ハンナ・ギャズビーのナネットの作品情報・感想・評価・動画配信

ハンナ・ギャズビーのナネット2018年製作の映画)

Hannah Gadsby: Nanette

製作国:

上映時間:69分

4.6

「ハンナ・ギャズビーのナネット」に投稿された感想・評価

じゅんP

じゅんPの感想・評価

4.6
ハンナ・ギャズビー、女性。
マイク1本を武器にひとり、過去からの順行と未来からの逆行で今を闘う総力戦。

スタンダップコメディ、ひいては話芸に類するものの価値観を、良い意味でぶっ壊された。

聴く者にストレートに声を届け、伝える力。
観る者を安易な感情に走らせない、言葉の重み。

エンドロール終わりの締めの一音までめちゃくちゃスマートに冗舌なこの映画に対し、ひとりのシスジェンダーの男としてこの映画について全然うまく言語化できていない自分にモヤモヤする。

Your story is my story、このstoryのこれからの結末は…
nanaco

nanacoの感想・評価

-

圧巻で至福な1時間だった

緊張と笑いのコントロールがとても上手で、「疑問に思ったら見直す、立ち止まって考える」のとおり、1つ1つの話題をしっかり丁寧に伝えていて、まさに話す価値のある話を正しく伝えてた

わたしは今までLGBTとか人種差別の映画をみて悔しい気持ちになってたけどそれさえもきっとどこかで差別してたのかもしれないな、そもそもLGBTって言葉もダメだな、男女って言葉もだめ、みんな同じ人間、違いを探すんじゃなくて学んでいくべきなんだね、自分の正当性ばかりを押し付けて理解しようとしないのは不快で幼稚で非生産的、無知は傲慢で残酷だと思った

自己嫌悪の種は外から植え付けられて、子供の頃のものは重力のように当たり前になる、自虐しない、青色の話、いろんな視点を持つこと、怒りは笑いと同じくらい人を一体化させる、

世界は変えられないからあなたを変えようとしてしまったのってお母さんの言葉も、オチはトラウマを呼んでしまうことも、苦しいけどどうしようもできなくて悲しい


いろんな映画ドラマ小説からたくさんのことを知ったつもりでいたけど言語化できるかといえばそうではなくて、なのに1時間でこんなにたくさんのことを伝えてくれて、伝え方ひとつでこんなにもきちんと腑に落ちるものかと思った

あとこの映画のレビュー欄すてきなレビューたくさんなのも至福
さど

さどの感想・評価

-
ジョークにはストーリーにはある「結末」がない。ジョークはオチで終わらせないといけないし、オチにはトラウマを煽る緊張が必要だ。
なんて有意義な1時間だよ!!
この1時間を楽しめない人っていないと思う。
これはNeo道徳の授業
政治家のオヤジたちは彼女に言葉を習うべきだ。

スタンダップコメディを初めて鑑賞したと思う。
自虐ネタで面白おかしく話を展開していくんだが、関係ないように感じるネタ話たちの広げ方伏線の張り方に、
それをちゃんと大きく育てて収穫していく過程がとてもスマートでとても愉快で、頭の良さを感じまくって面白い人って本当に頭いいんだな…!!と震えた。
そんな感動とは全く別の着地地点に1時間後いた。

自分がなぜレズビアンであることを自虐し笑いに変えなければならないのか。
スタートから2/3までは本当にブラック過ぎないしかししっかりと刺さるべき相手のに刺さるジョークの連発に
これこそがスタンダップコメディとはこれかと。
彼女が撒いた話の伏線回収と共に彼女の怒りと悲しみの告白へに繋がる。
正しい怒りだった。
そして、正しい怒りの表現だった。
その正しい怒りの告白の結末には、
ただ怒りは何も生まないこと、
笑いは正義の薬ではないことキチンと理解し易い言葉でスマートに伝えてくれた。

沢山傷ついて、狂うこともできただろう辛い人生だった。
その体験をこの痛みをいかに易しく高い浸透力で伝えられるか苦痛を伴いながら熟考した結果、彼女の言葉に命が宿っていたな。
めちゃくちゃにかっこいい。

言葉には魂が宿るってまじだな。
ただ口から発せられる音の連なりに感情や経験を乗せられるなんてすげえよ。
まじで政治家のオヤジたちは彼女に言葉を習うべきだ。
ROY

ROYの感想・評価

5.0
🟦

ギャズビーのむき出しの感情と言葉

ピーボディ賞に加え、エミー賞バラエティ・スペシャル部門で脚本賞を受賞

喜”怒”哀楽。スタンダップで「喜」と「楽」の間をこんなに行き来させられたのは初めてかも。

改めてマイク1本ってのがカッコいいって思った。アーティストがギター1本で登場するみたいに。

最初と最後の映像もいいな。あと、ショーが終わってもスキップしないでエンドクレジットの後まで見てほしい。いや、聞いてほしい。

こんなにチンコっていう人ハンナ・ギャズビーがリッキー・ジャーヴェイスくらいじゃない?

「私は質素なの。好きな音はティーカップをお皿に戻すときのカタンって音。それどうやってパレードで表現すればいい?」

コメディーとは

始まりと展開

若い男

お母さん

美術史

「謙遜(humility)にはならない。ただの屈辱(humiliating)よ。自分をけなしでもしなきゃしゃべらせてもらえない。もう自分をけなさない。私に共感する人たちのこともね」

「マジで普通人(gender normal)の皆さん。落ち着いて。『男がドレスなんて変だ!』髪のない赤ん坊にヘアバンドするくせに。それこそ変よ。ジャガイモにブレスレットつけるわけ?」

「ストレートの白人男になんかなりたくない。今のところはね。このご時世にストレートの白人男なんて。お金を積まれてもイヤだ。まあ相当給料いいだろうけど」

緊張と緩和

「学費ローン並みの大バカ野郎を黙らせたよ」

「芸術家は時代を作ってない。反応してるだけ」

「いつも芸術は権力と金と共にある」

男の名声

“I’m in my prime!”

「怒りは笑いと同じくらい人を一体化させてしまう。でも笑いのように緊張を解くことはできない。怒りこそが緊張の元だから。中毒性があってすぐに広まる緊張よ。その目的は憎しみや偏見の連鎖だけ。そんなのご免よ。言論の自由は責任が伴う。被害者だからって怒りを利用することはしない。怒りは何も生まない。笑いは薬じゃない。物語が回復を支える。笑いは苦い薬を甘くするハチミツにすぎない。人を笑いや怒りで団結させたくない。ただ私の話を聞いて何かを感じ、理解してほしい。皆さん自身の意思で。あなたの物語は私の物語でもある。私の物語もあなたのもの。もう自分の物語を支える力がないの。怒りだけの話にしたくない。だからどうか私の物語を一緒に支えてほしい。『ひまわり』が生まれたのはゴッホが苦しんだからじゃない。ゴッホには自分を慕う弟がいたからよ。苦しみの中でも彼には世界とのつながりがあった。そのテーマこそが私たちが伝えるべき話。”つながり”。ありがとう」
靜

靜の感想・評価

-
スタンダップコメディというものに馴染みがなくて、テラスハウスの住人がやっていたから初めて知った。彼のネタはブラックが効き過ぎてもはや暗闇で、困惑させられるものだったので、これが初めてのスタンダップコメディ鑑賞と言っても差し支えないかと。

原語で聞き取る能力もなければ、ジョークが成り立つ文化的土台にもいまいちピンとこない。最初は馴染みがなくて身構えていたせいか、どこで笑っていいのか分からずしばらく真顔のまま鑑賞していた。
ハンナの機知に富んだ話の振れ幅に心がほぐれ、だんだんと顔面に笑みが宿ってきた。それにしたって観客が本当によく笑う。げらげら笑う。こんなに直球で笑えていいな。わたしも肩の力を抜いて、もっと反射神経を研ぎ澄ませて笑いたいものです。

ハンナが軽い調子で出したジョークは、後々に何度か再登場してその度に少しずつ色付けの変更がなされていく。さして重要でもなさそうな、なんてことのないジョークのような顔色だったものが、後半になるにつれ思いもよらない悲痛な告白に変わる。
そして、わたしは咽び泣いた。
こんなにも揺さぶられるとは思わず。揺さぶられたところから、血が吹き出るようで痛い。痛いけど、わたしは「あの時、痛かった」と口にすることが出来る。黙って耐えて、自分を歪ませることはもうしなくていいのだと思った。痛いけど、なんて爽快なんだろうかと驚きだった。

テラスハウスの彼がスタンダップに感銘を受けたと話していたのにも、今ならすごく頷ける。
ユコ

ユコの感想・評価

-
これを見てどう思ったかを話し合える世界にしたい
わたしの周りにはこれを最後まで見る男性がそもそもいない気がする
MayuMeguro

MayuMeguroの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

「壊れた自分を立て直した女ほど強いものはない。」
人の言葉で声をあげて涙を流したのは久しぶりだ。誰もが、見るべき。
difference is a teacher.
恐れずに、ずっと学んでいきたい。

このレビューはネタバレを含みます


もう緊張をほぐさない。

物語を伝える。

私の物語。

あなたの物語は。

「ひまわり」の物語。
〜〜〜〜〜〜〜

この頃はずっと、トーンポリシングの是非について考えていた。怒りとは何か。怒りが真実で、物語なら、なぜ批判されるのか。怒りの伝達を肯定したい。でもそのままでいいのか。その答えが少し出た。

以下ネタバレ。
〜〜〜〜〜〜

私は傷にむしばまれて健やかな日は送れない

だからこそコメディを辞めなきゃいけない

怒りを通じてしか真実を語れない

当然私には怒る権利がある

でも怒りを広める権利はない

だって
怒りは笑いと同じくらい人を一体化させてしまう

でも笑いのように緊張を解すことはできない

怒りこそが緊張の元だから

中毒性があってすぐに広まる緊張よ

その目的は憎しみや偏見の連鎖だけ

そんなのご免よ

言論の自由は責任が伴う

被害者だからって怒りを利用することはしない

怒りは何も生まない

笑いは薬じゃない

物語が回復を与える

笑いは苦い薬を甘くするハチミツにすぎない

人を笑いや怒りで団結させたくない

ただ私の話を聞いて何かを感じ理解してほしい

皆さん自身の意思で

あなたの物語は私の物語でもある

私の物語はあなたのものでもある

もう自分の物語を支える力がないの

怒りだけの話にしたくない

だからどうか私の物語を一緒に支えてほしい
さおり

さおりの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

もう私は自虐したくないってくだりから、あと後半はほぼずっと泣いてた。
考えること、繊細であることを肯定してくれたのも嬉しかった。

まさにmy story is your story. だと思う。

I'm not a man-hater. But I'm afraid of men. If I'm the only woman in a room full of men, I'm afraid. And if you think that's un usual, you're not speaking to the women in your life.

A 17 year old girl is just never, ever, ever, in her prime! Ever! I AM IN MY PRIME!!

'壊れた自分を立て直した女ほど強い者はいない' んだってさ。だからどうか…
STOP WASTING MY TIME !!
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