先月、東京フィルメックスにて。

かなりウトウトしてしまったので評価はなしで記録のみです…。

ワンビンは知り合いに薦められて初めて見たのですが、う〜むあまりよくわからなかった…。
人が死ぬ前の親戚たちのやり取りと、死にかけのお婆さんの顔をずっと見させられる。
ほとんど動きがない長回しのシーンが多いとついつい寝てしまいます。

夏？（夏以外もかな？）に、中国人がお腹を出してごはんを食べるという習慣は初めて知りました。
みんななかなかファット。

これはワンビン作品の中でもわりとプライベートなところに焦点が合わせられているということだったので、また機会があれば他の作品に挑戦してみたい！

前々から思ってたけどワン・ビンってリュミエールが21世紀の中国で映画を撮ったらこうなるってのを体現したような作品が多くて良い

最初にタイトルにもなっているフアンさんの姿が何回か映ったと思ったらすぐに寝たきり状態になってしまったフアンさんが映し出されてギョッとしたけど、そこで余命僅かと思しきフアンさんと看病する家族についての映画とわかると命が尽きかける人間と見守る周囲の人々の姿に人間の営みの何たるかを垣間見た気がして胸が熱くなったし、それをとことん捉えようとするワン・ビンの姿勢にもグッときた

そして何より死にかけのフアンさんが5年前に亡くなった自分の大伯父に結構似ていてノスタルジックな気持ちになり、臨終間際のシーンでも自分がそういう場面に立ち会ったことがないだけにこんなものなのかと少し感慨深くもなった

ところでまだ見ていないワイズマンの臨死もこの映画を長くしたものであろうことが想像できたけど、この時間を6時間近く只管見続けるってのは中々キツいものがありそうだ

ドキュメンタリーっていうのは想田監督も言ってるように「観察」なのだよアガサくん、と言わんばかりの例に漏れず長回し、フィックスの構図がお手本のようなワンビンの新作。
夜な夜な魚獲りに勤しむ男たちの長回しは面白い反面、家で寝たきりの魚のように口を開けたファンさんとの対比が絶妙に素晴らしかった。魅せるには対比構造が1番伝わるしわかりやすい。あと室内における家族の立ち位置の変化は巧みな見所と同時に、やはりファンさんを死んだものとみなしてるのか（定かではないが）、繰り広げられる親族の会話劇の滑稽さと哀しさを淡々と切り取る術は真骨頂か。何より本作を観てて辛かったのはたかが1年という歳月で、寝たきりになってしまうファンさんを（亡くなる1年前家族でたまたまはいったデニーズでおれよりバクバク飯くってたのに急に亡くなった）自分のおばあちゃんと重なってしまう部分が大きかった。。。うちの親父は介護真摯に向き合ってたし、時間がある限り入院してたばあちゃんに顔出しするようにしてた記憶がフラッシュバック。劇中みたいにひどい会話はしてなかったとは思うが、ファンさんもすべてわかってたし、おばあちゃんもすべてわかってたんだなぁと胸が苦しくなった。人生は気づきの連続だとするならば、本作は細部に映画の醍醐味が溢れている。
なかなか正面から向き合うのにパワーがいる、、、

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