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僕は黒人
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『僕は黒人』に投稿された感想・評価

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4.3
舞台こそ違えど手触りはまさしくヌーヴェルヴァーグの嚆矢と言ったところで、これもシネマ・ヴェリテの意義を超えてカジュアルで愛すべき傑作だった。
主人公がコートジボワールの貧しい港湾労働者だが、似ているとの理由でアダ名が「エドワード・G・ロビンソン」。自分の生活に不満を持っており意中の女ともうまく行かず、ヤケ酒する辺りなどは相当笑える。ここではないどこかを希求するがどこへも行けない、そういう映画は大好きです。
躍動感も素晴らしい。暗闇の中でのボクシングと黒光りする肌、水辺での若者グループのはしゃぎ、ダンス大会でのパーカッションと肉体のセッション。
ボイスオーバーによる映像と音声のずれが「作り物」であることを強調する。Abidjanの街、どの店も外壁にイラストが描かれていて散歩が楽しそう。
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3.9
ゴダールが公言しているジャンプカットの元ネタ。だけど水浴びのシーンとか『気狂いピエロ』まんまでビビる。エドワードGロビンソンを名乗る黒人の青年の主人公は、どこにも行けず、いつも孤独だと嘆いている。妄想ハメ撮りショットが照明キメキメジャンプカット混じりでリアーナのPVみたい。Born slippyかかりそうなエモい朝焼けラストに感動。『わるい仲間』とか『プロジェクトX』と同じ。「いつもの月曜日がいつものようにはじまる。もう僕たちはボクサーでもなければ映画スターでもない。ただ僕は勇敢だ、だれよりも」
3.5
【ゴダールに衝撃を与えた一本】
日仏学院メディアテークにて借りたジャン・ルーシュBOXにて彼のマスターピースである『僕は黒人』を観た。本作はジャン=リュック・ゴダールに衝撃を与えた一本として知られており、「ジャン・ルーシュ 映像人類学の越境者」によると

『無防備都市』が当時の世界の映画においてそうだったように、『僕は黒人』はフランス映画における青天の霹靂だったのである。

と述べている。また、『勝手にしやがれ』では本作を意識されており、リュック・ムレが「フランス版のルーシュ作品」と本作を評価している。

『僕は黒人』はコートジボワールで仕事を探すニジェールの移民の1週間を追った作品である。スープ一杯程度の賃金を稼ぐために物流の現場で重労働に明け暮れている。

フィルム撮影されたコートジボワールの地はどこかノスタルジックであり、そのノスタルジックさが時として高揚感のあるスペクタクル。夜のボクシング、海辺で楽しく遊ぶ様、音楽やダンスに明け暮れる姿へと繋がっていく。過酷な労働と夢が交わりあった不思議なイメージに惹き込まれる。

ジャン・ルーシュはフランスではなくコートジボワールで移民を撮った。それはズラされた位相の中で本質を掴むような活動であり、アフリカ社会における移民像、文化人類学における移動と経済の関係を情緒的に描いており、確かにジャン・ルーシュのマスターピースといえる作品であった。

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