『マリヤのお雪』は、後年の溝口作品に見られる長回しや奥行きのある構図が形成されていく過程にある作品である。
特に、人物の動きによって画面内の心理的な関係を変化させる演出や、襖や障子を利用して視界を限…
西南戦争の最中、馬車に乗り合わせた娼婦たちと上流階級の人々の話。
乗り合わせた人々の並んだ顔とその眼差しには、幼さとは異なる若さと甘さがある。官軍兵士の前で、彼から奪った軍帽を深く被り、煙管を吸いな…
フィルムの劣化が著しいが、本当に凄まじい作品。傑作とさえ呼びたくはない。溝口健二とは、充実したワンシーン=ワンショットで語られがちだし、それ自体は誤りでは決してないが、その語ではおさまりのつかぬ作品…
>>続きを読むこの映画に身を投げ出すとき、この映画がほとんど擦り切れたように劣化したフィルムであるがゆえに自分自身も今にもかき消えてしまいかねないことに緊張する。
「映画を輝かせるために」刊行記念上映だけども、…