『関心領域』と今作を観て、主人公・サンドラを演じたザンドラ・ヒュラーが「夫の思い通りにならない妻」を演じさせたら天下一品の女優なのだと知った。
男性の理想の女性像とは対極にいる佇まいが味わい深い。
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謎を解き明かすために物語が駆動していく、という比較的クラシカルなサスペンスかと思いきや、後半ずっと法廷サスペンス。きっとどの中年夫婦でも日常的に繰り広げられている言葉の応酬も責任の押しつけも、事件を…
>>続きを読む家族の秘密を謎解きしきることなく、さまざまな可能性の中に置き去りにされる。怪しいと言えば全て怪しく、英語とフランス語の違いをはじめ、同じように見えていることでも、聞こえていることでも、全く異なる解釈…
>>続きを読む裁判によって判決は下されるものの、事故死か、自死か、殺人か――その真相は最後まで闇の中に置かれる。観る者は「決着がついたのに納得できない」という複雑な感情を抱かされる。
特に心を打ったのは、視覚障…
本作は「真実とは何か」を問いかける。法廷でぶつかり合う証言は、人それぞれの都合で形づくられた“真実”にすぎない。SNSでも同じように、切り取られた事実が解釈によって歪められていく。哲学的に考えれば、…
>>続きを読む©2023 L.F.P. – Les Films Pelléas / Les Films de Pierre / France 2 Cinéma / Auvergne-Rhône-Alpes Cinéma