2020年ベルリン国際映画金熊賞受賞のイラン映画。

死刑制度にまつわる4つのオムニバス。

死刑執行する側の日常を描いた盲点でもあり、イラン国内のタブーを暴いている稀有な作品。

日常に交わるショッキングな映像や、エピソード間で意外なところでつながりがあり、個性的なラインナップ。

軍隊の兵士だったり、砂漠だったりが、ちょっとスター・ウォーズをほうふつとした。　

【法の執行代理人の割り切れない悩みで泥沼化】【東京国際映画祭】
イランの死刑制度に纏わるエピソードをまとめたオムニバス映画。

東京国際映画祭の最後の作品はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したこの作品にしました。
去年のジャスト6.5とはまた違った欧州映画のような叙情的な作品でまずそこで意表を突かれましたね。
死刑を執行する職員や兵役で死刑囚を連れて行く青年らを映した映画ですが、見どころはオムニバス形式でありながらも「死刑を傍観した時の後悔、死刑が齎す影響」を様々な視点で揺さぶるところにあると思います。

この映画は
1.死刑執行人の日常
2.死刑囚を連れて行く青年の苦悩
3.死刑囚を連れて行った青年を苦しめる真実
4.死刑を見届けた男が家族にとった行動
で構成されていますが、1のエピソードで車に乗ってる男にワイパーと信号の色で照らされる印象的なシーンがあります。
そこから1のエピソードの結末に対して2,3,4のエピソードが本質的にはリンクしているところがストーリーラインとして面白くて、日常感あふれるシーンからのドラマティックな演出含めて興味深かったです。
撮影されるシーンも空間描写から自然の映し方も含めて、「死刑を執行する人間の苦しい心境」や「心情と繋げる四季の彩り」も見てて圧倒されました。

おそらく日本でも全国公開される可能性が高いので、上映されたら多くの人に見て欲しい作品です。

• #第33回東京国際映画祭

ドイツ映画祭にて鑑賞。
イランの死刑制度についての4つの物語からなる作品。


全体を通して静かで、終わり方はもっと静かで、そして次のお話が始まるあの瞬間の空気がなんとも言えなくて好きだった。

日本だと死刑制度ってどこか他人事というか、そんなに考えることってない気がするので、そういった文化の違いも含めて面白い（というか興味深い？）作品だった。

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