七日の作品情報・感想・評価

七日2015年製作の映画)

上映日:2017年09月23日

製作国:

上映時間:110分

あらすじ

北関東郊外の農村。時代から置き去られたような牛舎で日々黙然と働く男は、年老いた祖母とふたりで暮らしている。目覚め、働き、食べ、眠る。太陽が輝き、雨が降り、風が吹き荒れる。自然の中で繰り返されるふたりの生活が、台詞を一切排した白黒映像で静謐に、時に執拗に描写される。

「七日」に投稿された感想・評価

lp

lpの感想・評価

3.5
『プールサイドマン』の予習として鑑賞。予想以上に何も起こらない映画でビックリ!
主人公の一週間を描く点で、やってることは『パターソン』とほぼ同じ。『パターソン』以上に、主人公の行動や演出の変化は小さいので、「同じ日の繰り返し」という印象は今作の方が強い。
そして変化が小さいからこそ、いざ音楽やカメラアングルに変化があると、「何か起きるのか!?」と緊張が走る。結局、劇中では何も起きないけど、これは「今日は何か起きそう」と思っても、何も起こらずに終わることも多い現実の日常を、映画に取り込もうとしているように感じた。
『パターソン』との対比で言うなら、日常の中の淡い希望や期待を描いた『パターソン』が「光」なら、日常の停滞に徹底して焦点を当てた今作は「陰」といったところ。二つ並べてみると、巡り合わせや時期によって、どちらの人生も過ごすことになるのだと思う。

他には、劇中の牛は停滞した日々を過ごす主人公の「生かされてる」状況のメタファー、祖母は未来の主人公の姿を暗示してるように感じた。何も起こらない映画だったけど、こうやって解釈をすることで、味わい深くなっていくことが面白い。

内容が内容だけに、賛否が分かれるのも仕方ないけど、個人的には映画のメッセージや演出の意図を、じっくり考えながら2時間楽しめました。
何も起こらない今作でも満足できたので、何かが起きる『プールサイドマン』への期待は高まるばかり。
AS

ASの感想・評価

4.0
台詞が無い分背中が雄弁に語る。
繰り返される日常生活のちょっとした違いを楽しむ作品。日々の天気による風の強さや光の射し具合が変わるだけで、前日と同じ様なショットでも表情がガラッと変わってくるところが面白い。
と同時に様々な音に耳を傾けたくなる。ちなみに自分のお気に入りは腹を叩く音。
監督の背中と腹が同時に堪能できる一粒で二度おいしい作品でもあるわけです
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.0
【繰り返しの退廃】
来週、東京国際映画祭で作品賞を獲った「プールサイドマン」が公開される。

それに合わせて、渡辺監督の「七日」を観てきた。

現在、新宿武蔵野館では「パターソン」という、ある男の地味で美しい一週間映画が公開されている。あちらは人生賛歌、光の映画に対し、こちらは人生鎮魂歌、闇の映画だ。

田舎の農場を舞台に、飯を食う、牛の世話する、糞みたいな空間で働く。都会民にとって苦痛すぎる日々が台詞なしで描かれる。

本作を観て、「ニーチェの馬」を思い出した。辛い、辛い作品なのに、どこか忘れられない。映像の構図がシャープでクールなところは共通するものを感じる。

確かに、東京国際映画祭で上映以後、一般公開できなかったのも分かるニッチすぎる作品だが、この1週間上映を逃したらなかなか観ることのできない作品なので、おヒマな方は是非新宿武蔵野館へGO!
MTmovie

MTmovieの感想・評価

4.0
武蔵野館にて。監督と監督のお婆ちゃんと牛。背中で始まり背中に終わる。同じような毎日だけどこんなにも色んな表現ができるとは。
田舎で暮らすのは決してパラダイスではなく、平凡な一日の繰り返しで、「こういった生活に耐えられるか」と都会に住む人々の憧れを拒否する姿勢を感じた。
静かな描写とは対照的に音響が大きく、鋭利に尖っている。牛舎の糞尿に飛ぶハエの羽音を爆音で聴いたのは初めてだ。
セリフがない映画ではあったが、テレビのニュース放送は今の日本についてのメッセージを発信していたのだろうし、東京国際映画祭だったら外国人向けに英語字幕をつけるべきだった。
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