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『耳(Ucho)』に投稿された感想・評価

No.515[次は私の番なのか、ある党幹部の一夜を巡る最強のホラー映画] 99点(OoC)

漸く手に入れたチェコ・ヌーヴェルヴァーグを代表する怪作であり、メンツェル「つながれたヒバリ」などと共に1990年代まで未公開のまま放置された作品でもある。東欧映画大好きな人間にとって見ない手はないのだが、大変入手困難作品であったせいで見るのがここまで遅れてしまった。

党の高官夫婦がパーティから帰ってくると、自宅で変なことが起こり始める。上官や同僚が"職を解かれた"話を聴いていた夫は、これが党本部の仕業であると考え、パーティでの同僚たちの会話を回想する。完全にひび割れていた夫婦関係は夫が逮捕されるかもしれない恐怖からある種共犯者のように関係を再構築し、自身の身に何が起こりうるかを推測し始める。兵役時代の友人が押しかけてきたせいで夫婦関係は再び悪化するも、妻が盗聴マイクを発見したことで共犯関係に戻り、ふたりは真実を悟る。ラストで夫ルドヴィークは昇進するものの、それは前任者の足跡をそのまま再現しているだけにすぎず、やがて来たる終焉(逮捕)を連想させる。

回想シーンをPOVにすることで、夫ルドヴィークや妻アンナと共に記憶を辿り、点を繋いで線にしていく。この過程が最早ホラー映画と言っても過言でないほどスリリングであり、ふとしたことで全ての線が繋がったとき、本作品は人間の最大の恐怖は他人であることを物語る最強のホラー映画となる。結局、盗聴されないのは外しかないとの結論からバルコニーで話している姿はなんとも物悲しい。

キッチンと風呂場とトイレには流石にマイクないよね→あったわ、っていう流れは面白いけど、こんな国に産まれなくて良かったとしか思えない。
シンプルながら意味深なタイトルで気になっていたチェコヌーヴェルヴァーグの一作。

言葉で語ることが多くて理解できる字幕付きで見ないと内容を把握できず(逮捕されることに主人公が怯えてるという大前提すら画面見てるだけじゃ漠然としかわからない)、その点でブレッソンやベルイマンらの名作と比べても劣って見える。

しかし室内と一人称視点で映すパーティーの回想を交互に見せるのとか暗闇の室内で輝く灯火とかは視覚的に良い効果があり、そういう面白さがあったおかげでなんとか最後まで見ていられた。

サスペンスとしての演出も悪くはなかったけど、言葉がわからなくても内容や作品の良さがよくわかるものこそ真に良い映画という考えの自分としては惜しい作品であった。
「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のチェコ・ヌーヴェルヴァーグ末期の一本。完成直後に公開禁止となり20年間封印された。監督はチェコ・ヌーヴェル・ヴァーグの先駆者カレル・カヒーニャ。

1950年代、スターリン主義体制下のプラハ。政府の豪華パーティーから深夜に帰宅した内閣次官のルドヴィークと妻のアンナは、家の鍵が開いていて電気や電話が不通になっている事に気付く。ルドヴィークはパーティーで自分の同僚たちが次々に逮捕されたという噂を耳にしていた。疑心暗鬼にかられた彼は盗聴器が家に仕掛けられていないか、妻と共に家中を探し始めパニックに陥る。。。

自宅密室劇とパーティーの回想シーンを繰り返しながら進行する。映画単体として観たら珍しくはない密室サスペンスのように思うが、ソ連共産党支配下で直接的に恐怖政治を批判している事を知ると全く見え方が違ってくる。公開禁止となるのを前提に作ったのだろうか。

しかし、時代が変わり世界で公開されるようになった現在、本作から滲み出る同時代の圧迫感と本作を完成させた映画人たちの反骨魂は、観る者に多くの事を伝えてくれる。歴史的事実はニュースや活字で遺されていくが、歴史の真実を遺すのは映画芸術の重要な個性だと思う。

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