なかなか面白かった。
女の情念はうらめしや。
最初は30年代の香港の遊郭の女郎ユーファ(アニタ・ムイ)と若旦那チャン(レスリー・チャン)の華やかで妖艶な恋物語だったが、突然に50年後の現代に変わり、チャイナドレスに身を包んだ艶やかなユーファが尋ね人の広告を新聞記者に依頼する。
アニタ・ムイは不思議な魅力がある(歌手でスーパースターだと知らなかった)。濃い化粧することで、挑発するような艶かしい強さを見せるが、素の顔は寂しげで儚げ。
新聞記者の恋人が嫉妬するのもなんだかわかる。
男性を焦らし変幻自在に男性たちの心の間を浮遊する。
しかし、通りかかった男性グループについつい流し目をしたら、気味悪がられてしまう。かつての女郎のしなも、時代が変われば価値が変わる。
女の執念は時代を超えて、恋物語を成就させるのか。
ユーファがだんだんと現代人らしくなっていくところが面白い。
悲恋?コメディ?塩梅がいい。
この公開4年後の同年にアニタもレスリーも亡くなっている