実録白川和子 裸の履歴書の作品情報・感想・評価

「実録白川和子 裸の履歴書」に投稿された感想・評価

マツダ

マツダの感想・評価

5.0
色んな男が出てきて楽しい、冒頭の小麦粉まみれレイプは圧巻、ホロリとくるラスト
曽根のベストか。

ピンク映画を撮る者のプライドと女優愛のこもった眼差しに泣いた。

白川和子がパンツまるみえのあられもない姿で、ひとり宅飲みして酔っ払って、「男が欲しい・・・・」とつぶやきながら酒瓶をさすってすがりついて倒れるシーンが死ぬほど好き。
なやら

なやらの感想・評価

2.5
ただ単に撮ってなるものか!という気概が伝わってくる冒頭の小麦粉セックスには引きつけられたが、以降はそれほどハマれず。そもそも、肝心の白川和子があまり魅力的に映ってないような。「実録」と謳っておきながら全然実録っぽくないのは面白かったが。
t

tの感想・評価

4.3
冒頭の小麦粉まみれからして只ならぬ予感はしたがとても良かった。実録である訳がない曽根中生のハチャメチャ演出の一方で、白川和子という人間自体を見つめる優しい眼差しが通底してる。何故ポルノ女優になったか、を聞かれて「人間を好きになろうと思っただけよ」。
ホロリとさせられてからの、画面ストップから雪崩れ込むハイライトとラストの壮観にはノックアウトされないはずが無い。このメタ性は物凄いのではないか。
胡散臭いピンク監督殿山泰司、カーセックス中に君が代を歌い始める高橋明、長身イケメン影山さんのサイコパス演技も見もの。
映画世界と現実世界の狭間で生きているピンク女優・白川和子が、豪奢な男性遍歴を経ながら、性愛の在り方と自身の生きる道を追究していく。成人映画最多出演女優、白川和子本人を主演に据えているロマンポルノ。半自伝的な内容だが、映画としての面白さを加味させた「嘘の記録映画」になっている。

ポルノ業界という異世界に身を投じることになった白川和子が、破天荒な人生模様を繰り広げるという内容。日活に出演する以前のインディーズ時代から物語が始まるのが嬉しい不意打ち。絡んでくる男性陣が個性豊かだし、様々な出来事が連続して起こるので、娯楽作品としての水準は保たれている。

ラストに展開される、日活ポルノ女優たちの自己アピールが白眉。アピールの演出を女優本人が考えているため、各々の性格が出ているのが可笑しい。もはや、資料映像の領域と言っても過言ではない。

ポルノ映画ならではの変化球が付いている異色作。他の女優を題材にして、同じ路線で連作しても良かったのではなかろうか。
本作はメタ日活ロマンポルノであって、そもそも「ピンク女優とはなにか」という事が出題の作品である。前半白井は自分が性の対象としか見られないことに嫌悪感を感じ、一度はピンク女優を辞めることとなる。しかし、転職先であった年寄りによって、彼女の考え方は変わっていく。
もはや人生になんの希望を持っていない世捨て人の年寄りが、女に飢え、日夜擦り切れた女優の写真にキスをするという異常な状態を見ることになる。彼女は年寄りに自分の乳房を吸わせ、ジジイは幸福を感じその次の日には死んでいた。彼女はその経験によって考え方が変わっていく。人間としてみられないピンク女優という職業だが、それによって人間であることに至福を感じる人がいる。それで良いのではないかという前向きな考えにシフトし、ピンクの世界へと戻っていく。彼女はピンク女優としてトップランナーになったのだが、そんな簡単にめでたしめでたしといかないのが、この映画の素晴らしいところである。ピンク女優として生きていくことを堪忍した時に自分を人間として愛してくれる男性が出てくる。さらには日活のオファーが来て、彼女は「日活」か「家庭」かの二つに一つをとらねばならなくなる。彼女は生まれて初めて、オンナではなく愛する対象としてみてくれる男性が出てきた事に喜び感じつつも、結婚する事を諦めて、日活の方をとる

ここからがこの作品の見せ場である
次々と白井和子の出演した傑作日活ロマンポルノの予告がダイジェストで登場し、ラストには日活ポルノ女優が上半身裸で勢ぞろい。田中真理の号令のもと、白井和子の引退の口上が述べられこの映画は終わる。
オンナがオカズにするとはどういうもので、オカズにされるとはどういう事なのかを問い直した、本作は、日本映画の傑作の一つという事ができるだろう。
14.12.6@シネマヴェーラ渋谷<追悼特集 曽根中生伝説>
さわら

さわらの感想・評価

3.5
白川和子を僕は知らない。本作は彼女の引退作であり、彼女を知るか知らぬかで評価も分かれるんだろうなと思った。最後の白川和子の口上シーンなんて、白川ファンなら堪らないし、知らなくても曽根監督の粋なはからいが感じられて良かった。その後の日活ロマンの行く末を知っている今観ると、身につまされるものがあった。
冒頭の粉まみれのレイプシーン、突然すぎる時間のジャンプ等で多少テンションが上がった。その後は白川和子がポルノ女優としてのスターダムを駆け登ったり、突然女優を辞めたり、男に監禁(?)されたりするばかりで、よくある不幸女子もののシーンを寄せ集めただけのように感じ、少し退屈してしまった。
興味深かったのはセックスシーン。まんま見せずに、家具に目を移したりこぼれた野菜に注目させるカメラワークである。セックスを生活の一部のとして描いている。また、セックス描写に主眼が置かれた映画でないことがそこから感じられる。あくまでも白川和子の、白川和子のための映画であった。
曽根監督『大人のおもちゃ〜』、相米監督『ラブホテル』、そして本作。どれも抜けないポルノであり、日活ロマンの冠をかぶった芸術性の高い作品群であった。もっと観たいなぁ。
クリスマス間近の渋谷で、先達たちの偉業が観られて本当に幸せ。ポルノ上映前に、ジョン・レノンの「Happy Xmas」みたいなチャキチャキなXmasソングを流しちゃうシネマヴェーラさん、大好きです。フォーエバー!

@シネマヴェーラ