そして泥船はゆくの作品情報・感想・評価

そして泥船はゆく2013年製作の映画)

上映日:2014年12月13日

製作国:

上映時間:88分

4.2

「そして泥船はゆく」に投稿された感想・評価

lp

lpの感想・評価

4.1
渡辺紘文監督のデビュー作。本当は映画館で見たかったけど、なかなか上映の機会もなく、青山シアターでの配信も終わりそうということで、このタイミングで青山シアターから鑑賞。

渡辺監督はこの映画の後に『七日』『プールサイドマン』『地球はお祭り騒ぎ』という、とんでもない3本を産む訳だけど、後に続く「何気無い日常の繰り返し」は今作の時点で既に萌芽していた。
『七日』以降の主人公は必ず「仕事」に従事しており、その味も素っ気も無い暮らしに渡辺監督は着目した訳だけど、今作で監督が描いたのは無職の男。劇中の表現を借りるなら「怠惰」な男の日常が、後半までひたすら描かれる。
もちろん今作は劇映画なので、前半の時点でもドラマはあるけれど、非常に小さいスケールに収められている。ただし、停滞する田舎社会への嫌悪や、製作当時の「震災」を巡る社会の動きはしっかり盛り込んでいて、渡辺監督独特のスタンスは充分に堪能できる。

後の作品群に連なる渡辺監督の作家性が堪能できた点で満足ではあるけれど、今作最大のポイントはそこではなく、話が一気に加速する後半~終盤だろう。あの展開をどう解釈するかが、今作の評価の分かれ道。
ラストはメタファーがふんだんに盛り込まれ、解釈も何通りか可能な含みを持たせた内容で趣深い。個人的には「食事」「死への恐怖」「おばあちゃん」。3つのキーワードから考えて、ラストは「精神的な死」と解釈。

主人公が怠惰さの中に陰を抱えている点やラストの急転調など、渡辺監督の以後の作品群では『プールサイドマン』に近い映画でした。
シュールで、くっだらなくて、イカレたコメディー。
すっごい笑ったんだけど後半はぶっ飛びすぎてて好き嫌い別れそう。
最近ちょこちょこ見かける主演の彼もおばあちゃんもイイ感じで私は好きな映画だったよ。
行人

行人の感想・評価

4.5
青山シアターでの配信が終わってしまうと知り「プールサイドマン」「地球はお祭り騒ぎ」「七日」の渡辺紘文監督のデビュー作を漸く。

ずっと気になっていた「そして泥船はゆく」という映画は、栃木県大田原市を舞台にした一筋縄では語れないコメディ映画だった。

この作品は、第1部「怠惰」第2部「化石」第3部「泥船」と3章に別れて物語が構成され、第2部までは渋川清彦演じる駄目な男と、男を取り巻く人間の退屈で、滑稽で、馬鹿馬鹿しい日常が淡々と繰り返される。しかし第3部、物語は破綻しながら加速度的に超現実へと飛躍し思いもかけないラストを迎える。

震災、原発事故、新興宗教など社会性のあるテーマを、独特のユーモアを持った喜劇の要素と掛け合わせ日本という国の姿を見事に炙り出す、笑えて、考えさせられるコメディー映画。

主演の渋川清彦は彼のキャリア上ベスト級の演技を披露していて惚れ惚れするほど素晴らしく、監督のおばあちゃん、平山ミサオさんもチャーミング。渋川清彦に振り回される、飯田芳、高橋綾沙もとても良い味を出している。

正直、期待していた以上に面白い映画だった。
その後の彼らの活躍ぶりを大いに納得させられる渾身のデビュー作だ。
smile

smileの感想・評価

3.9
くだらなすぎていちいち笑える(笑)
こんなコメディー日本にあるんだ~って感じ。
渋川清彦、改めていいな~って思った。
あこ

あこの感想・評価

4.0
好き
渋川清彦さんの魅力全開
でも何といってもおばあちゃんがサイコー
白黒映画だけどスゴいみやすい映画だった
aoi

aoiの感想・評価

4.3
おもしろかった!!
めっちゃ笑った!!
ポジティブな意味でバカ!!
RON

RONの感想・評価

4.8
「プールサイドマン」で東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門のグランプリを受賞し注目を浴びた大田原愚豚舎・渡辺紘文監督のデビュー作。北関東の地方都市に生きる若者の痛くてリアルな現実を描くモノクロームのコメディー映画。主人公は今や日本映画界に欠かせない存在となった個性派俳優・渋川清彦が演じる36歳のどうしようもない無職の男。(これが渋川清彦の初主演映画らしい)
娯楽といえばパチンコ、ゲーセンにカラオケとボウリング、ナンパする場所といえばTSUTAYA、やることが何も無く、時間を持て余し、喫茶店で求人雑誌をいい加減にペラペラとめくり、深夜になれば腐れ縁の友達と一緒にカーセックスをしているカップルを探すためドライブに出かけ寒くて風邪を引く(笑)。仕事はなく、探す気もなく、別れた妻には養育費を払い、会いたい娘には会う事も許されない。家には年老いた祖母もいる。
直面している現実は厳しく絶望的なものなのに、それでもなんとなく生きていけてしまう男の日常は、決してドラマチックな展開をみせたりはしない。死んだ父親の隠し子いう家出娘が訪ねてきたところで、男の生活には何の影響もなければ変化も無いし、震災やその後の原発関連の問題も、偽善的にハンカチを押し売りに来る新興宗教の信者も、日本を変えるのだと息巻いて市議会議員を目指し得票のために友達でも無いくせに友達ヅラする同級生も、テレビから流れてくるイベント化した国会前のデモも、渋川清彦演じる主人公を変えることは決して無い。沈み行く泥船のような日本という国を誰も変えることができないように、色の無い灰色日常は大きなドラマや劇的な出来事や事件が何も起きないまま、ただただ気味が悪いほど淡々と決められたルーティンワークのように繰り返されてゆく。
映画全体を粉々に破壊してしまうような後半の予測不可能な展開にはかなり面食らったが、この清々しさはなんだろうと思うぐらいある種の衝撃的なラストは気持ちよく笑えた。傍若無人だが愛嬌たっぷりでどこか優しさが見え隠れし、なんだか憎むことができない主人公演じる渋川清彦が実に魅力的で素晴らしく「お盆の弟」「下衆の愛」と並び、彼のキャリアの上でも最高峰の大名演をみせている。おばあちゃんも、家出娘役の若い女優さんも、主人公に振り回されるお人好しの友人役の俳優もとても良い。
東京での再上映期待します。
森田

森田の感想・評価

5.0
ずっと気になっていた作品。
カルト色の強い喜劇映画だった。
日常がズレながら進行してゆく構成だが、主役の演技力と、歯切れのよい台詞、乾いた白黒の画の迫力が低予算を感じさせず退屈させない。
奇想天外な第三部は狙いすましたチープさが絶妙。
ラストは粋で心地よい。
笑えるしハマる人はとことんハマる映画だと思う。ブラッピ!
「そして泥舟はゆく」ものすごく楽しめた。
渋川清彦さんの持ち味が最大限に生かされてる。
かなり笑えてちょっと痛い。
自然体すぎるおばあちゃんは最高にかわいい。
私はこの映画を見終わった後、すっかり渋川さんのファンになっていました。
記念すべきKEEさん初主演映画!
KEEさんのキャラクターが他に無いくらいハマりすぎてて、ぶっ飛んでて、クールでカッコよくて本当に最高!自分でもびっくりするぐらいすっごい笑った!問題の第3部なんて遊びすぎてて怒る気にもならない(笑)
配信でしかみることができないなんて勿体無い!DVD化希望します!
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