安藤昇のわが逃亡とSEXの記録の作品情報・感想・評価

安藤昇のわが逃亡とSEXの記録1976年製作の映画)

製作国:

上映時間:85分

3.9

「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」に投稿された感想・評価

ヒルコ

ヒルコの感想・評価

2.5
演技的なところの難はこの際置いといて、本物のヤクザの組長さんが主演で終われるヤクザの組長さんを演じてるってところがもう興味深い。フェイクドキュメンタリーというより、セルフパロディといった感じでしょうか。ポルノ映画ではありますが女性が汚いのと組長さんがずっと同じ表情なので、エロい感じ皆無で笑っちゃいます。役者ではやっぱり蟹江が出色。
marmelo

marmeloの感想・評価

3.2
まあそのタイトル通りの内容です。やくざ安藤組の組長、安藤昇が射殺事件後に逃亡し、愛人宅を転々としてSEXしまくるという。安藤昇はしかし格好いいです。ゴルゴ13みたいです。
カッチョいい。ズームが楽しい。田中登は天才。泉谷しげるいいじゃないですか
12月16日は2015年に逝去したリアル・スカーフェイス俳優、安藤昇の命日。

かつて予科練に入隊しつつも出撃間近で終戦を迎え、戦後の渋谷では「安藤組」を結成して幅を効かせたガチ組長・安藤昇。
かなりのThug Lifeを送った挙げ句に紆余曲折を経て俳優へ転身した彼ですが、
ある襲撃事件で安藤組が全国指名手配された際の逃亡劇を安藤自身が再現した作品がこちら。

内容は組員を全国に逃亡させ、安藤も愛人たちを点々としながらとにかくSEX(主にバック)をしまくるという、とっても単純明快なもの。

しかし!ここには安藤の強烈な自己愛及び武勇伝と共に、彼をセックスと逃亡に駆り立てるに至った反体制・反骨精神がシーン全体を覆っているのです。
日活ポルノ田中登監督のエロ要素、そしてアウトロー安藤のアナーキズムが化学反応を起こし、ガセネタ・じゃがたら・スターリンばりのパンクっぷりでクライマックスまでをブチかます!

予科練崩れの死に損ないが戦後の混乱を生き抜くために組を興し、それでも任侠組織と認められずに愚連隊という社会のゴミ扱いでドン詰まりに追い込まれてゆく怒り。
それが性の衝動と連結した時、ここに唯一無二のパンクムービーは生み落とされたのです。
そう、パンクとは生き様だ!
安藤昇よForever!
安藤昇さんが実際に経験した逃亡劇を御本人が演じているわけですから、一度は観て損はないでしょう。
タイトルそのまんま、逃亡とSEXだけのお話なんですが面白いんですね~
どこまでリアルに描いていたのかをご本人に聞いてみたかった。
不自然すぎるほど格好良い劇中で使用されていたポンティアックは自前だったのだろうか?
警察に取り囲まれてもSEXをやり続けたのは本当なのか?
連行されるパトカーの中で、二人の刑事に挟まれながら手錠をはめた手で堂々とオ○ニーをしたのは本当なのか?
心のどこかで男が求めているロマンをそのまま形にしたような作品ともいえる。
自分が実際に起こした事件を自分を主役に映画化するってすごい
何人か集めて一緒に観たい
C

Cの感想・評価

4.2
安藤昇のこと全く知らなかったけど、かっこいいなあ〜。ヤクザ映画なんて北野武くらいしか観たことなかったけど、本物の佇まいは全然違うなあ
『襲撃編』と同じく「横井英樹襲撃事件」とその逃亡劇を描いているが、こちらは逃亡劇のみがメイン。
同じ事件を描いていながら、良くも悪くも無神経で淡々とした佐藤演出に比べ、田中登の演出は耽美的で情念が渦巻いている。

この映画の安藤昇はアンチヒーローとして完全なカリスマを帯びている。
タイトルが示す通り、安藤昇が逃亡先で愛人達を抱きまくるのだが、女達は全員「安藤のためなら命も惜しくない」と言いかねないほど崇拝、陶酔に狂い、それぞれが異なる愛し方で安藤昇を愛し抜く。
逃亡すればするほど、弱るどころかかえってカリスマを強めていく。次の台詞が象徴的だ。
「追われてるっつうのは何かから逃げる事だ。
俺のは何かから逃げてるんじゃねえ。何かに向かって逃げてるんだ!」
ともすると単なる詭弁に聞こえてしまう発言だが、その直後に妻に屁理屈だと一蹴されるシーンを入れる辺り、相対的なバランス感覚もあるのだろう。
小池朝雄と共に戦時への恨み節を爆発させるシーンは『懲役十八年』の変奏でもあり、安藤昇の反逆精神の原動力が窺い知れる。

本作を観るまで、役者としての安藤昇に特別興味はなかったが、この映画ですっかり惹かれてしまった。
口答えする石橋蓮司をはたくシーンがあるが、滅茶苦茶リアル。東映実録ならもっと過剰にボコボコにするだろう。
極めつけは身柄拘束シーンだ。
逃亡先でマダムを強姦中、生理である事に気づき「なんだお前、日の丸じゃねえか」と確認後、豪快に強姦続行。
警官隊に捕えられ移送されるも、「てめえら最後までやらせねえからだ」と車内でシゴいてフロントガラスに射精。
挙句の果てに「天皇陛下になったみてえな気持ちだよ」と嘯き、泉谷しげるの煩いギターが鳴り響く。
たった数分で色んなものに喧嘩売り過ぎである。
最高かよ。
内容も何もタイトルを読んで字の如く。
音楽が特にいいし、ヤクザ映画好きにはたまらないんじゃないでしょうか。
全国指名手配中の安藤興業社長・安藤昇が、各地に点在している情婦のもとを渡り歩きながらの逃走劇を繰り広げる。元ヤクザで映画俳優の安藤昇を主役に据えて、俳優転向以前の1958年に起こった出来事を、張本人による芝居で綴っている実録映画。日活ロマンポルノの旗手、田中登監督が東映で製作している。

安藤昇は兵役と反体制運動の一連の流れを実体験としてもっているため、アナーキストかつニヒリストの人格が形成されている。そのため、平和ボケが進行して、無味無臭となった現在の日本に対して、鬱屈した感情が湧き上がってしまう。

本作は、一般庶民の日常とはかけ離れた世界に生きているアウトローの人間(その時代に生きた人間)を実感するための作品。田中登のフットワークの軽さが絶妙な味付けになっており、緊張と弛緩の連続が気持ちよくなってくる。主人公と情婦の過去を、鑑賞者に汲み取らせる語り口も巧い。

日活ロマンポルノと同じように「生きていることを実感するための行為としてのセックス」がストレートに描写されている。セックスと同じぐらいの分量で食事シーンが登場するところも注目すべし。「ヤって、食って」の連続が生きている証。これは、絶対普遍だろう。
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