながらも、ふとした瞬間の湿度や、真夏の夜の気配といった些細なディテールを、記憶の底に留めることがある。
一本の直線であるはずの時間軸を折りたたみ、過去と現在、あるいは起こり得たかもしれない別の可能性を同じ地に並べることで、映画は、いま、ここにいる状態のありのままの姿を静かに提示しています。
 
スマートフォンの通知音によって細切れになる現代の日常において、今作品が映し出す地続きの幻想は、特段の結論を急ぐことなく、平熱のまま静かな余韻を残して幕を閉じます。

夏の間、叔父の洒脱な家で留守番をするためブルックリンにやって来た美大生の青年アドナン。同時にギャラリーでインターンとして働きはじめるが、そこに展示されるのは、去年の夏に彼が出会った奇抜な刺繍アーティストの作品だった。過去と現在が交錯するなか、官能と創造の出会いの連なりが、アドナンの日常の輪郭を曖昧にしていく。

アルゼンチン出身でニューヨークを拠点に活動する気鋭の映画作家でファッションデザイナーのルシオ・カストロが監督・脚本・編集を手がけ、伝統的なニードルポイント技法でユーモラスな性的モチーフを描くアメリカの刺繍アーティスト、サル・サランドラの作品に着想を得て制作。色彩豊かで遊び心に満ちた刺繍アートのイメージを随所に散りばめながら描き出す。タイトルの「ドランクヌードル(酔っ払い麺)」はタイ料理「パッキーマオ」の英語名で、その強烈な辛さが酔っ払いの目を覚ますことが名前の由来のひとつとされる
Nyayoi
3.7
タイトルから、何?と思いながらの鑑賞。
美大生の青年アドナンは、叔父の家の留守番をしながらギャラリーでインターンとして働き始める。
そこで展示されている奇抜な刺繍アート。同性愛、性的な交錯を芸術的に幻想的に描きながら、現実との境界が曖昧になっていくよう。
都会と森の中、舞台も時間も交錯していく。
ストーリーというより雰囲気を味わう作品か。
夢と記憶の境界線。

*****

ああ、こんな瞬間あったな。

こんな休日があったな。

こんな孤独な夜があったな。

*****

全てがぼやけて
感情だけがぼやっと心に残るかんじ。

話を盛っているのか
もはや事実ではないのか

それは重要じゃない。

2箇所くらい
胸がハッとする演出があって

「映画的」でありながら
現実味のある演出に
チクリと胸が痛くなった。

万人向けではないけど
単なる「ゲイ映画」以上に
何かすごい眼差しを持った監督だと思った。

アンドリュー•ヘイ監督(HBOのゲイドラマ「Looking」は傑作)が大好きだけど、
本作の監督が描く「男たちの世界」もすごく好きだった。

次回作が楽しみ。

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