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「底なしの世界」に投稿された感想・評価

空丘令

空丘令の感想・評価

1.8
意味がわからない。

物語は理解できた、でも意味不明。

何が言いたいの?何を伝えたいの?

とりあえずつまらないのでよっぽど暇じゃなければお勧めはしない。
世界観

世界観の感想・評価

2.0
ネタバレ全開です
夢と現実が混ざり合ってる感じのストーリーは大好きでした
アレックスを誘拐したのはスカーレットで、アレックスはスカーレットの夢の中の存在ってことだよね?
フードの男と誘拐された子供とアレックスが同一人物だと分かった時のやるせなさ〜って感じだったけど盛り上がりに欠ける映画でした
低予算独特の不気味な雰囲気は良かったですね
隼人

隼人の感想・評価

3.3
途中まで見て寝るかなーって思ったら思わず最後まで見切ってしまった。悪い夢みたいな映画だった。
G10

G10の感想・評価

1.7
言葉を選ばず感想を言うとしたら、
『私頭いいでしょ。観終わった後に語れる映画作ったの』
って感じ。
デヴィッド・リンチに憧れる学生の卒業制作みたいな映画。
終始意味不明でひたすらに退屈だが、クソ映画と断じきれない謎の雰囲気を醸し出していて、なんかもうどう言ったらいいのか分からない。
山本

山本の感想・評価

2.0
低予算感が良い感じに不穏な感じを醸し出していた
ただ、夢オチの丸投げ感は否めない
twin

twinの感想・評価

2.3

このレビューはネタバレを含みます

【概要】
罪と罰の在り方を問うホラー・サスペンス。

【あらすじ】
アレックスとスカーレットはロサンゼルスを目指す道中で、エル・ランチョホテルに宿泊する。アレックスはその夜、部屋の窓から不審な男の姿を発見するが、大して気に留めることはしなかった。
翌朝、二人は再びロサンゼルスを目指すが、突如としてスカーレットが謎の体調不良に襲われてしまう。エル・ランチョホテルの町に戻らなければとうなされるように繰り返すスカーレットの姿を見て、アレックスは仕方なく元来た道にハンドルを切り返す。
しかし、再び訪れたエル・ランチョホテルはどこか様子がおかしかった……。

【初めに】
NetFlixのマッチ度86%の宣伝を信じて鑑賞した作品。すごい。鑑賞後の一発目の感想は「全く意味が分からない」。

これで終わってしまうのでは、あまりにも時間の無駄だと思い、鑑賞した後、しばらく展開を思い返したりして、何とか物語の意図を解釈した。正答と言えるほど自信がある訳ではないが、答えらしきものを導き出すことはできたため、考察をメインにレビューする。

【解説】
本作を1時間30分くらいだしライトな内容だろうと舐めてかかったのが間違いだった。とんでもなく考察を強制される構成となっているし、何ともなしに眺めているだけではまず間違いなく意味不明な映画として終わる。

必死に頭を回転させながら鑑賞したが、それでも私の解釈が合っているかどうかは疑問である。が、せっかく見たのだから頑張って考察を書く。

書き終わった後の他の人のレビューが楽しみだが、絶対に意味不明で終わった人もいると思うので、そういった人の一助になれば幸いである。

まず、本作はアレックスとスカーレットがロサンゼルスに向かって車を走らせるシーンから始まる。二人はその道中で見つけたエル・ランチョホテルに宿泊し、一時の休息を得るが、そこでスカーレットが切り出した話の内容が物語を理解するための最初のキーとなる。

スカーレットはアレックスに対して今までの人生の中で自分が犯した最も残酷かつ卑劣な行為は何か? という問いかけをする。アレックスはそれをあしらうように、先ほど行った万引きのことを告白して、スカーレットに対しても同じ問いかけを行う。その際に、スカーレットはつらつらと以下の事柄を語る。

・スカーレットの叔母とその息子(ウェイン)が交通事故に遭い、ウェインが不随となってしまった
・スカーレットはウェインの世話をしていた
・スカーレットはウェインが不随であることを良いことに彼を自らのおもちゃとして扱い、彼の身体を散々弄んだ
 ※果物を投げつけたり、性器をいじくったり、プールで溺れさせたりなど。彼女自身は当時自分が思春期であったことをその理由として語っている
・ある日、その息子が父親(海上保安官)に対して何かを訴えるような振る舞いをする
・父親はその息子の目がどこかおかしいことに気付き、彼が瞬きによってモールス信号を送っていることに気付く。その内容は「SOS」だった……

物語の冒頭にしてとんでもないストーリーがスカーレットの口から語られ、絶句するアレックスを尻目に私も目を丸くした。当のスカーレットはというと、絶句しているアレックスに対して「私の最悪な話よ」と言い、その話を打ち切ってしまうが、この時はその意図がまるで分らない。彼女は自分が語った話を嘘とも真実とも言わないため、何となく腹落ちしないまま、物語は進行する。

このスカーレットの話は、彼女自身の「罪」として、今後の物語の重要な鍵として機能するが、それが判明するのは物語の終盤である。

そして、エル・ランチョホテルで一夜を越した二人は翌朝に再びロサンゼルスに向かって旅立つが、その道中でスカーレットは突然体調を崩す。彼女は自身を苛める痛みのことを以下の通り表現している。

「胸が押し潰されそうに痛む。まるで空から落ちていくかのように」

この言葉は単に彼女が自分の体調を比喩で表現したに過ぎないかと思われたが、これもまた物語を解き明かすための重要な鍵である。また、この時のスカーレットが、「エル・ランチョホテル」から遠ざかる度に苦しむことも、後々意味を伴ってくる。

ここまで書いたところで、私がこの作品が何をテーマとしているかの答えを一旦提示したい。
即ち、概要にも記した「罪と罰の在り方」である。

スカーレットがアレックスに対して話した過去の話は、スカーレットの罪であり、現実に起こった出来事である。
※これは物語の終盤で彼女自身が告白する

そして、エル・ランチョホテルから遠ざかる際に感じた彼女の苦痛は、過去に犯した罪に対する「罪悪感」である。

エル・ランチョホテルやアレックスの車で流れるラジオでも、「罪と罰」というキーワードは頻出しており、結末まで見ると、本作はスカーレットが犯した罪を精算するまでの流れを表していることが分かる。

そして、スカーレットを探し出すため、フードの男の言いなりになって荒野に向かったアレックスは、そこでフードの男から以下のような内容を告げられる。鑑賞者にとっては支離滅裂な話であって、この時点で到底理解できる内容ではないため、構成として難しか感じられないが、以下にその内容の要約を示す。そして、ここで語られる内容が実はこの物語のほぼ全容を示しているのだ。

・ここに来たことを覚えている(フードの男自身の記憶)
・俺(フードの男)は確かに人が苦手だった。しかし孤独は求めていなかった
・だからここに選んだものを連れて来た。それで深い穴を掘る。彼らが見ている前で
 ※「彼ら」とはスカーレットの罪を知る何者か(後述)を指すものと思われる
・そして一人を選び出す。お前か、いや今回はスカーレットを選ぶことにしよう
・彼女(スカーレット)を生きたまま埋めるが、彼女は絶対に死なない。生き埋めにされたまま生き続ける。自業自得だ
 ※スカーレットがウェインに対して行った最大の罪は彼を生きたまま土の中に埋めて殺したことである。この際、ウェインの顔と腕だけは地面から出しており、雨の中顔を覆う泥に苦しめられ死んだ。フードの男は、彼女に同じ苦しみを与えようとしている
・アレックスは上記を聞いて「ありえない」というが、フードの男は「彼らに聞いてみろ。彼らには多くの過去がある。この大地の下には多くの苦しみがある。」と話す
・フードの男は「苦しみは美しい。我々に値するのはそれだけだからな」と話し、姿を消す

これだけ書いても、全く意味不明だが(少なくとも鑑賞中の私がそうだった)、この物語の世界観と各人の役割を絡めて考えることで、「答えのようなもの」に辿り着ける気がする。
そのため、上記を咀嚼する前に、この物語の世界観と各人の役割について触れておく。

■世界観について
この物語では、世界は2つ存在する。
①スカーレットの夢の世界
②現実の世界

物語の序盤から中盤にかけては①の世界の中で話が進む。ここでは、不可解な現象が度々起こる(アレックスが持っていたはずのバールや銃が突然消えたりなど)ため、分かりやすい。アレックスが何故スカーレットの夢の中に迷い込んでしまったのかについては謎のままだが、そこは物語を成り立たせるための設定だと納得できなくもない。

とにかく、ここで言いたいのはアレックスが自らの意思をもって行動しているかのように思える世界の中の出来事は全てスカーレットの夢の中の話である、という事実である。
スカーレット自身は自らのせいでウェインを死なせてしまったことを罪だと感じており、更にはそれを責められることなく今まで生き延びて来た人間である(後述)。
そのために、自分の中で処理することができない罪悪感に苦しめ続けられているのが、①の世界である。

また、物語の終盤においては再びスカーレットの夢の世界に物語が遷移し、そこでアレックスはスカーレットを生き埋めにする。物語の結末としてはスカーレットが自殺したところで幕を閉じているため、アレックスがスカーレットを生き埋めにしたシーンが現実だとすれば矛盾が発生してしまう。
したがって、物語の結末における世界は、スカーレットの夢の世界であり、彼女が最後に見た自身への断罪を表すものであったと言うことができる。

物語の中盤~終盤にかけては、結末以外では②の世界で話が進む。
この現実の世界では、アレックスは不動産の仕事を営んでおり、かつ妻を持つ身である。スカーレットは彼の隣人であり、面識はほとんどない(スカーレットがアレックスを隣に住んでいる人と認識している程度)。

しかし、アレックス自身は①の世界に迷い込んでしまったことにより、夢と現実の境界線が分からなくなっており、①の世界で過ごした出来事が真実であることを信じている。
鑑賞者にとっては、アレックスの様子からこの世界が現実とも夢の世界とも判断がつかないが、途中でアレックス自身がこの世界が現実である理由を見出す(卵の中に血が出るものがあったり、エンドウ豆の中に腐った豆が混ざっていたり。夢には潜在意識が反映されるという前提であれば、このような出来事が起こる必然性がない)。

これにより、鑑賞者にとってもアレックスの過ごす世界が現実のものであるということが理解できる。

■各人の役割について
・スカーレット
 スカーレットは、ウェインを過去に殺害している。これは、物語の終盤で彼女自身が口にする内容から明らかである。彼女は、遊びでウェインを地中に埋め、顔と腕だけを地上に出すようにした。その時雨が降っており、不随のウェインは成す術なく、顔を覆う泥により窒息死する。スカーレットはこの事態を隠ぺいするため、家族や叔母に対して、「フードの男が突然現れ、ウェインを地中に埋め、更に自分をレイプした」と嘘を吐いた。彼女の周囲の人々はこの嘘を信じ込み、彼女は罪の追及から逃れることに成功する。
 ①の世界においては、スカーレットの罪の意識が前面に出ていて、罪の場所の象徴たるエル・ランチョホテルから遠ざかる(罪から逃れようとする彼女の潜在意識の投影)ことにより、得体の知れない苦痛にさいなまれる(ウェインを殺害したことに対する罪悪感の象徴)。
 つまり、彼女自身は罪から逃れた過去の事実を持て余しており、本心としては罪を受け入れ罰を受けることを望んでいる。それが夢の世界に投影されているのだ。

即ち、この物語において、スカーレットは「罪を犯した者、罰を受けるべき者」という意味を持つ。
 
・アレックス
 スカーレットの単なる隣人であったが、何の因果かスカーレットの夢の世界に迷い込むことにより、彼女の罪を知ることになる。また、フードの男の言葉から、潜在的に自身が何をすべきか、という意思(スカーレット自身が罰を望んでいることに起因する。スカーレットにとって、アレックスは自身に罰を与える者)を植え付けられる。
 更に、ウェインを殺害した罪ばかりではなく、そのことを隠ぺいした罪を象徴する人物(フードの男)の思念(スカーレット自身が記憶しているウェインの死にざまを知っていることが論拠)を受け継ぎ、スカーレットに対して憎しみを抱くようになる。
 即ち、アレックスはこの物語において「スカーレットの罪(ウェインの殺害とその事実の隠ぺい)を知るものであり、スカーレットを断罪する役割を持つ。
 
・フードの男
 現実の世界には存在せず、スカーレットの夢の世界にのみ存在する男。彼はスカーレットが犯したウェイン殺害の事実の隠ぺいという罪が顕現した人物であり、スカーレットが何をしたかを知っている。また、スカーレットを夢の中で苦しませ続ける役割を担う(これはスカーレット自身の望みが反映された形)。
 なお、彼に対してスカーレットの「罪と罰」の考え方が色濃く反映されており、「どんな形であれ罪を犯した者は罰せられなければならない」という行動理念を持っている。
 これはフードの男がスカーレットの夢の世界でアレックスに語り掛けている内容から分かることで(あくまで私の想像も含むが)、主に以下の言葉からこの事実を導出することができる。
 
 ・だからここに選んだものを連れて来た。それで深い穴を掘る。彼らが見ている前で
  ※「彼ら」とは「罪を犯した者」
 
 ・そして一人を選び出す。お前か、いや今回はスカーレットを選ぶことにしよう
  ※「今回は」という言葉から、「誰かを生きたまま埋める」という行為が幾度となく繰り返されていることが分かる。
   恐らく、スカーレットの夢の世界に迷い込んだ人物はアレックスが初めてではなく、他の誰かも存在していた。彼らは、アレックスと同じように「スカーレットを罰する者」としての役割を与えられ、彼女を生き埋めにするという行動を繰り返してきていた。
   そして、「彼女を生き埋めにするという罪」により、スカーレットだけでなく、彼女を罰する者たちも同様に埋められた
  
 ・彼女(スカーレット)を生きたまま埋めるが、彼女は絶対に死なない。生き埋めにされたまま生き続ける。自業自得だ
  ※スカーレットが叔母の息子に対して行った最大の罪は彼を生きたまま土の中に埋めて殺したことである。スカーレットにとって、「ウェインに対する贖罪は、自身が同じ死に方をすること」という考えが現れていた
 
 ・アレックスは上記を聞いて「ありえない」というが、フードの男は「彼らに聞いてみろ。彼らには多くの過去がある。この大地の下には多くの苦しみがある。」と話す
  ※先述したように、スカーレットの夢に迷い込んだ人々が同じように生き埋めの苦しみを味わったことを示唆している
  
 ・フードの男は「苦しみは美しい。我々に値するのはそれだけだからな」と話し、姿を消す
  ※「我々」とはスカーレットの罪を罰する者達のこと。罪を犯した者がその罪を償うために他の誰かを苦しめるスパイラルが完成されている。この言葉は、そのことを示す言葉である。

・スカーレットの父
 スカーレットの考える罪と罰の在り方を代弁する。フードの男のところでも書いたように、フードの男自身がスカーレットが自ずから抱える罪の形であるならば、スカーレットの父は彼女自身が彼女の罪を俯瞰して見ている客観的な部分を表彰している。
 アレックスとフードの男が荒野で話した後、教会に向かうアレックスの車のラジオでは以下のような音声が流れており、これが上記のことを示す内容であると言えるだろう。
 
 ・罪という概念があるが故に人は不完全さに甘んずる
  ※スカーレット自身は、罪を犯したことを自覚しながらも生き続けている。しかし、一方でその罪に苦しめられてもいる。この言葉は、彼女が自身を客観的に見つめた際の評価である
  
 ・そして罪の名の下に自我を満たし、この世を"善と悪"とに裂こうとする
  ※スカーレットにとって「罪を犯したことを自覚し、それによる苦しみを享受していること」がある意味救い(彼女が罪を犯してなお生きることを是とする理由)となっている。このことは、物語の終盤で自身を殺すようにアレックスを煽った彼女の様子から明らかである。
  そして、彼女の葛藤は「罪を犯した者は悪である」という考えに起因するもの(でなければ人は罪悪感など感じない)であり、その事実がこの台詞の後段に表れている。
  
 ・だが真にあるのは完全性のみ
  ※人は罪を償わなければならないことを示唆している。罪を自覚し、そのことに苦しむだけでは、人は「善人」にはなれない。スカーレットは「善人になりたい。また人は善人でなければならず、善人こそが完全である」という考えを持っている一方で、罪を犯した自分がその完全性を得られないことを知っており、そのジレンマに苦しんでいるのだ。

■結論
ここまで物語を整理した上で、改めてこの物語の答えを語るフードの男の話を咀嚼する。
再三に渡るが、アレックスとフードの男が荒野で話すシーンで、フードの男は以下のことを語っている。

・ここに来たことを覚えている(フードの男自身の記憶)
 →スカーレットが自らに課した罰(ウェインの死の苦しみを自身が味わうこと)が繰り返し行われていることを示す。

・俺(フードの男)は確かに人が苦手だった。しかし孤独は求めていなかった
 →フードの男は唯一現実の世界に存在しない者である。彼自身は、スカーレットの罪により発現した精神世界上の存在であり、誰とも交わることはできない。

 (これは想像だが)フードの男はこの時点で自我と、スカーレットの罪を裁くために他人をスカーレットの夢に連れてくる能力を得ており、彼の言葉はその自我がもたらす孤独という感情に起因するものと思われる。
 
・だからここに選んだものを連れて来た。それで深い穴を掘る。彼らが見ている前で
 →フードの男が他人をスカーレットの夢の世界に誘う能力を持っていることを仄めかす台詞である。同時に過去の犠牲者が多数存在することの事実を示している。
 
・そして一人を選び出す。お前か、いや今回はスカーレットを選ぶことにしよう
 →彼にとって裁くべき人間はスカーレットと、彼女に罰を与えた者全員である。だからこそ、「誰かを選ぶ」かのような言い回しとなっている。
 
・彼女(スカーレット)を生きたまま埋めるが、彼女は絶対に死なない。生き埋めにされたまま生き続ける。自業自得だ
 ※スカーレットの夢の世界では、スカーレットは死ぬことはできない。彼女はそうして何度も自分のことを責めることで、自身の罪を自覚している。
 
・アレックスは上記を聞いて「ありえない」というが、フードの男は「彼らに聞いてみろ。彼らには多くの過去がある。この大地の下には多くの苦しみがある。」と話す
 →アレックス以外にもスカーレットを断罪する役割を担う者が存在していたことを示す
 
・フードの男は「苦しみは美しい。我々に値するのはそれだけだからな」と話し、姿を消す
 →フードの男の存在価値が「罪人に罰を与えること」のみであることを示す。スカーレットに対して罰を与えたアレックスもまた、彼が持つ役割の一部を担っている。物語の最後、スカーレットを荒野に埋めようとしているアレックスの姿がフードの男とダブるのは、このこと(アレックスとフードの男の役割がスカーレットに対して苦しみを与えること)を示している。
 
つまり、この婉曲していて回りくどくてある意味幻想的な物語は、全て「スカーレットの罪をスカーレット自身がどうやって償うのか」という答えを呈するものである。

結局、スカーレットはその果てに自殺することを選び、物語は終幕する。
幾度も繰り返されてきた夢の中での断罪に耐えかねて、彼女が思うところの「完全性(人は善人であってこそ完全)」を得ることができないことに気付き、その生を終わらせることにしたのだ。

彼女の遺書にはこの通り綴られている。

「残酷な行為を裁かれる時が来た。人の肉や骨は一時的なもので、いずれ風化していく。しかし、岩は違う。私はそこに魂を眠らせる」

この言葉は、彼女が夢の中でなく、現実で罪を贖うことを決めたことを示している。そして、この中に綴られている「岩」が「罪」を示すものだ。

死んだところで罪は決して消えない。死んだウェインが生き返ることはないし、まして誰も知らない「スカーレットがウェインを殺害した」事実が消える訳でもない。アレックスが夢の世界でスカーレットを生き埋めにしたように、彼女は自分自身が決して許されないことを自覚し、死んだ後もなおそれに苦しめられ続けることを予感しているのだ。

どんなに人が反省し、後悔したとしても罪が消えることはない。例え罰せられたとしても。
それがこの物語が伝えたい内容なのではなかろうか。

【ストーリー】
鑑賞後、要点となるシーンを見返したりして、ようやく解説に書いた結論を導き出すことができたが、一見しただけではまず間違いなく意味不明な映画で終わるということは冒頭に書いた通りである。

裏を返せばそれだけ分かりにくいストーリーであったということで、この点は擁護のしようもない。

せめて、フードの男の意味不明な語りをどうにか物語の中盤辺りに持ってくるとか、世界の切り替わりをもう少し分かりやすく簡潔に表現するとかしてくれなければ、鑑賞者が物語の展開についていけないのだ。

物語の展開についていけないと、考察するだけの余裕も失われてしまうため、理想的にはある程度まで物語が進んだら、気になるシーンまで戻って、そのシーンがどういった意味を持つのか考える。ということを繰り返さなければならない。

でないと、結末に至るまでの過程が持つ意味なども全く伝わってこないので、これは大きな減点ポイントである。

何が起こっているのか分からない、という好奇心を擽る構成になってはいるが、物語の本質が詰まるところ「スカーレットの内面」でしかないため、ここまで構成を婉曲にする必要性はなかったと思ってしまった。

【演出】
現実と夢の区別を付けさせないという点は、ストーリー的にはアウトだが、演出的にはグッド。
とにかく内容の分かりにくさばかりが目立ってしまうのだが、解説に書いた世界が①→②→①と遷移していく過程を、各世界の境界線を曖昧にすることで一つに繋げる(かのように見せる)ことは出来ていたと思う。

しかし、濡れ場やアレックス自身の潜在意識に植え付けられたスカーレットのイメージ映像などはカットしてでも物語を分かりやすくする演出の方に注力して欲しかったというのが本音である。

アレックスが自身で掘った穴の底に耳を当てるシーンは、彼が自らの役割を自覚していない中で、答えを求めようとする演出として象徴的だった。これは結構好き。

フードの男が言った「この大地の下には多くの苦しみがある」という台詞がきっかけとなって、次第にアレックスがフードの男と同化していく様を表しているという意味を表すことにも成功していると思う。

【総評】
とにかく考察好きな人におすすめの作品だが、ほどほどに考えながら鑑賞して、最後になるほど、と思いたい人には全然おすすめできない作品である。

まさに「人を選ぶ作品」であるため、高評価は付けづらいが、「意味不明で終わりたくない」という意地で頑張って考察した部分もあるので非常に疲れた。

内容としてはかなり淡々としたものであるし、物語のテーマが明確に映し出されている訳でもないので、どこかふわっとした気持ちで鑑賞してしまう構成となっていたところも微妙である。

何が起きているのか? という好奇心を煽ることはできていても、それを追いかけられる構成になっていなかった印象を受けるため、評価としてはこの程度。

作り方次第ではもっと面白くなっただろうというポテンシャルは感じさせるが、仮に尺が2時間になったとしても結局難解になってしまいそうではある笑

考察してみたところ、新たな気づきが次々と出て来たので、そこで0.3加点といったところである。
ロイ

ロイの感想・評価

-
難解そうに感じるが、意味は分かった。
わかったところで、『で、なに?』が正直な感想。笑
とりあえずスカーレットがロードオブザリングのピピンにしか見えないw
コータ

コータの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

最初は雰囲気良かったのになぁ。
第二幕(?)から急激につまらなくなってきて、
集中するのがひと苦労。

「観終わった後に感想を語り合う」系の映画にしたかったのかもしれないけど、
これだけ雑だと、もはや「なんかもう気にならない」領域。

んで、僕の解釈。

スカーレットが過去のいじめを後悔しながら自殺。
アレックスは、自分が死神だってことを忘れている死神。
「アレックスを探す」という使命感は、実は死神としてアレックスをあちらの世界に連れて行くということだった。
フードに濁った目、口の両脇の傷で出てきた男は死神っぽいし、結局アレックスと同一人物だった訳だし。

スカーレットが自殺した後に墓穴に投げ込んで死神ミッション達成。
maisonyuki

maisonyukiの感想・評価

2.9
確かに見入ったけど、訳わからんくてね笑
色んな伏線考えたけど、どれも違って急に終わった笑

えーなんか難しかったー

スカーレットの夢ってことよねあれ。
アレックスの頭がおかしいかと思いきやね。
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