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『ザ・コミューン』に投稿された感想・評価

菩薩

菩薩の感想・評価

4.1
ルーカス・ムーディソンの『エヴァとステファンとすてきな家族』のヴィンターベア版と言った趣であったが、あちらが反資本主義やヒッピー文化に依拠した欺瞞に満ちた共同体であった一方で、より見え透いた個人主義の導入と健全な共同体運営は両立不可能な事を物語る現実的な路線。

極論としての持ち出される(持ち出されてはないか…)ベトナム戦争の副産物としてのポル・ポト、クメール・ルージュの「原始共産主義」への回帰は確かに「共同体」としての原点であり理想だったのかもしれないが、とは言えその実現の為に何が起きたかなんてのは書くのめんどいから各自ググって欲しい。理想社会の歪みとして精神疾患及びテロリズムの発生、犠牲になるのは社会的弱者であり、この場合「老い」と「幼き」に矛先が向く(あれが本物のハートブレイクショット)のは非常に分かりやすい(日本は「若き」と「貧しき」に向くんだけど…)。棄権を許された間接(この作品は直接か…)民主主義の敗北、無干渉は同時に無責任を生み、そこに流れる「空気」はいつだって人間を排除していく。

人間が欲望を有し、所有の概念を捨てない限りは弱肉強食の争いを続けなければいけない。要するに人間はとっくのとうに詰んでるからなぁなぁでやらなしゃーない、って事だと思う、犠牲が出て初めて皆がグッと固まる感じ、まぁクソだよなって思う。これが音楽の方に傾けばAmon Düüが生まれるんだろうけど、彼等だって分裂した。北欧らしい北欧映画だなと思ったが勿論気持ちの良い作品では無い、こう言うの大好物。
カツマ

カツマの感想・評価

4.4
人間とは、愛とは、そんなに強いものじゃない。乗り越えられると思っても、環境の変化、時間の経過、それら全てが津波のように押し寄せて、平和だった日常すらも壊れてしまう。こんなはずじゃなかったと思った頃にはもう遅い。自業自得のようでもあり、約束されたかのような愛の末路は嫌になるほどに運命的な未来だった。愛とは人間にとって生命力であり、また毒でもある。それらをコミューンという媒体をもとに描いた、ほろ苦い人間劇場の幕が上がる。

『光のほうへ』『偽りなき者』など激重作品を連発してきたデンマークの雄、トマス・ヴィンダーベアによる2016年作品がようやく日本上陸!運命的とも言えるほど不幸な結末へと突撃していく人間模様に、美しい映像美と洒脱なカットを融合させる彼の個性が分かりやすく漏れ出た作品だった。胸糞のようでもあるが、そこに至るまでの原因と帰結、そして人間の心理状態を見事に描き切っており、全てのシーンに動機を見出すことができる。彼は人間の弱さと愚かさ、そして美しさを同時に映像化できる稀有な作家。そしてこの作品でもその魅力は遺憾無く発揮されていた。

〜あらすじ〜

大学で建築学の教鞭をとるエリックは父の死を受け、妻と娘と3人で住むにはあまりに巨大な豪邸を相続した。家を売りに出そうとするエリックだが、妻のアンナの提案に押され、友人を呼んでコミューンとして生活することを決意する。
豪邸に次々と集う個性的な面々。皆それぞれに主張はあるものの、何とかコミューンとしての形を成そうとしていた。
だが、エリックら親子3人の間には密かな変化が起きていた。アナウンサーのアンナは普段から忙しい身。我が家がコミューン化したことによって、更に夫婦の時間は減っていく。そんな中、エリックは学生の一人と恋に落ち、意識は次第に愛人へと向けられることとなってしまう。一見、コミューンは順調なように思えたが、不倫の実態を知ったアンナが下したある決断がコミューン内に荒波を立てることになり・・。

〜見どころと感想〜

不倫はいけない。それは間違いない。が、この映画はそんな当たり前のことを言いたい映画では決してなかった。平和だった家庭がコミューンという共同体となったことによって訪れる変化。そして、その心の揺れ動きを丁寧に描いた作品だった。愛とは不安定なものであり、ちょっとしたさざ波を被っただけで水の底へと沈み込んでしまう。その感情の在り処に『何故?』を突きつけると、実は自業自得でもあった、というほろ苦さにも気付くことができた。

主演にはトマス監督の出世作『セレブレーション』でも共演したウルリク・トムセンとトリーネ・ディアホルムのペア。二人はスサンネ・ビアの諸作品にもたびたび出演している名優たちで、北欧映画が好きな人にはお馴染みの顔かと思う。またコミューン内の泣き虫な貧乏人役で『特捜部Q』シリーズで名の知れたファレス・ファレスが出演。アサド役とは全く違うコミカルな役柄は一種の清涼剤として機能していた。

愛の在り処は安住せずに常に彷徨う。だからこそ、人は必死になるし、醜くもなる。それでも愛さずにはいられない。その結果としてなのか、人と人とはすれ違い、対立し、そして場合によっては別れていく。そんな愛の移り変わりを、淡々と冷徹に、そしてドラマチックに描いてしまったのがこの『ザ・コミューン』という映画だったのだと思った。

〜あとがき〜

今年のノーザンライツ3本目となった本作は個人的には今年のTNLFの目玉でした。何しろ名匠トマス・ヴィンダーベア、期待度は高かったです。そして、見終わってみれば今回TNLFで見た3本の中でも圧倒的な構築美を炸裂させ、実績と経験に裏打ちされた重厚な人間ドラマは抜群の完成度を誇っていましたね。
光を視覚化するカット、涙に濡れるカメラワークなど、トマスの映像技巧も美しく、演技派たちの名演と合体して、一本芯の通った作品を作り上げていました。

人によっては胸糞に思える作品かもしれません。が、トマスは人間の中にあるそれぞれの愛を映像化しただけなのかな、と思います。揺れ動くからこそそれぞれの愛は美しくも醜くもなる。人が増えれば増えるほど雑念も増える、という心理もまたしかり、と言い換えることもできそうですけれど・・。
mi

miの感想・評価

4.2
絶望映画界の巨匠、トマスヴィンターベア。
どんなゲンナリした気分を見せてくれるのかと期待したところ、これまでの作風とは違うベクトルの絶望であり、これはこれで気色悪い後味を残してくれた。
コミューンと呼ばれる共同生活体は、さながら民主主義国の縮図ととれる。
個人の意見を尊重すべしとしたところで、結局はこんがらがって崩壊への道を辿る(という絶望)。
男と女の生き方や、家族の生き方、まぁざっくり言うと不倫の話なんだけど、これだけ一芸能人の不倫を悪として、もはや犯罪者より犯罪者然と扱われる日本においては到底受け入れられないストーリーだと思う。(だから一義的ではなく面白いのだけど)
人生は選択の連続だということを見せつけられた気がした。
そして、常識にはかなわない選択をし続けて想像しない(できない)展開を最後まで転がし続けたのは凄いことかもしれない。
これだけ登場人物がいると、多少陽気な奴がいてもいいもんだけど、これが結構正統派のキャラクターの棲み分けで笑えるシーンなんかあって驚いた。
主人公である、カトリーヌドヌーヴと風吹ジュンを足して割ったような母親目線でも、正直すぎて人を傷つけてしまう父親目線でも、その心の傷を一番近くにいる両親には打ち明けられない娘目線でも、それぞれから考えられる群像劇風なのも良かった。

それにしても、一言物申したいのは「我々の見たいオッパイを見せろ」現場からは以上です。


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