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歴史の授業
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『歴史の授業』に投稿された感想・評価

ローマ帝国の転換期と資本主義の相関。
ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ。
正直に言って、鑑賞後暫く経った今でも理解には程遠い作品である。

本作は現代の若者が、民主制から独裁を経、帝政へと移行する過渡期のローマ帝国を生きた人々へインタビューを行う、と言った形式を採る。
つまり、カエサルの事蹟を辿りながら、彼の覇権に多いに寄与した経済活動の実態を聞き取ると云う体である。
インタビューを受けるのは、カエサルと親交のあった銀行家やガリアへの出征に同伴した元兵士、元老院の詩人であり、彼等の口から聴く当時の実情はとても興味深い。

私を困惑させているのは本作に収められている、車で走行するパートである。
これは全部で三回、各々10分程度も挿入されており、インタビュアーの青年が一人、雑然としたローマ市街を走行する。
此処では劇伴も無く、環境音のみとなるのだが、未だに私にはこのパートの意義が理解出来ない。
『ドライブは過去を遡る行為(距離=時間?)を示しており、路傍の違法駐車や路上で遊ぶ子供達、行き交う人々は、其の儘現代から過去へ、ローマから影響を受けた人々を指す』などと、もっともらしい言葉を発してみても牽強付会の感は否めないし、そもそも此処まで尺も不要であろう。
この監督である為、無意味な筈もあるまいと思うが…、碩学の意見を聞きたいものである。

カエサルもそうであるが戦争は、領地を獲得する事がその目的では無く、自国民からも搾取する事を目的とする。
本作から得られる最大の教訓は恐らくこの言葉であり、此れは現代の紛争にも通底していよう。
“商売を誰が止められる?”と嘯き、ラストに於いては“たっぷり儲けたよ”と哄笑する銀行家(=資本家)を見る時、現代の我々も為政者の活動を、資本家の主張を、再度注視せねばならないと感じるのである。
自動車というパノラマ装置、動くフレームインフレームが画面へ絶えず不規則変化を導入し、主題である古代ローマの政界とは明らかにかけ離れた現代人たちがそこを無造作に横切っていくことで、同時録音のマイクへ即興的な音を刻みつける。
幕間と呼ぶには余りに長く、文字通り空間のみならず時空までも接続しているこの移動は三度反復されるが、その都度日光が傾いているという時間経過を見落としてはならない。

ただし主軸はキャメラを全く見ないで喋り倒すいにしえのガーシー。偶像化されてるC(カエサル)のこと晒していきますからね、そこからインタビューが同時代人に至る意図的な時代錯誤は普通に面白い。
あとは完全にリーフレットパクろう問題だけど、原作解説者と映画本編の解説者の間でも既に意見が乖離しかけてる(独裁者の断罪について、ブレヒトがカエサルを取り上げた意義)のでこれはもう自由解釈していい映画だと思うし、何ならテクストなんて一言も頭に残らないから!

くだらん事を長々と書いちゃったが、とはいえストローブ=ユイレの中では特別優れているというわけでも無いんじゃないかしら…。古代史に精通している方も全く興味無い方も、恐らくそこまで楽しめないと思うんである意味平等な映画です。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.8
「歴史の授業」

冒頭、名門出の一青年の栄達。銀行家、談話、法律家、属州の行政、詩人、ガリア戦争、農民、古代ローマ風の衣装、取材、カエサル、資本家の原型。今、バッハのマタイ受難曲と共にユダの裏切りに対する民衆の怒りが表象される…本作は資本主義を批判するブレヒトの小説の一部をローマ市街を舞台に映画化した1972年ドイツ連邦共和国とイタリア合作映画で、ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレ監督作品で、この度DVDを購入して初鑑賞したが素晴らしい。

まず、この作品はドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトの未完小説"ユリウス・カエサル氏の商売"を下書きにして、1972年に当時の西ドイツでのテレビ放映用に制作されたとの事である。彼がナチ政権成立後に亡命していたデンマークで戯曲として書き始められた。


まず、この作品は冒頭から非常に魅力的な演出をする。青年の運転する後部座席から彼を固定カメラで長回しする(この間、青年の顔の表情は小さなバックミラーに映る)。そしてローマ市街の美しい景観の街並みをカメラは映し出し、歩行者、路駐している当時の様々なクラシックカー、青年の握るハンドルテクニック、環境の音(車のクラクション)、通行人の会話、街並み描写など…。

そして、物語が始まってから10分頃が経った頃にカットが変わり、ベンチに座る男性(銀行家)2人の描写に変わり、1人の年老いた男が歴史の話をする。その会話の中では戦争の話が強調的に話される。

そしてひたすら男性の会話がされる中、美しい川と自然が描写され、その小屋の前で老人と男性が会話をするシーンへと変わる。そしてまた青年の運転する後部座席のシーンへと変わる。

どうやらこの作品は全6部で本作に用いられているのは第1部と第3部の様だ。ちなみに第4部がまとまらずに、この作品が未完成に終わったとの事である。



この歴史の授業にあたっての衝撃的なシークエンスはやはり車の移動ショットだろう。この2時間にも満たない作品の中に、そのシーンが3回それぞれ約10分ぐらいに及びローマ市外の移動撮影がなされている。もはや実験的映画である事は一目瞭然だが、ストローブ=ユイレと言う作家は、どうしてもドキュメンタリー映像風にし、我々に見せてくる。

それに銀行家のスピケルの台詞もすごく印象的で、その中身を(字幕でたどっていくと)見ると色々と答えが分かってくる。こういった難解な映画は嫌いではない。特にこの作品も自分が好きなほとんど説明がなされていなくて、商業映画からかけ離れている行動を徹底しているからだ。

だから退屈な映画にはなってしまう。だが、そもそも映画には退屈なものも十分に必要であると考えられるし、よくよく考えればこういった作家の作品=本当に難解なのだろうか?と言う疑問も出てきてしまうのが実は悩ましいところである。

基本的に映画慣れしていない人と言うのは古典文学や歴史的、もしくは政治的背景を彩る文学テクストの作品(原作)を目で見てしまうとなかなか理解に苦しむことがある(それは非常にわかることだ)。しかしながら、ではその作品を見るにあたって前情報(知識や教養を既に持っている人が鑑賞するのであれば)果たして難解となるのだろうか?と…いつもこの疑問と戦っている自分がいる。

この作品のタイトルを思い出してほしい"歴史の授業"である。この作品を見て歴史的な物語を理解する事は無い。それはそうだろう。歴史的事柄を何も知らないで見たって字幕に出てくる言葉すら一切何の意味を持つかわからない。作品のフレーム内に一々その解説を乗せていれば画面は文字だけになってしまうし…。

なのでこういった作品を避け、ハリウッド映画に親しむ(万人受けする作品)を多く見てしまう人の気持ちももちろんわかる。ところがだ、こういった歴史的事実を知った上で作品を改めて見返すと非常に面白いものであることも事実である。

あと、この作品はローマを長回しする為、その佇まいや歴史の景観の跡を目で眺める事も意図してそうな気がした。兎に角長いカットが3箇所ある。それは観てからのお楽しみって事で。

それに、3箇所ともに朝昼晩と違う為、そこにいる人々や空の色も違う発見があって、ローマを旅した気分にさせてくれる。それに、長ったらしい難しい話との合間にただ、運転する描写を10分程度挟む分、観客は休みつつ、話を整理できる言わば考える時間を与えてくれている。これは難解映画の優しさの部分なんだろう…。

にしても、古代ローマの民主化と資本主義の誕生をこうも、突拍子に映し解説するとは…す、凄い。それに、役者殺しと言うか、何というか…あの膨大な台詞を覚えるのはかなりの至難の技よ。台本読んで、よく怖気付かなかった…ありゃ相当キツイぜ。

因みにスピケルを演じた彼は「和解せず」にも出てた様な気がする…。わからんが。

とにもかくにもこの映画に出てきている全ての字幕を文字化して、いちど読んでみたい。そうしないともっと深くわかったような気がしないこの作品を。そもそも主要人物や勢力の関係図がかなり複雑で図表も欲しいところだ。


この映画は、タイトル通り授業を受けているような感覚があり、ただ人と対面して会話しているだけを、われわれは見せられる。ただ人が会話している基本的な映画の根本が、これほどまでに難しいと言うのを改めて知らされた1本であった。

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