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コミッサール
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『コミッサール』に投稿された感想・評価

菩薩
4.1
子育ては戦争より大変だ、と言うのはおそらく事実なのだろう。愛人との子をお腹に宿した誇り高き革命闘士、ユダヤ人一家のあばら家を隠れ蓑に出産・子育てを続け、兵士は母になり、本来の生活も取り戻し、母国への愛は着々と人類愛へと変化していくが、そんな彼女の元に再び軍靴の足音が迫る。初めはベットを用意されても床でしか眠る事が出来なかった彼女が、ユダヤ人一家との交流を深める中で人間らしさを回復し、そして一人の立派な母へと変貌を遂げる流れはとても美しく見える。特にその一家の妻はすでに6度の出産を経た達人、こう言う人が身近にいると頼もしいどころの騒ぎでは無かろう。子供達がお風呂に入れられているシーン、小指程の大きさのおちんちんではあるがしっかり露出した亀頭、まさしくユダヤ人の証。戦時下の子供達の日常として戦争ごっこが盛んに行われる、それはある日「ユダヤ人排斥ごっこ」へと姿を変える、この様に大人の悪しき思想や風習は、遊戯を経て着々と次の世代を蝕んでいくのだろう。ユダヤ人一家による支援、交流が当時のタブーに触れペレストロイカまで20年間封印された曰く付きの作品らしいが、それよりもインターナショナルそのものを真正面から批判するシーンの方がよっぽど問題有りの様な気もするが、自己批判を経ての真の革命、みたいな事なのだろうか、チェコ・ヌーヴェルヴァーグ諸作品以上に直接的かつ攻撃的な姿勢が伺える。平穏な街に迫りつつある反革命軍、元いた戦場へ、兵士へと帰るか、それとも母として、人として生きる道を選ぶか、彼女の決断や如何に。
のちに生まれる子供への、その親であるクラウディアが歌う子守唄が流れる中(この段階では子守唄とは分からない)画面に出現する騎馬兵たちのモブシーンからして素晴らしい。本作は全てのショットにかような力が漲っていて、これは何かに似た感触だと思っていたら同じソ連のドヴジェンコのサイレントによる傑作『大地』だった。

また、ラスト近くの地下室におけるそこだけ突出した非現実的かつ異様なダンスのシーンは同時に流れる典型的なユダヤ音階に基づく音楽との相乗効果で強烈の一語。制作当時上映禁止になった本作、フルシチョフ体制になっていたとは言え社会主義リアリズムの余波やら反ユダヤ主義的傾向(ユダヤ人を人間味ある存在として描いている)、力強くあるべき赤軍女兵士の同士との「過ち」による妊娠、そして「生む性」たる女性性の顕彰などが理由なんだろうか。

ちなみに音楽はかのシュニトケ、ロシア的なセンチメンタリズムをいかにもこの作曲家的に歪んだ音響で換骨奪胎していてさすがに聴かせる。考えてみりゃシュニトケもしはしば急進的な音楽を書いて当局から睨まれていた訳で、その辺も上映禁止の憂き目にあった理由か。
RIO
3.3
これもまた美しい映画でした

馬の嘶き 裏切者を納屋にぶち込むシーンとか
カメラワークに結構激しさがある
撮影:ワレリー・ギンズブルグ

砂丘で兵士が鎌を振るシーンは戦争によって
何も得るものがないという骨太の表現
こんな世に生まれて何か意味があるのか…とマリアが呟く

67年に製作されてから上映禁止になり87年に
ゴルバチョフのペレストロイカによって初めて復元
ソ連当局はボリシェヴィキを英雄としなかったことが
引っ掛かったらしい

ロシア十月革命後の内戦期 南ロシア
革命軍の女コミッサール”政治指導委員”の
クラウディァ・ワビーロワ

真実を求めて闘うロシア戦士
自由を求めて生きようとするユダヤ人
たとえおとぎ話でもいい…真実だけでは生きていけない

男みたいなワビーロワが図らずも妊娠してしまい
コミッサールとして退き 
人知れずユダヤ人のブリキ職人エフィムの家で生むことになった
赤軍の力を見せつけて貧しい家の部屋を奪う

奥さんのマリアが洗濯をしているシーンは
なんて美しいんでしょうか

ワビーロワの産みたくないという顔がすごいけど
子供の母親になってから愛情が沸々してきていた

「泣くと灰色の狼がやって来て…」子供に歌う子守唄
優しくて良い…本当に心があっったくなります

内戦はまだ続いている そんな中でワビーロワは
革命軍の兵士として決断をする
エフィムは女はズボンを履いても所詮女だと言っていた

彼女は女としても志を持つ一革命軍人としても
強い人間であったのは間違いない

雪原に残る足跡
ラストも熱くて好きです

アレクサンドル・アスコリ監督のインタビューの特典映像で
両親が逮捕された時はまだ靴ひもも
一人で結べない時だったという
当時のことを話している
その時に感じた恐怖がそのまま映画に
投影されたことがわかりました

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