ロスト・ハイウェイの作品情報・感想・評価・動画配信

「ロスト・ハイウェイ」に投稿された感想・評価

止まらないハイウェイ。
頭がぐるぐるする感覚、見始めたら止まらない、不思議な魅力が詰まってるリンチ映画。

机の角に頭を打って死んだ人を初めて見たかもしれない。
難解すぎて途中で眠たくなってしまった、、
「写真は嫌いだ、見たものは自分なりに記憶している」という言葉が印象的だった。人間は見たものをそのまま記憶するのではなく、自分なりに解釈して観念として心に留めている。だからそもそも記憶は''自分なり''でしか有り得ないのであって、記憶と妄想の区別はかなり曖昧なもの。そして人間のアイデンティティが記憶と密接に結びついたものだと考えると、自分がどういう人間なのか?はたまた誰なのか?ということも、簡単には答えられないのではないか、、。この映画の根底には、そういう哲学的なテーマがあるような気がしました。
おそらく2回以上観ないとちゃんとは分からないのだろうけど、2回目を観るかどうかはわからない(笑)
前半、静的で薄暗い豪邸に主人公の夫婦二人しかいない世界が一番悪夢的だった。リンチ映画お馴染みの赤い照明が、妻への不信感への象徴とも取れる。主人公のトラウマが隠された無意識と前意識間の橋渡しとなる夜の高速道路の不気味さがたまらない。
デヴィッド・リンチ節全開の不穏さが続く映画。ラムシュタインがやたら流れるのが絶妙に合っていて面白い。
もう少し腑に落ちて欲しかった、もう少し盛り上がりが欲しかったというところで、やっぱりマルホランド・ドライブの方が好き。
mine

mineの感想・評価

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リンチの映画は色々な意味で、気合を入れて観る。
観終わった後にスッキリするはずがないとわかっていても、次々と現れる(ある意味無駄な)謎に没入させられる。そこがリンチ映画最大の不思議な魅力。

一番お気に入りの『マルホランド・ドライブ』と比べると、なんとなく話がつかめる気がするけど、その分、考察の余地も少なく、楽しみも少ない。

それでも、こういう映画を作ってしまうリンチは本当に天才だと思う。個人的にリンチがNo. 1天才監督。
ロストハイウェイを鑑賞

ある日フレッドはインターホン越しに「ディック・ロラントは死んだ」と言われ切れた。
フレッドからピーターに目線が変わり物語の構成が分かりづらくなりますがこの作品のキーワードは記憶の曖昧さと混同。
良く観察して観るとなんとなく謎が解ける気がします。

デヴィッドリンチ監督はOJシンプソン事件から着想を得ており記憶の曖昧さをイメージしている。
その為物語の終盤までは何が事実なのか分からずピーターとアリスのミスリード的物語はトリッキーな表現でした。

個人的にはミステリーマンはフレッド自身の悪意の具現化した存在だと解釈してます。
VODで久々に鑑賞。
リンチが執拗にこだわるモチーフが、本作にもびっちりと詰まっている感じ。
ただ優雅な雰囲気はあまりなく、終始殺伐とした焦燥感に溢れ、舞台美術にも色気がない。
また観衆を震え上がらせるために差し挟まれるノイズは、やや過剰だ。
ジェラシー、不眠、インポテンツ、外敵との相克など、男性の苦悩が全編を覆っているのが特徴的である。
『ツインピークス』の成功で増幅したプレッシャーが、監督へ少なからず影響を与えているようにも感じられた。

本作で誰よりも強力なのはパトリシアで、往年のファム・ファタールに勝るとも劣らぬビッチぶり。
疑似ハードコアポルノの撮影にも協力するなど、一歩踏み込んだ奮闘ぶりで、作品へ大いに貢献している。
砂漠での濡れ場で大量のライトを浴びながら髪をなびかせる彼女は、本当に美しい。
デヴィッドリンチ監督作品は分かり難さがエンターテイメントとなる不思議な魅力があります。その狂気を見るのが楽しいと思わせる何かを持っています。ただ気ままに狂った映像を撮っているだけでは、エンターテイメント(犯罪ミステリー)にはなりません。そこにはデヴィッド・リンチ監督独自のロジックがあるんだと思います。この作品はデヴィッド・リンチ監督が難解な映画を作りはじめた出発地点です。

『ワイルド・アット・ハート』原作者のバリー・ギフォードが共同脚本として参加しています。バリー・ギフォードはフィルム・ノワールとビートニックに影響を受けた脚本家です。その影響は本作にもあると思います。

観る上でのヒントとなるのが、デヴィッド・リンチ監督自身がこの映画は解離性遁走(psychogenic fugue)のようだと言っていることでしょうか。つまり、現実から逃走する多重人格です。

この映画は二部構成(のよう)になっています。一部と二部の人物は別の人物設定ですが、同一人物でもあります。

第一部は……インターフォン越しのメッセージ「ディック・ロラント(ロバート・ロッジア)は死んだ」から始まります。

フレッド・マディソン(ビル・プルマン)とレニー・マディソン(パトリシア・アークエット)の夫婦の話。フレッドはサクスフォン奏者で妻のレニーとはうまくいっていません。他の男(例えばアンディ)とできているのではないかと嫉妬しているようです。フレッドがレニーを殺して刑務所に入り第一部は終わります。

第二部は……刑務所に入っていたフレッドがピーター・レイモンド・デイトン(バルサザール・ゲティ)と入れ替わるところからはじまります。

ピーターはアリス・ウェイクフィールド(パトリシア・アークエット)と恋をします。しかし、アリスはミスター・エディ(ロバート・ロッジア)に囲われた女です。ピーターとアリスはアンディからお金を奪って、遠くへ逃げることにします。しかし、途中でピーターは再びフレッドと入れ替わります。

第一部:第二部
フレッド:ピーター(嫉妬から女を殺す)
レニー:アリス(男を狂わすファムファタール)
ディック・ロラント:ミスター・エディ(浮気相手)

おそらく、第一部だけ(または第二部だけ)でネオ・ノワール作品を作ることもできたでしょう。しかし、デヴィッドリンチ監督はあえて第一部と第二部の並行世界を作り上げ、多重人格の逃走劇としました。このような並行世界の描き方はこれまでなかったため、狂気のように映ります。しかし、冷静な計算がないとこのような二つの世界を整合性を持って描くことはできないですよね。感覚で作った雰囲気だけの(ボクが嫌いな)アートっぽい作品ではありません。すごく計算された犯罪ミステリーのエンターテインメント作品だと思います。

このストーリーから何を読み取るのか?それは観る側に委ねられています。今回も炎や暗闇など様々なモチーフが散りばめられています。第一部と第二部に登場する謎の男(ロバート・ブレイク)は何を象徴するのか?妻殺しは何を象徴するのか?いろんな解釈ができると思います。正解はないでしょうが。

デヴィッド・リンチ監督作品を凡庸なアート作品から一定の距離を保っている要因の一つが音楽だと思います。ポピュラー音楽を使うことで、難しいんだけど、カッコいい。ロジックは理解できなくても、その不条理な世界観を音楽と共に楽しめるようになっています。

今回だってナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが参加しています。頭だしの暗闇のハイウェイを疾走するオープニングなんてデヴィッド・ボウイですよ!カッコいい!楽曲提供もルー・リードにスマッシング・パンプキンズ。役者としてもアーティストが参加していて、ブラック・フラッグのヘンリー・ロリンズ。そして、マリリン・マンソンまで参加しています。

独りよがりな(だけの)アートフィルムではなく、きちんとエンターテイメントとして成立させようとするのがデヴィッド・リンチ監督の映画人としての誠意なんだと思うんですよね。
kiki

kikiの感想・評価

2.5
デヴィッドリンチと馬が合わない。眠い。
バルサザールゲティ!!!!
天天

天天の感想・評価

3.5
気が狂うと直線に進むのが怖くなるのだろうか、それともただ直線に進めなくなるのだろうか。冒頭に小気味良い速さで流れる幹線道路のショットが、男の行き場のなさを象徴している気がする。数メートル先しか見えない暗い道路を果てしなく、行く宛もなく、高速で走らねばならない切迫感や恐怖。「起こった通りに記憶したくない」という男の妙なセリフが、作品の流れを示唆している。その分裂が自分の精神を高速の流れの中で追い詰めるとも知らず、逃れようと倒錯し続けた罰のような苦しみ。
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