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『戦場のフォトグラファー ジェームズ・ナクトウェイの世界』に投稿された感想・評価

TS
4.0
【戦場カメラマンは吸血鬼か伝達者か】
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監督:クリスチャン・フレイ
製作国:スイス
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:96分
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いわゆる「戦場カメラマン」であるジェームズ・ナクトウェイのドキュメンタリー映画です。戦場カメラマンと言えば、日本では渡部陽一さんで一躍有名になった単語ですが、その実態は想像を遥かに超えるものです。渡部陽一さんも勿論現場では死と隣り合わせと思うのですが、いかんせんバラエティに出ていらっしゃるので、残念ながら彼の放つ言葉には緊張感があまり込められていません。(注:もちろん時には緊張感のある言葉を発せられてるため、渡部陽一さんを批判しているものではありません)

世間が思ってる程、お気軽な仕事ではないのだよ。と今作のジェームズ・ナクトウェイはとことん、しかし謙虚且つ冷静に述べてくれます。何故彼はそこまでして戦場に足を運び、写真を撮るのか?その信念には脱帽、目からウロコです。

戦場カメラマンとしてはロバート・キャパが有名ですが、彼はその後継者と言われています。戦場だけでなく、デモの現場や貧困街にも足を運びます。そしてそれを敢えて最新の技術をおさえ、モノクロで撮影するのです。それらの写真は文字通り「真実を写したもの」であり、見る者に様々なことを考えさせます。

最早彼の作中の言葉のほとんどが名言。メモをしとけば良かったと思ったほどです。彼は現地の人と信頼関係を築かねばこのような写真は撮れないと言ってます。普通に考えると、自分たちの不幸を第三者が撮影するのですから日本では怪訝に扱われそうです。しかし、被害者も理解しているのです。自分たちの不幸、そして悲惨な現実を世界に伝えてくれるのはこのカメラマンしかいないということを。。両者はそれを理解していて、そして初めてリアルな写真が撮れるのです。
ナクトウェイはまたこうも言います。自分が「戦場カメラマン」という特別な地位におると決して思わないこと。そう思ってしまうと、戦場において自分が不死身と勘違いをしていくようです。彼らと同じ境遇に立ち、そしてそれを追っていくことにより初めて真実を撮れるのです。

ここまで志が高い戦場カメラマンが世界に一体どれくらいいるのでしょうか?彼はあくまで人の不幸を撮影しているのですから、自ら多くを語ろうとはしません。これが貪欲な戦場カメラマンならば、彼らの不幸を糧に儲けるのですから、いわば吸血鬼のような存在です。しかし、ナクトウェイのような志の高い戦場カメラマンは、彼らの不幸を世界に伝えるいわば伝達者の役割を担います。どちらが理想像かはいわずもがなです。
ナクトウェイは、自分が出来ることはその写真を世界に発信し、世界の人の理解を得るということだと深く自覚しています。何も英雄になりたいから戦場カメラマンをやっているのではない。そのプロ意識には唖然となりました。

そのような志が功を成しているのか、彼の撮る写真は良い意味でリアルすぎます。特に飢えている人々を撮影した写真には思わず目を覆いたくなってしまいます。世界にはこれほどまで痩せこけて飢えている人がいる。その悲惨な現実はやはり戦場カメラマンが発信してくれないと我々はわからない。同じ星の土を踏んでいるのに何たる格差か。

Mark数が少ないのが残念ですが、見るべきドキュメンタリー映画の一つと感じました。とにかくナクトウェイの一言一言が胸に刺さります。そして改めて彼の偉大さは勿論、写真という19世紀最大級の発明に心を打たれました。オススメです。
Omizu
2.0
【第74回アカデミー賞 長編ドキュメンタリー映画賞ノミネート】
クリスチャン・フレイ監督が戦場カメラマンであるジェームズ・ナクトウェイを追ったドキュメンタリー。アカデミー賞では長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。

もちろん戦場カメラマンという職業には敬意を払うが、ナクトウェイの言動や態度にあまり共感できないものがあった。「自分が撮るから世界に届くんだ」と語る場面があるが、それはそうだろうけど傲慢に感じてしまう。

危険を顧みず世界中を飛び回り現実を届けるナクトウェイ、その志は素晴らしい。ただ、白人男性としてのある種の特権にあまりに無自覚なのでは。観ていて時折上から目線を感じることがあった。

その写真は本当にすごいし、そのおかげで世界に醜い現実が届けられる。その意義や使命感は尊敬すべきものだ。自分には絶対にできない尊い仕事だと感じる。

ただやはり全体としては「白人の映画だな」という印象。その傲慢さもまたある種の社会問題なのではと思わざるを得なかった。
世界的に有名な戦場カメラマンであるジェームズ・ナクトウェイさんに密着したドキュメンタリー。
・コソボ、ジャカルタ(インドネシア)、パレスチナ、カワ・イジャンの硫黄鉱山(インドネシア)、ルワンダ虐殺などの写真や動画が見れるので興味深かった。
・イスラエル・パレスチナ紛争のシーンでは「核保有国に投石で挑む」様子が見れます。
・カワ・イジャンの硫黄鉱山(インドネシア)の映像には驚きました。
・過去に撮影されたルワンダ虐殺の写真では、マチェーテで行われたジェノサイドの恐怖が伝わってきます。
・彼のカメラにCCDみたいなものが取り付けられており、FPS視点の映像も多々ありました。シャッタータイミングなども見れるので、カメラをやる人には参考になりそう。
・戦場カメラマンに対して、他人の不幸で金儲けする人道主義者的な見方をする人もいると思いますので、インタビューシーンの内容で、好き嫌いが分かれそうな映画ではありました。
・静かな音楽が印象的で、なかなかの重みがある映画でした。

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