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ファルハ
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『ファルハ』に投稿された感想・評価

菩薩
4.2
最小限の開示で最大限の効果を期待する撮り方が奇しくも『サウルの息子』を想起させる。あくまで個人の目線に沿った展開、それすらも制限される極めて狭い視野かつ浅い被写界深度の中で今日まで続く大惨劇の始まりと一部始終とが刻まれていく。家父長制社会下における抑圧に始まり全てが徹底して破壊される中で監獄ともシェルターとも言える空間で、逃げられず戦えず助けられぬまま流される血とは対称的な血が流れ、少女は1人惨劇の最中に大人になる。今日の情勢と完全にリンクしてしまう展開でかなり精神的に辛いものがあったが、これは今日一回限りの上映で終わってしまうには相当惜しい。赤児の頭を踏み潰そうとするもギリギリのところで勝るヒューマニズム、それがひいては最大の抵抗となり最強の武器となる。密室状態での排泄描写から逃げないのも良かった、外が静かになる一方で中には虫が湧いていく。
BOB
4.2
1948年に起きたナクバと呼ばれるイスラエルによるパレスチナ領土の占領を題材にした戦争ドラマ🇯🇴。

"Do you know what I've decided? When I finish my studies in the city, I want to become a teacher. I will open a school here, just for girls."

これは大傑作。度肝を抜かれた。現代まで続くパレスチナ問題の原点とも言える史実を扱っているということもあるが、それ以上に、映画としての完成度がとてつもなく高かった。シンプルながらもパワフルで無駄のない脚本、主演の少女の演技、撮影、音響、演出等など、限りなく完璧に近い作品だと思う。

都市に出て学業に励み、将来は帰郷して女性のための学校の先生になりたいと望む少女ファルハ。家族や友達に囲まれたささやかながらも幸せな日常と、夢と希望に満ちた未来は、イスラエル軍の襲撃により、一瞬で奪い去られる。

作品の大半が、食料倉庫という密室に閉じ込められた(隠れた/守られた)少女視点のワンシチュエーションスリラー。与えられる外部の情報は、ドアの隙間から見える範囲の光景と、銃声や怯え逃げ惑う人々の叫び声、敵軍の放送などの僅かな音のみ。

見せる/見せないの演出が秀逸。この全てを見せない演出は、レイティング対策の意図も当然あるのだろうが、見えないことが観客の想像力を強烈に刺激し、緊張感と恐怖を何倍にも増幅させた。また、全てを見せないことにより、たった今我々の目の前で繰り広げられた惨劇が、ジェノサイドのほんの一部に過ぎないということを、かえって強く意識させる効果もあった。

撮影も素晴らしかったが、音の演出もそれに負けず劣らず見事だった。鍵となっていたのはハエの音。

イスラエル軍の追手が眼の前まで迫る、一連のシークエンスの緊迫感が半端ない。観ているこちらまで思わず息を止めていた。たった一枚の壁が生と死を分かつ。

あえて普遍性を持たせた敵の描き方も特徴。敵がイスラエル軍であることは紛れもない事実なのだが、直接的な描写や言及は意識的に避けられていたように思う。国旗は映らなかったし、イスラエルという単語も一切出てこなかった。本作の最大の目的は、イスラエル軍への非難ではなく、あくまでもファルハが体験した真実の物語を語ることにあるのだろう。それは、若い敵兵がとある苦渋の決断をするシーンからも見て取れる。敵を絶対悪ではなく、感情や良心を持ち合わせた人間として描いていた。戦争を知らない人間の希望的観測にすぎないのかも知れないが、これも戦争のリアルなのではないかと思う。

泥塗り、はえの音、ブランコなど、さり気ない伏線の張り方とその回収が巧い。脱出の鍵となるアイテムが"アレ"だということも、これ以上ない皮肉である。

Netflixで配信中の本作。現状、アラビア語音声・英語字幕でしか鑑賞できないのがネックだが、圧倒的に言葉より映像で語る作品なので、ほとんど理解に困らないはずである。是非ともより多くの方々に観ていただきたい。

39
para
4.0
1948年 イギリス統治が終わったパレスチナの地で起きたナクバ
実在の人物の身に起きたことに着想を得た作品

岡真里先生トーク付き
『ホロコーストの記憶の政治利用』に図らずも加担している私たちという視点にはこれまで気が付かなかった。

将来の夢も持ち普通に暮らしていたのに、ある日突然戦禍に巻き込まれる。。。
映画ではイスラエルについて直接的に言及せずに、あくまでも一少女の視点なのだが、Netflixにて英語字幕版配信されるとイスラエルからの激しい抗議があったとのこと。

メモ📝
イスラエルが1948年から現在進行形で続けているジェノサイド。
今、ガザにおいてイスラエルは
病院に医師や医療従事者、大学などの教育機関と教育者、ガザの実情を伝えるジャーナリストを狙い撃ちし、歴史の記憶も含め建物を破壊することでパレスチナ人をすべて抹殺しようとしている。
それに対して欧米、特に米英独は積極的にイスラエルを支援していることもあり国際社会は何も出来ないでいる。。。
何が起きているのか知っているのに無関心、でいてはいけない。
(先日鑑賞した『関心領域』に繋がる)

イスラーム映画祭2024

『ファルハ』に似ている作品

フォートレス・ダウン 要塞都市攻防戦

上映日:

2020年08月14日

製作国:

上映時間:

135分

ジャンル:

3.2

あらすじ

ISに殺された兄弟の足跡を追って、トルコ・ディヤルバクルに帰ってきたジラン。町ではクルド人の自治を求める運動が激しさを増し、軍と警察が武力で抑えつけていた。家族や隣人が激しく迫害されるのを…

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