ふるさとの歌の作品情報・感想・評価

「ふるさとの歌」に投稿された感想・評価

mingo

mingoの感想・評価

3.8
文部省が日活に製作を委託したいわゆるプロパガンダ映画で、溝口の現存最古の作品。
2015年に作製された染色版の初上映。台詞字幕の朱雀などの絵が可愛いうえに、都会への憧憬を捨て郷土愛を胸に刻むさまが描かれた溝口のカメラワーク健在。しかしラストの農夫に生きがいを見つけるべきこそふるさとの誇り!っていういかにも当局に口を挟まれた観ありの残念な結末は如何なものか。1925年の時代背景を考えると仕方ないのだろうが、、、
「慈悲心鳥」断片(2分)が目あてで、久しぶりの鑑賞。
染色/調色版は初めて。
溝口監督の現存する最古の作品だが、時の政府からの要請で撮った、
都会に出る子は悪い子キャンペーンの映画。
自由を謳歌する若者を批判的に見て、かなり国策映画色が出ています。

2017年10月17日 国立近代美術館フイルムセンター大ホール
ひとみ

ひとみの感想・評価

2.8
染色復元版。無声映画。弁士:斎藤裕子さん
「日本の為ふるさとの為、地元の農業を支えていこう」という大正14年のプロパガンダ作品。

私にとっては初めての活弁映画体験でしたが、うーん…展開が唐突でコントじみているストーリーに気をとられ、活弁ならではの良さはよく分からなかったかも^^;

あとこれは俳優さんには何ら非はなく本当に申し訳ないのですが、主役の男性が昔私にセクハラ電話をよくかけてきた人に似ていて、当時の気持ち悪さをちょっとだけ思い出してしまった。。

というわけで、あまり身を入れて観られませんでした(>_<)!
劇場内ではところどころ笑いが起きていたけど、あれは急展開に対する苦笑の類いかなー。
2015年染色復元版・「チネマ・リトロバート」出品用英語字幕付き、おまけに弁士つきと貴重な機会で見たが、不覚にも爆睡。
個人的には「染色」の色がきつかった。

@新文芸座 35mm
染色復元版・英語字幕付き・弁士:斎藤裕子
<無声映画鑑賞会 No.698 没後60年 溝口健二の復元された映画たち> 18:30開映
2016.9.30@新文芸坐
《無声映画鑑賞会 No. 698 没後60年 溝口健二の復元された映画たち》
(染色復元版・英語字幕付き・50分版・弁士:斎藤裕子)
青二歳

青二歳の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

溝口健二のサイレント道徳映画。教条的な話なんだけどちょっと泣けるシーンも。
あと当時の日本が一等国にならんと背筋をのばして遠い豊かな未来を見つめていたことが分かる。というかそうした背景を物語るためだけの超唐突なアメリカ人の登場だろうとしか思えない。ラビみたいなヒゲして日本人が演じとるし。なんなんだあのヒゲは( ꒪⌓꒪)

なんというかストレートにいい道徳映画だと思いますが、西洋かぶれ倶楽部の青年たちとの和解がアカン。あれはわだかまりを残したままにしてくれないと単に教条的で薄っぺらくなってしまう。
都鄙、貧富(村落内の貧富と国際社会の貧富)、学問と人格/学問と農業、勤勉と享楽…と様々な二項対立が分かりやすくキャラ付けによって明示されていて、あんまり分かり易すぎてチープに見える節は否定できません。でも現代に置き換えると、今見ても中々教訓があります。地方創生と言われて久しいですしね。

苦学生が馭者のバイトというのは泉鏡花の"義血俠血"もそうですが定番なのかな。
1回目 2016.2.22 VHS
2回目 2016.9.30 新文芸坐
3回目
映画男

映画男の感想・評価

4.5
サイレント映画。貧しい田舎の村で、勉学を諦めようとしている一人の若者の話。

ある場面。若者は、外国人の子供が川で溺れているところを救出して、それに感謝した溺れた子供の父親が礼金を渡そうとする、しかし若者はそれを拒否して一言、「僕は日本人です。」と言った。これがなかなか胸に響いた。
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