主人公の男は、母親を亡くし、父親に捨てられた過去を持つ。 友人に誘われたことがきっかけで囲い屋で働き始め、能面のように無感情になった男は、ただ毎日を浪費していた。ある日、ホームレスのひとりに、自らの父を発見する。それまでホームレスたちをモノのように扱ってきたが、父との再会により、初めて揺れ始める男。男の揺れは、彼の日常ともう一つの別の世界とが交わるきっかけとなる。導かれるように父を連れて囲い屋を出た男は、自身の欠落を問うために車を走らせる。現実ともう一つの世界の間を揺れ動くドライブの中で父と訪れた廃墟に は、母親の幻影がさまよっていた。そして、並行して描かれる、現実と幻想の狭間を航海する一艘の舟の意味するものとは..
3年間、失踪していた夫が突然帰ってきた。離ればなれになっていた夫婦が、失われた時間を生き直すように、ふたりで旅に出る―。それは、愛する人との永遠の別れへの“愛の巡礼”だった―。
中東のパリ、ベイルート。地中海を眺望する超高層ビルの建設現場でシリア人移民・難民労働者たちは静かに働いている。ある男が、出稼ぎ労働者だった父がベイルートから持ち帰った一枚の絵の記憶を回想す…
>>続きを読む小栗康平監督初のオリジナル脚本。製作は群馬県。 行政が発意して製作費の全額を税でまかなうという日本では前例のない取り組みで、社会的にも大きな関心を集めた。その後、この「眠る男」が前例となっ…
>>続きを読む「生まれ変わったら、今度こそ、一緒になろうね」。名前も、過去も覚えていない女(小松菜奈)の目が覚める。舞台は佐渡島。鉱山で清掃の仕事をするキイ(大竹しのぶ)は施設内で倒れている彼女を発見し…
>>続きを読むとある地方都市に冷酷非情なやり方で成り上がった不動産ブローカーの男がいた。高校三年生の娘は父親が荒らしたこの町に愛着を持っている。表立たずに暗躍し町にとって異分子である男と、男の裏の顔に気…
>>続きを読む経営していた会社が倒産し、茨城にやってきた中村正男。様々な他人の名前を周囲に偽って使い、体裁を保ちながら自堕落な暮らしを送っていた。ある日素性がバレそうになり窮地に陥っていた正男のもとへ、…
>>続きを読む©chiyuwfilm