🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-547
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 ※※※/1001

🖋実際にあった冤罪事件をベースに、父と息子の確執と愛情、そしてイギリス大衆によるアイルランド人差別を赤裸々に、そして感動的に描いた力作です。

🖋 事件の解決と世間への体面のため、その後明らかになった真相をもひた隠し、彼らを犯人に仕立てた警察、その事実を赤裸々に描いているのが本作の凄いところ。そしてその中で冤罪となった親子のドラマがリアリティがあってとても感動的です。

🖋主役のジェリー・コンロンを演じるダニエル・デイ＝ルイス、アカデミー主演男優賞を唯一3回受賞したその演技力を遺憾なく発揮しています。また本役にまさしくピッタリ。父親役のピート・ポスルスウェイトとの親子の掛け合いとその雰囲気は実の親子にしか見えません。感動的でした。

🖋本作、1974年にIRA暫定派によって実行されたロンドンでのテロ事件であり、英国の司法界史上最大の汚点とされるバーミンガム・パブ爆破事件を元に、冤罪で逮捕されたアイルランド人ジェリー・コンロンとその父親の、再審への長い戦いを描いた作品です。そのジェリー・コンロン自身の回想記『Proved Innocent』が原作になっています。ベルリン国際映画祭で金熊賞に輝きました。

😢物語は。。。（参考:Amazon より）
1974年、ロンドンでIRAのテロによる爆破事件が起き、その犯人としてアイルランド人の不良青年ジェリー（ダニエル＝デイ・ルイス）や、その父親ジュゼッペらがいわれなき罪に問われ、投獄されてしまった。獄中から無罪を訴える運動を続ける父。しかしジェリーはシニカルに、そんな父を見つめるのみだったが…。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『父の祈りを』
原題（英題）:『In the Name of the Father』
🎥製作国 :イギリス・アメリカ
🎥初公開 :1993
日本公開 :1994/04/16
🎥上映時間 :133分
🎥受賞 :※※※
🎥監督（製作）:ジム・シェリダン
脚本 :ジム・シェリダン、テリー・ジョージ
原作 :ジェリー・コンロン
撮影 :ピーター・ビジウ
音楽 :トレヴァー・ジョーンズ
出演（声優）:ダニエル・デイ＝ルイス、ピート・ポスルスウェイト、エマ・トンプソン

🔸Overview （映画. comより）———————
1970年代のロンドンで起きた実在の冤罪事件「ギルフォード・フォー事件」を基に、無実の罪で投獄された父子の戦いと絆を描いた人間ドラマ。「マイ・レフトフット」の監督ジム・シェリダンと主演ダニエル・デイ＝ルイスが再タッグを組み、1994年・第44回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した。1974年、北アイルランド。定職にも就かず遊んでいる青年ジェリー・コンロンは、IRAを挑発したために彼らから目をつけられてしまう。父ジュゼッペはほとぼりが冷めるまで、ジェリーをロンドンへ行かせることに。やがて、ロンドンから約50キロ離れたギルフォードで爆破テロ事件が発生。久々にアイルランドに帰ったジェリーは、爆破テロをIRAの犯行と考える警察に容疑者として逮捕され、父ジュゼッペも連行されてしまう。ジェリーは厳しい尋問の末に白紙の供述書に署名し、父子は同じ刑務所に投獄される。共演に「ユージュアル・サスペクツ」のピート・ポスルスウェイト、「ハワーズ・エンド」のエマ・トンプソン。

【法廷映画のススメ】
『父の祈りを』(1993年)
〈実話 (1974-1989年 / イギリス) 〉

◆法廷の争点
15年前に判決に及んでいる爆破殺害事件に対する再審議について
・当時の警察・検事は、アリバイが立証される証拠に至っていたか？

〈見処〉
①英国司法最大の冤罪事件を基にした
　人間ドラマ
・『父の祈りを』は、1993年製作のイギリス映画。原題「In the Name of The Father」は、カトリックの祈り「In the name of the Father, and of the Son, and of the Holy Spirit / 父と子と精霊の御名において」）から引用。本来、父は創造主、子はイエス・キリストを意味するが、本作の原題では父ジョゼッペと子ジェリーを現している。
・本作の舞台は1974年、北アイルランド。定職にも就かず遊んでいる青年ジェリー・コンロン(ダニエル・デイ＝ルイス)は、IRAを挑発したために目をつけられ、父ジュゼッペ(ピート・ポスルスウェイト)はジェリーをロンドンへ行かせる。
・やがて、ロンドン近郊のギルフォードで爆破テロが発生。久々にアイルランドに帰郷したジェリーは、爆破テロをIRAの犯行と考える警察に容疑者として逮捕され、父ジュゼッペも連行されてしまう。
・ジェリーは厳しい尋問の末に白紙の供述書に署名してしまい、父子は冤罪ながら、同じ刑務所に投獄されてしまう…(eiga.comより抜粋)。
・本作は、1974年にIRA暫定派によって実行されたテロ事件であり、また英国の司法界史上最大の汚点とされる「ギルドフォード・パブ爆破事件」にて冤罪で逮捕されたアイルランド人ジェリー・コンロンの回想記「Proved Innocent」を元に、ジェリーとその父親の再審への長い戦いを描いた人間ドラマ。
・主演は、唯一のアカデミー主演男優賞3回受賞俳優、ダニエル・デイ＝ルイス。共演は、『ユージュアル・サスペクツ』のコバヤシ弁護士が有名なピート・ポスルスウェイト。デイ＝ルイスとは前年1992年『ラスト・オブ・モヒカン』に続く共演となっている。監督は『マイ・レフトフット』(1989)で、デイ＝ルイスに最初のオスカーをもたらしたジム・シェリダン。
・本作は、第66回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞(エマ・トンプソン)、脚色賞、編集賞の7部門にノミネートされ、第44回ベルリン国際映画祭では最高賞「金熊賞」を受賞している。

②史実との相違点
ジム・シェリダン監督は、本作を父と子の人間ドラマとして描く反面、映画の内容が史実と大きく異なると批判に晒されている。主な相違点は…
・獄中で無実を持ちかけるIRAのテロリストと彼の出来事は全てフィクション
・ジェリーとジョゼッペは刑期のほとんどを異なる刑務所で過ごし、同じ房で過ごしていない。
・エマ・トンプソンが演じるギャレス・ピアースは、父ジョゼッペと会っておらず、ラストシーンの法廷に立っていない。
・冤罪の裁判は一斉に行われておらず、分離裁判であった。
…たしかに史実どおりであると作品イメージが大きくかわってくる。

③イギリス裁判の正装
・本作でも描かれているとおり、イギリスでは17世紀後半以降、法律家の法廷内正装としてウィッグ(かつら)と黒のローブを着用する伝統がある。
・これらは、訴訟に厳粛さと公平性の感覚をもたらすと言われ、かつらを着用せずに法廷に立つことは、法廷に対する侮蔑とみなされていた。
・弁護士のウィッグは横の毛が短く、裁判官は、セミロングヘアで頭を隠すタイプ。 ほとんどのウィッグは白い馬の毛で作られ、年数が経つとともに黄色くなるため、純白のウィッグは、経験が少ない人と見抜かれていた。
・2008年以降は、民事裁判所での「普段着化」が進め反面、刑事裁判では、被告人から裁判官の人物特定が容易になってしまうという理由で、現在もウィッグが着用されている。

④結び…本作の見処は？
◎: 誰もが供述に及んでしまうであろう、あまりに苛酷な尋問。観るのも辛いが、史実として重く受け止めるべきシーン。
○: スピルバーグが後に「世界最高の俳優」と称したピート・ポスルスウェイトが扮するジョゼッペの毅然とした行動は、父親像として大いに共感出来るキャラクターとして描かれている。
▲: 一方、ダニエル・デイ＝ルイス扮する放蕩息子ジェリーには終盤も改心した振る舞いが少なく感じ、最後まで共感出来なかった。
▲: 最初の裁判までのシーンが長く、また、刑事たちの恣意的な捜査や、刑務所内の覇権争いの背景には、社会格差や宗教上の対立など北アイルランドとイングランドの根深い対立も、これではよくわからない。

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昨日残した赤ワインをラッパ飲みして映画を観ていたら寝落ち（気絶）していた。深夜2:00からのレビュー書き出しだけど…。

いい！！
連休ダカラ！！
連休最高！！
ひゃっふーーー！！

監督ジム・シェリダン×主演ダニエル・デイ＝ルイスのコンビは「マイ・レフトフット」以来。素晴らしい筈だわ。

1974年、北アイルランド。定職につかず遊んでばかりのジェリー（ダニエル・デイ＝ルイス）は、父ジュゼッペ（ピート・ポスルスウェイト）との折り合いも悪く、家を出てロンドンに移る。

暫くしてギルフォードで起きた2軒のパブを狙った爆破テロ。IRAの犯行と睨む警察により、本来IRAと無関係である筈のジェリーとその仲間達、そして父ジュゼッペや叔母一家までが逮捕されてしまう—— 。

英国の司法界史上最大の汚点とされるバーミンガム・パブ爆破事件を基に、冤罪で逮捕されたアイルランド人父子の再審への長い戦いを描く。

手掛かりを掴めぬままで焦る警察による、拷問まがいの恫喝と暴力の果てに、自供してしまうジェリー。それがまさか父までも巻き込む事になろうとは…。

何度も泣いた。

自分は勿論の事だけど、何の関係もない筈の父が自分と同じ監獄に…。

裸にされ、シラミ予防の白い粉を塗（まぶ）せられて。

やけっぱちのジェリー。
静かに嘆願活動を続ける父。

反発と和解を繰り返しながら、
獄中で父と息子は絆を深めていく。

2017年の「ファントム・スレッド」を最後に俳優業は引退したダニエル・デイ＝ルイス。どの出演作を観ても、役に徹し、その演技力に唸らされる。「羊たちの沈黙」ハンニバル・レクター役の最終候補まで残っていたそう。彼がレクター博士を演じる世界線があったとしたら、それはそれで震えるんですが。

ピート・ポスルスウェイト演じる父ジュゼッペも良かった。スティーヴン・スピルバーグ監督は彼を世界一の役者だと評したと言う。

2人の役者の確かな演技で刻む、本来あってはならない史実。

自分がもし、ジェリーだったら。ジュゼッペだったら。それでも希望を捨てずに明日を迎えられるのだろうか。気が遠くなりそう。

父がいたから息子は最後まで戦えた。ジェリー1人なら自暴自棄になり、再審など望まなかった筈。父は偉大なり。

失われた15年。
彼らの無罪は、逮捕から1ヶ月で明らかになる筈だった。そのあまりにも長い空白の時間と尊い命は、もう戻らない。

父、子、聖霊の御名に於いて祈るキリスト教の祈りの口上に擬（なぞら）えられた原題。

ただ、ただ、息子を信じ、
一心に支えてくれた父に祈りを。

魂の傑作。
観るべし。

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