若親分乗り込むの作品情報・感想・評価

若親分乗り込む1966年製作の映画)

製作国:

上映時間:83分

ジャンル:

3.1

「若親分乗り込む」に投稿された感想・評価

スカパーにて。若親分シリーズの4作目?

今度の敵は、憲兵と結託して悪事を働くヤクザだ。ナルホド。
確かにあの時代に憲兵と組めばやりたい放題だよな。敵組織の都合の悪い人間を権力でしょぴいて拷問して殺しちゃう。悪いのう。

脱走兵のクダリから始まり、彼が話のキーになる。話の立て方もナルホドと思うな。

ただ敵の組にも仁義に熱い漢がいる。それがゲストの本郷功次郎。彼がいい存在だからこそ雷蔵が光るね。変に凄まない雷蔵のクールな渡世人ッぷりが只者じゃない感を演出する。

土管の穴越しのアングル等、手前に何か物を置いて隙間からの撮影は実相寺昭雄みたいだな。
ラストバトルは船着き場のコンテナが並ぶ場所。狭いコンテナの隙間を縫う様に斬りまくる殺陣もナルホドと思う。かなり上からの俯瞰撮影が良い効果。

しかしいざとなったら海軍の制服を着るって黄門さまの印籠に近いよなぁ。
一応海軍を辞めて渡世の道に入ったのだから、困ったときの軍服頼みは良いのかなぁ?とちょっと思う。
また、陸軍の問題に海軍が首を突っ込んだら凄い面倒くさいことになりそう。

ま、そんなことはどーでもいいのか。
若親分シリーズではピカイチ。
窓枠や格子など(土管まで使う!)によってマスキングされた画面造形は少々懲りすぎでもあるが面白い。
本郷功次郎が女と会うたびに清順みたいなドギツい背景色にするのは滑ってるけど。

アクションは中盤の本郷功次郎とのタイマンが情けない勢いでガッカリしたけれど、
港での大立ち回りはとても良い。
コンテナを活かした立体的アクションが楽しかった。
倒したドラム缶からチンピラがワラワラ出てくるのは吹く。
「若親分」シリーズ第4作。義理と人情の板挟みに悩むことなく、悲哀や影を全く背負わない、相変わらずの明朗ヤクザ・ヒーロー映画。もと海軍士官のヤクザという設定ゆえに、敵一味の悪行に政治や軍が絡んでくるのもこれまで通り。権力を後ろ盾に無法を働く敵対組織を批判しつつも、いざとなったら元海軍士官という立場を十二分に活用して相手を蹴散らす爽快さも相変わらず。何から何まで市川雷蔵。クライマックスでは超人的な剣さばきを見せ、たった一人で敵を全滅させしまう。そんな芸当が出来るんなら最初からそうすりゃよかったのに、それまでのエピソードの積み重ねは何だったんだ、なんて野暮は言いっこ無しの娯楽作。

時代設定が日露戦争当時ということで、京都伏見をはじめ、一応、古い佇まいを残すロケ地を選んではいるようだ。だが、しかし…。現代的建造物が映りこまないように盗んで撮ったり、小道具で飾って隠そうなどというやり方は姑息である。ハナシが面白ければそんなことは気にならない。なんていうドクトリンに貫かれていたかどうかは知らないが、高圧線の鉄塔やコンテナがバシバシ映りこむ。その潔さも清々しい。

隅から隅まで雷蔵映画である。