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『光の消える前に』に投稿された感想・評価

3.0
【モロッコ映画のもがき】
山形国際ドキュメンタリー映画祭でモロッコの作品『光の消える前に』を観ました。本作はMUBIで配信されている『いくつかの無意味な出来事について』のフッテージを使用してモロッコ映画史を分析する作品なので予習して観ました。

自由主義運動が高まりをみせる中、モロッコの若者たちは文化の力を信じていた。例えば、映画という資格メディアはモロッコ社会を変えるかもしれないと若者は街へ飛び出し人々にインタビューを始めた。しかし、当時のモロッコの映画料金は高く、あまり映画に興味を持ってもらえない。モロッコが自国で映画を作ることにあまり関心がないのだ。それでも若者はカメラを向ける。だが、人々は政治の話になると、「ノーコメント」と言う。ここでのコメントによって政府から嫌がらせを受けるのを避けたいからだ。

一般的にアフリカの映画史は、テレビ用のドキュメンタリー、短編映画の製作から始まり長編映画が誕生する流れを取る。アフリカ各国にとって、映画はニュースの働きを担うところから始まるのだ。本作は、そのニュース用ドキュメンタリーから長編劇映画へシフトする転換期を捉えたアフリカ映画史研究者には貴重なドキュメンタリーとなっている。

『いくつかの無意味な出来事について』をベースに、音楽や漫画の側面からも当時の熱気をモザイク状に散りばめる。そして、その動きの中で実験的に生み出されたモロッコ映画の映像文法を魅せてくれる。

例えば、男が逃げる。すると木々の狭間から大量の警察が現れる。男は引き返して逃げるが、射殺される。その切ない死は、サイレントでありながら強烈なインパクトを観る者に与える。また、別の映画のフッテージ。コメディ映画のフッテージでは辛辣なギャグが展開される。『カサブランカ』が好きだと語る男に対して、女性が「ところであの白い家(カサブランカ)は性転換クリニックよ。」と言うのだ。

正直、アフリカ映画史を軽く押さえていたり、『いくつかの無意味な出来事について』を観ていないと分かり辛い程にとっ散らかったモザイクドキュメンタリーなのですが、個人的にはアフリカの映画祭事情なんか知ることができて面白かった。
梅田
-
言論弾圧の中でモロッコで作られた映画やその他のアートとアーティストたちの足跡を何としてでも残そうという強烈な意思のもとに作られたドキュメンタリー。そもそもの一次資料が散逸しているせいか、静止画が多くてやや退屈ではある。が、残っている当時の映像は確かに魅力的なものが多かった。
mingo
3.9
モロッコ映画はほぼ見た事なかったが昔のモロッコグラフィックが独特でかつ画面強度も強くて面白いフッテージの数々。ハリウッドや007のような海外映画の影響から難解すぎて普通の映画じゃ無いような作品など若者のクリエイティブに対する情熱がひしひしと感じる。ファンクバンド「ファドウル」のジャズやソウルを融合したポップさつイカしたダンスナンバーやジャケットグラフィック、黄色い線が斜めに走り書きされ真ん中にプラカードを掲げた棒人間の表紙グラフィックが印象的な反体制雑誌「ラマリフ」、市民の声が画面から飛び出さんばかりのモノクロジャケットの雑誌「スーフル」(日本で言う当時の「アイデア」)、政治参加は拒否1.2年仕事は無くともエジプト映画では無くラテンアメリカ映画のように新しいモロッコ映画を作ろうとしてた時代の空気がエネルギッシュ。絵を売って稼いだお金で映画を作る、そうしてカサブランカ美術大学が誕生。次第に美術運動は加速し客席可動式の初の映画館、円形劇場、街頭演劇、イタリア式舞台まで幅広く網羅した市民のための場へ発展。「映画は文化のツールであり感覚を解放ツールである。それも一定の角度ではなく全方位に解放する。観客が自分をヒーローと一体化したとしてもそれで現実の問題が解決するわけじゃない。僕らのヒーローは未だにブルジョワ映画のヒーローに似てる。」冒頭のカメラ目線の公務員青年が言ってたアブデルワハブ特集やマジードレチチェ監督特集、2019年スペインで発掘された「無意味な出来事」も日本でやって欲しい。

トークメモ
映画は全て政府によってコントロールされてしまう。自由に芸術を通して発言するのは難しい現状。アーティストは植民地後のはじめてのジェネレーション。彼らは芸術的エネルギーに溢れていて現地の文化に根付いてるアイデンティティを持ち合わせていた。映画の中の画家はグループの第一世代。音楽はジャズなどを自分たちの音楽にしていった。ファンクやソウル。周りに何もない街で過ごしたが音楽だけは当時からこのような音楽だった。当時のモロッコの若者はアメリカの若者と呼応しており「フリーダム」が流れていた。モロッコは1チャンネルしか無く劇場では外国映画しかかかっていなくモロッコの映画がかかっても一週間しか上映されなかった。生活や現実は映されていなくそれを観ることは叶わなかった。武器のコントロールと同じくらい映像の検閲も厳しかった。

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