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タネは誰のもの
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『タネは誰のもの』に投稿された感想・評価

4.0
一人でも多くの人に観てもらいたいドキュメンタリー作品。

このドキュメンタリー作品を観て全容の全てを理解したかというと、そうでない。

メディアでも全く報道されず、取るに足らない事柄のように扱われながら、日本の食の未来にも、日本の農業の未来にも影響する「種苗法」の法改正がされようとしている。

大半の人が僕と同じく、知らない状況だと思う。
将来口にする食べ物が、今日のそれとは異なるかもしれない未来。

それの意味するところを考えないと。
まずは知ることから。

アップリンク渋谷で鑑賞。
アップリンクが好きなのは、映画制作者側の人たちの話を直接聴く機会が多いこと。
このドキュメンタリー作品のプロデューサーを務めた元農林水産大臣であり弁護士の山田正彦氏。
政治家の方の熱量あるプレゼンスキルと一緒に、その思いと価値ある情報を確かに頂いた良き時間。

食と無関係な人なんで1人もいない。
もっと勉強しよう。
 昨年(2019年)の7月に鑑賞したドキュメンタリー映画「SEED〜生命の糧」では、モンサント(現バイエル)のような巨大多国籍企業が農民から種を奪った経緯が描かれていた。強力な除草剤を開発、販売し、その除草剤に耐性を持つGMO(遺伝子組換植物)を開発して特許を取る。GMOは知的財産として保護される。ということは農家の自家増殖が禁止になるということだ。既にインドでは禁止になっていて、農家は毎年モンサントのような巨大多国籍企業から種子を買うしかない。その際にモンサント社製の肥料と農薬もセットになっている。貧しいインドの農家は借金をして買うが、自然に左右される作況のために借金が返せない場合もある。インドでは毎年15,000人の農家が自殺している。そういう作品だった。

 日本ではどうなっているのかをわかりやすく伝えるのが本作品である。2018年の種子法の廃止と2020年の今年まもなく採決される種苗法の改正に対するアンチテーゼが主体で、日本の農作物の安全性と安定供給が脅かされていることについて、元農林水産大臣の山田正彦さんが中心になって解説している。簡単に言えば、安倍政権からスガ政権へ続く自民党は、日本国民の健康をアメリカに売り渡しているということである。
 上映後には山田さん本人が登壇して、来る11月17日の種苗法改正法の成立に向けて全力で反対行動をするとのこと。御歳78歳の山田さんに座り込みは堪えるだろう。
 仕事や用事を抱える我々には座り込みは出来ないが、次の選挙に向けて、国民の健康を脅かす化学薬品まみれの農作物やGMOを排除する政治家に投票することは出来る。誰に投票するか迷った場合は、この基準で判断すればいい。問題なのは、こういう大きな問題をテレビや新聞が報道しないことだ。
 確かに知らなければ反対もできないが、少しでも関心を持てばインターネットその他ですぐに調べることが出来る。知ろうとしない国民に支えられ、スガ内閣の支持率は57%と高水準で推移している。日本国民は、子供がアトピーになったり奇形になったりしても構わないという政治家に未来を委ねたいのだろう。国民は自分たちのレベルに合った政治家しか持てないという原則は未だに真実であり続けるのだ。
2018年に戦後以降、都道府県、JA、農業試験場が農業で使う種子の品質を保ち、国が予算を付けて、農家に種子を分配する方式の種子法が廃止された。

そして、種苗法がとって変わり、このほど改正されようとしているが、この種苗法の改正には問題があるように見える。

種苗法の改正は、基本は新たな品種を生み出した発明者や、育苗者の権利を守り、海外などへの無許可での持ち出しを防ぐ目的がある。ところが、自家増殖を禁ずる条項もあるので、発明者や育苗者が権利を企業に譲渡して、企業が利益を追求した場合、農家は高価で質の良くない種苗を買い取らなければならない状況に陥る懸念があり、実際に世界的には以前からそんな状況が生まれている。

農家に説明をする農水省の面々は、花形省庁から外れているだけに志を持って入省した方も多く、国内の農家を守りたいと思っている方も多いのだが、立法府は国会で、政治家は企業の意向に従いやすい傾向があり、もちろんそこには企業と政治家の利権も存在している。このままでは、一般の農家がグローバル企業の食い物にされ、この国の農業が廃れかねないと示唆される展開。

民主党時代の農水大臣、山田正彦氏がかつての古巣に立ちふさがって、この国の農政の経緯、農家の声、予想される事態を丁寧に積み上げて説明してゆくドキュメンタリー。

様々な職業、仕事があるけれど、その根幹をなすのは衣食住で、中でも食を支える農業は、国家の危難にあって欠くべからざる、本来もっとも優先され守られるべき職業ではあるが、貿易が盛んになり、より安い食糧の輸入ができ、割合平和が続く日本ではどうしても軽んじられる傾向もあって、それに乗じて企業や政治家につけ込まれかねず、そんな状況をやさしくも鋭くまっとうな視点で見つめ、声高ではなく訴える点に好感。農業に特化したドキュメンタリーで、観客を選ぶ内容だが、この国の国民である以上、必ず最後には個人に関わってくるテーマに違いなく、現状を知り、問題意識を持ち得るよい機会になったと思う。

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