エリサ&マルセラの作品情報・感想・評価・動画配信

「エリサ&マルセラ」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

モノクロで落ち着いた雰囲気かと思いきや中身は情熱的。
会うことのできなかった3年間の手紙のやり取りや、2人の愛し方すべてが詩的で美しい。タコ、ワカメ、カタツムリなどをエロティックさを醸し出す小道具として使うのがとても女性監督っぽい演出の仕方だと思った。
本作は演劇としてやってもアリかも。編集の仕方が、演劇の一幕、二幕のような感じでとても印象的だったから。

本作の舞台は1898年で同性愛者への周囲の差別的視線は今より厳しい。だが、当事者を取り巻く環境は今も似たようなものかもしれない。時代は進んでも完璧に偏見を取り除くことができていないのは悲しい。それがエンドクレジットでも数字として表れているのがとてもわかりやすかった。と同時に、希望をも映し出してくれていて救いがあるラスト。

とても良い作品なので多くの人に観ていただきたいなと個人的には思う。
Miri

Miriの感想・評価

3.6
1901年に敬虔なカトリックの国かつまだ女性の地位が低い時代のスペインで女性同士の同性婚が行われた史実の基づいた物語。
ただ愛し合っている二人が一緒にいたいだけなのに、一緒にいるためには男装しないといけないし、家には石が投げ込まれるし、挙句の果てには逮捕されちゃうって…
別に誰にも迷惑かけていないのに。日本もそうだけど、LGBTQにしろ別姓にしろ当事者じゃない人は全く迷惑を被っているわけじゃないのに反対するのっておかしいよね。ただ当人は普通に生きたいだけなのに。
エリサとマルセラのように闘った人たちがいるから今の社会があるのだなと感じた話だった。
山桃

山桃の感想・評価

3.5
歌手のP!nkは言っていた。「同性婚を支持しているのではない。幸せな結婚を支持している。」

まさにその通りで同性であれ異性であれ、幸せになれるのであれば性別など関係ないと思うけれど、世の中は人間の作った法に縛られている。こんな窮屈な時代に想いを貫き通した二人がすごい。

そんなスペインも主たる宗教がカトリックでありながら同性婚を合法としたと。日本は宗教的縛りもないはずなのにまだ認められていないという事実。
なんでこんなに陽の目を浴びてないのか不思議なくらいの傑作。

近年同性愛を扱った映画が増えてきた。
このムーブメントは必然のように感じるが、残念ながら観客の目も制作者の手捌きも、ほとんどが不自然にセクシュアリティを捻じ曲げてしまう。

過激なポルノ雑誌か啓蒙を促すカタログブックであることを要求される中、イザベル・コイシェはいとも自然に、単なる1本の「映画」を撮ることに成功している。

エリサとマリエラの語る「普通」とは、石を投げられて悲劇に酔いしれることでは決してない。
簡潔に言えば、恋愛の本質ーー密室的に愛し合うということを指しているだけだ。
「普通」の人々は、個人へ帰る恋人と過ごす時間に、堅苦しい世界のことなど考えない。
その当然の権利を甘受できるならば、拘置所の中だって構わない、とエリサは言う。だからこそ本作は素晴らしい。

もちろん、ある面において、異性愛を標準とした社会の醜悪を糾弾してはいる。これらの社会情勢が映画に喰い込んでくるのも、彼女たちの恋の行方を誠実に追った故だろう。しかし、あくまで「背景」は「背景」に過ぎない。

私たちはただ、当然に惹かれ合う2人のように、この映画に身を任せてしまえばいい。
『あの頃エッフェル塔の下で』(2015)のビデオレターめいた手紙のやりとりが、ディミトリ・キルサノフの『秋の霧』(1927)を読み解す瞬間に。
グリフィスの垣根の中でスタンダールに導かれて、『革命前夜』(1964)を夢見る悦楽に。
そこが映画館であろうと自宅であろうと、瞬時に私たちの目を暗室として、「映画」のスクリーンを焼き付けてくれるはずだから。
mire

mireの感想・評価

3.3
そもそも3年もの間文通だけで心を通わせられるほどの愛を知らない時点で、2人の間に流れる愛を汲み取れないのがもどかしい。更にこれがノンフィクションだって言うんだから言葉がなくなる。強く固い愛が生まれなければもしかしたら今もなお同性愛は罰せられ恥ずべきことだったのかもしれない。そう思うと2人みたいな勇気ある第一歩の存在をより知る必要がある。日本はまだあと50歩ぐらい必要なんですがね!!
ところで白黒とフェードアウトしていくマルの映像の意味が知りたい。白黒は置いといて昔のシネマスコープを彷彿させるアングルは何の意図?ちょっと安っぽく見えてしまい残念だと感じた。あとワカメとタコの説明も欲しいです😂
キレイな作品だった。特にエリサの美しさが際立って見えた。あの時代の同性婚は、命懸けだったと思う。村の人達の反応が魔女狩りみたいで、恐ろしかった。女性が暮らしにくい時代だったんだろう。マルセラの父親の態度からも凄く女性の地位の低さが伺えた。実話ベースらしいが、マルセラの子供の父親については、本当に話が残されていないらしい。でもあの時代なら、人工授精は、無理だから…。考えてしまう。自ら望んではいなかったから、明かさなかったんだろうなぁ。最後、2人が幸せそうに暮らしている姿にホッとした。私は、好きな作品でした。
リリーの全てもそうやけど、
実在してると思うとほんとに
胸が熱くなるし
なんて勇敢なんやろうって思う
m

mの感想・評価

4.0
ただ人が人を好きになるだけなのに、それが同性だっただけでここまで酷い仕打ちを受けるなんて。観てて辛い場面が多かった。2人は幸せなのにどうして放っておいてくれないんだろう。今の日本も。
最後のシーンよかったな。
emu

emuの感想・評価

-
実話を基にした2人の女性の愛の物語。周りのひどい仕打ちや見聞にも流されず貫き通した真っ直ぐな愛に打たれる。序盤とラストの繋がり、海の向こうから駆けてくる白馬。蛸と海藻、深い海へ消えてしまいそうな人魚のよう。

このレビューはネタバレを含みます

カタルーニャ出身の女性監督イサベル・コイシェの作品。様々な形の連帯が描かれていた。女子教育は始まったばかりで20世紀中頃まで文盲の女性が多かったスペインで、マルセラの母が娘にこっそり本を渡すシーンや異郷の牢獄で生まれる連帯が印象に残った。雨やタコの粘液、牛乳といった液体を媒介して二人の関係が深まる様を描いていた。物語が始まる1898年にスペインは米西戦争で最後の植民地を失うという背景もあってポルトガルの役人はスペインに対して強行に出られたのではないかと思う。
>|

あなたにおすすめの記事