パプーシャの黒い瞳の作品情報・感想・評価

パプーシャの黒い瞳2013年製作の映画)

Papusza

上映日:2015年04月04日

製作国:

上映時間:131分

3.7

あらすじ

「パプーシャの黒い瞳」に投稿された感想・評価

ジプシー(ロマ)で初の女性詩人となったブロニスワヴァ・ヴァイス(1910~1987)の生涯。

物語は、
パプーシャ(人形)という愛称を持つ彼女。ポーランドで生まれ、文字を持たない民族の中で育った彼女は、たまたま警察から逃げてきて匿ったガジョ(よそ者)で白人男性のイェジ・フィツオフスキーに文字を教わり仲良くなる。彼は彼女が歌う詩を書き留めていく。
1949年ポーランドでは定住化政策が始まり、ジプシーの生活にも大きな変化が訪れようとしていた...
ジプシーと別れてワルシャワに戻ったフィツオフスキーはパプーシャから詩を送ってもらいポーランド語に翻訳、本として出版してしまうのだが、そのことが、パプーシャの運命を変えてしまうのだった...
といった話。

空と何もない大地の中、幌馬車とジプシーの人々が移動していく。そして日が暮れると焚き火を囲んで音楽を奏で、踊る. . .繰り返される日常。
猥雑なシーンもある筈ですが、モノクロによる美しい映像に仕上がっていました。そして音楽もいいですね。

パプーシャの詩は直感的で素直な表現、彼らの民族性も多く反映していました。


大地で育ち
大地で寝て
大地で食う
家など要らない
森があれば充分


私の瞳は黒
あんたは緑
色が違っても世界を見てる
世界があるから
でも生きる世界は別
あんた達は強く
私達は弱い
学問も記憶もないから
ジプシーに記憶があれば
辛くて死んでしまう


旅する道は悲しみに満ちている
とかった石ころがはだしの足を刺す
弾が飛び交い
耳元を銃声がかすめる
すべてのジプシーよ
私のもとへおいで
走っておいで
大きな焚き火が輝く森へ
すべてのものに陽の光が降り注ぐ森へ
そして私の歌を歌おう
あらゆる場所からジプシーが集まってくる
私の言葉を聴き
私の言葉にこたえるために

いつだって飢えて
いつだって貧しくて
旅する道は悲しみに満ちている
とかった石ころがはだしの足を刺す

※上記詩は本映画「パプーシャの黒い瞳」日本語字幕より引用。

ジプシーはナチスドイツにも迫害され、その後の定住化政策で生き方も奪われた悲しい民族だったんですね。彼らのアイデンティティーとも言うべき集団で旅する行為を奪われ、バラバラにされ、今はヨーロッパ全体に拡がっているロマの人々。職を持たずホームレスになったり、差別を受けることもしばしば。少数民族の悲しさを感じます。昔も今も貧しい彼らはどこに向かっているんでしょう。


ヨアンナ・コス・クラウゼ(妻)、クシュトフ・クラウゼ(夫)の共同監督、脚本作品。


そういえば前に観た「coldwar」がちょうど1949年のポーランドで同時期の出来事なんですよね。もちろん同じポーランドでも場所も境遇も違うし、主人公の女性の生き方も全然違うんですけど. . .
そう考えると興味深いですね。
戦争が終わって、新しい時代へ変わっていく象徴的な年だったのかもしれません。
文字を持たないジプシーの世界。
彼女にとって世界はそこだけだった。
そんな世界で内面から生まれてくる詩の感情。彼女が生まれてから過ごしてきた世界への想いと外の世界への憧れ。
モノクロで描かれるあまりにも美しい映像はまるでパブーシャの目を通した詩の世界のような美しさを表しているようだ。
ムヴィオラ見放題パックで鑑賞。
2年前話題をさらった「ROMA」のようなウットリ系モノクロ映像に溜め息。

ジプシーという宿命ながら文字に魅せられ詩を詠み続けるパプーシャ。その彼女の誕生から文字を知ったが為に狂っていく人生の歯車を非時系列で綴る。

虐げられる老婆であったり、涙を流す花嫁だったり、映画の核心ともいえる詩を詠む姿だったり…その黒い瞳で見てきた人生についてパプーシャ自身が放つ終盤の言葉に胸が詰まる。

また知らなかった世界をひとつ知った。
kanko

kankoの感想・評価

3.8
ムヴィオラ 見放題配信パックにて

文字を持たない民達。遠く離れた人々の事を何も知らなかった。今現在はどのような暮らしをしているのだろう。 今現在に生まれてきていれば自由に言葉を記す事もできたのではないだろうか。
Ichiro

Ichiroの感想・評価

3.8
"ローマ"や"イーダ"を彷彿とさせる、静謐かつ絵画的な映像が素晴らしい。
ヨーロッパでよく見かけるロマの人々。少しは彼らのことを知ることができた、かも。
映画館のカウンターに
パプーシャの詩集があった。
 
  買っておけばよかった、、、
MiMPi

MiMPiの感想・評価

3.7
モノクロが美しいまるでポストカードの様なシーンが続く映画。
だけどね、切ないよ、ラストが。。
とき

ときの感想・評価

3.5
モノクロ映像がほんとに綺麗だった。ラスト、ジプシーがゆっくりゆっくり道を進んでいく様子とか彼らの生きざまを表しているみたいだった。余計な演出とかがなくて、時間をまたぎながらエピソードをひとつひとつ見ていく感じが落ち着く。ジプシーってなんだか自然と共存していて長閑なイメージを持ってたけど、こんなふうに迫害されたりした歴史もあったんだな〜
Filmarksをやっていなかったら、おそらく出会わなかったであろう1本です。
Filmarksに感謝♡︎
フォロワーさんに感謝🍎♡︎

大地に生まれ、
大地を食らい、
大地に生きる。

家を持たず箱馬車と共にあちこちを移動する放浪の民、ジプシー。

そんなジプシーの群れの中で生を受けこの世に産まれ出てすぐに、
“良くないことが待ち受けている”
“恥さらしな人間になるかもしれない”
と占い師に未来を予言された女性、パプーシャの波乱に満ちた生涯です。

読み書きをしないジプシーだけど、パプーシャは自ら文字を習い、詩を詠んだ。
詩を詩とも認識せずに心の声を。
パプーシャのこの詩がのちに彼女の運命を引きずり落とすのです。

閉鎖的な一族。
一族同士の望まない結婚!

“父なる森よ
大いなる森よ
私を憐み、子宮を塞いでください”

この結婚に至るまでの男たちのやり取りが酷すぎる!
今日の稼ぎをよこせ。
その時計もよこせ。
よし、娘をやろう。
ひえ〜、簡単過ぎない?💦
父親はまだ少女の娘を、ずいぶんとおっさんでヒゲモジャ男に引き渡すんです。
ジャケットの絵は婚礼衣装に身をつつんだパプーシャの姿。

それでもパプーシャは報われない淡い片想いをしちゃうんですけどね…。


詩を書くって小学校でやった気が。
構えちゃうと出てこない言葉たち。
でも多分あの頃はなんにも考えずに生きていたんだろうな。
心に何かしら募る思いがあるからこそ、それは言葉となって紡がれるのかも。

全編モノクロ映像ですが、これがとても美しい。
冒頭、雪がちらほら舞うシーンで濃淡のあるこの色合いに引き込まれました。

こおゆうのは手に入らないかな、と思ったら近くのTSUTAYAに置いてありました!
狭いTSUTAYAなんですけどね、最近の私の要望を分かっているようで…そんな訳ないか💦
2年前話題をさらった「ROMA」のようなウットリ系モノクロ映像に溜め息。

ジプシーという宿命ながら文字に魅せられ詩を詠み続けるパプーシャ。その彼女の誕生から文字を知ったが為に狂っていく人生の歯車を非時系列で綴る。

虐げられる老婆であったり、涙を流す花嫁だったり、映画の核心ともいえる詩を詠む姿だったり…その黒い瞳で見てきた人生についてパプーシャ自身が放つ終盤の言葉に胸が詰まる。

また知らなかった世界をひとつ知った。
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