ハラがコレなんでの作品情報・感想・評価

「ハラがコレなんで」に投稿された感想・評価

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
家も金も失った妊婦が逆境に負けずに生きる姿を描いた、仲里依紗主演のコメディドラマ。妊娠9ヵ月でお腹の子供の父親と別れ、窮地に追い込まれながらも“粋”に生きることを忘れない光子の生き様を綴る。監督は『川の底からこんにちは』の石井裕也。

内容(「Oricon」データベースより)
『時をかける少女』の仲里依紗が家も金もダンナもいない妊婦を演じた話題のコメディドラマ。この世で一番大事なのは“粋”に生きること。失くしちゃいけないのは“義理と人情”。それが原光子の生き方。妊娠9ヶ月でお腹の子供の父親とは別れ、金もなければ家もない。そんな限界な状況で誰よりも困っているはずの彼女が、優しすぎて不器用にしか生きられない人々のために立ち上がる!

このレビューはネタバレを含みます

 主人公は遠慮を知らず口癖は「昼寝しよ。風向きが変わったらそん時ドーンと行けばいいんだから」。確かにこの考えはアリだと思いますが、いろんな人と出会うたびにこれしか言わないし。起きたら問題が解決してるってのもよくわからないです。
 最初は興味深く見ることができますが、さすがに3回も繰り返されえると飽きてきてしまいます。
 
 物語は臨月の主人公が家を引き払い、生まれ育った長屋へとやって来るところから始まり。同時に何故主人公がこのような人格になったのかという回想が挟まり。
 主人公のちょっと変わった性格を表現するのにこれほど長い時間かけて回想する必要があるのかと冗長に感じてしまいました。

 主人公の行動の判断基準は「粋」かどうかというもので、確かに自己犠牲で他人のために行動するというのは美しくて現代人が忘れがちな行動ですが。
 一方的な押し付けにしか見えなかったです。寝たきりのおばあさんを無理やり起こすことが粋なのだろうか? 売上のよくない中華料理屋をお客さんを呼んで自分のお金でおごることが粋なんだろうか? と見ててずっと疑問でした。

 主人公は問題を寝てるだけで解決しようとしないのもただの運任せだなぁと思いながら見てました。それが一番顕著に表れるのが自分の出産で、陣痛が来てるのに車を運転する。周りが病院に行けと言ってもいう事を聞かない。
 果たして子どものことを考えたらそんなことができるのか? たとえコメディ映画だとしても。

 見終わって結局、現代人に足りない「粋」を描くのではなく、主人子はひとりよがりの現代人を描いているようにしか思えない映画でした。
石井監督の映画を観るのはこれで三作目。
川の底やあぜ道はめちゃくちゃ好きだったのだが、これはいまいち私には合わず。
ひたすら繰り返される「粋」が表層的で、そんな「粋」さを背負って出る登場人物達も大概記号的だが、映画そのものを外観するともはや「無粋」であった。

「あぜ道のダンディ」同様、主人公が一本気で頑固、いい意味で泥臭い美意識を持った人間として描かれるんだけど、「ダンディ」では唯一の友人、息子、娘、と近しい人物の視点から多角的にキャラクターを提示したのに対し、本作はどこまでも表面的で、ひたすら「昼寝! 風向き! 粋!」と言うだけの、言ってしまえば戯画化と表現して良いレベルに抽象化されているのがやはり主人公としてかなり弱い。

繰り返し語られる、風が向いてない時は昼寝でもして風向きが変わったらドンといけ、たる哲学は人生を渡る上で有為だと思うが、主人公はマジ昼寝して風向き(※比喩ではない)が変わったら起き上がって動き出す。風向きってのは状況や環境の比喩じゃないん? それで何が解決するの? よく言われる「風向きが変わるのを待て」って要は「うまくいかない時は何やってもダメだから準備だけしといてタイミングが来たら動き出せ」という事なのだろうが、この映画ではマジで風(※言葉のままの意味)読むんすよ主人公。仮にそれ自体がアレゴリーだとしても観客として観てて得るものが何も無い。あれだけ風向き論を連呼するなら、明解な例の提示も欲しかった。

というかね、冒頭の、隣に引っ越してきた女性の部屋に勝手に入り沢庵を勧めるとか、タクシーの運転手に金を払わず行ってしまうとか、粋だなんだという前にただの非常識で、あの時点で主人公に共感も愛着も全く持てない。

あと監督のフィルモグラフィを概観した時に、川の底→ダンディ→そして本作と、主人公がどんどん「はじめから完成」されていくようになっていて、成長みたいなものが見えないのもキツい。あまねく物語がビルドゥングスロマンである必要は必ずしも無いが、少なくともそこにカタルシスは生まれる。本作はそこが致命的に欠けていて辛い。

川の底でいう開き直り、ダンディでいう息子&娘の視点への転換みたいな、物語としてのブースターとなるものが一切無く、どころかまともな山場もなく、足が悪いはずのばーちゃんはピョコピョコ走り、全体的に「雑」の一言に尽きるなあとも。

とはいえ、主人公はじめ登場人物全員が鬼気迫っているというか、演者からあそこまでのエネルギーを引き出すのはやはり石井監督ならではだなとそこは素直に凄いし大好きだ。ただ本作は一本の映画としてひたすら雑だった。

あ、散々こき下ろしといてなんですけど、石井監督の「鑑賞後観客を問答無用で”とりあえずやったるで!”と発奮させてくれる能力」は素直にスゲーと思っているし、「ハラがコレなんで」も例外ではありません。
妊娠してもこんな動けて自分らしさ持ってるのカッコ良すぎでしょ。すこーしだけたまにこんな人になりたい
ザン

ザンの感想・評価

3.6
粋だねえ。仲里依紗が妊婦役のギャップがいいのかなと思いきや、その後、実際に第1子を出産したそうだ。ゆったりと前向きに、苦境に対しても立ち向かっていこうとする姿勢がすごくいい。目の前の仕事に追われる自分と比較しても、羨ましいし憧れる。
Yukiko

Yukikoの感想・評価

2.9
お人好しというより変わり者のミツコ。

コメディということで、笑えるところもあったけど、全体的によくわからなかった。
kaorin

kaorinの感想・評価

-


粋と人情。

「オーケー、いったん昼寝しよ。‥
良い風吹くまで待とう。風向きが変わったら、その時ドーンと行けばいいんだから。」

昔の気のいいおっちゃんが言いそうな言葉。きっとこれが全てだな。

迷惑かけていいじゃない、って言葉も。

そうだね、そんな世界がいいね。今の社会で、そうやって生きることにどれだけ勇気がいるか。そんなに気楽に生きれない。人間、弱いからね。
って思ってしまう。いいな、と思いつつ、無理だって思う、そんな映画。

18
かおり

かおりの感想・評価

4.0
川の底からこんにちはも、ハラがコレなんでもシュールでおもしろい いい風吹いたら、ドーンといこう
まゆみ

まゆみの感想・評価

3.6
GYAO!にて。
仲里依紗見たさに鑑賞。
シュールさがあんまり受け付けないかなぁと思っていたけど、終盤にかけ、しっくりと来る感じがあった。
どーんと構えるの、見習いたいな。
malu

maluの感想・評価

3.8
石井裕也監督作品。

仲里依紗が抜群にいい!粋か、粋じゃないか。これが全て!
やっぱり石井裕也監督のコメディセンスは抜群。
お話も展開もめちゃくちゃだけど、見終わった後元気になれる映画。人生はシンプルでいいのかも。要は粋か、粋じゃないか。
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