ぶみ

怪獣ヤロウ!のぶみのレビュー・感想・評価

怪獣ヤロウ!(2024年製作の映画)
1.5
怪獣で、全てをぶっ壊せー!!!

八木順一朗監督、脚本、ぐんぴぃ主演によるドラマ。
市長から、ご当地映画の作成を命じられた市役所職員等の姿を描く。
主人公となる関市役所観光課の山田をぐんぴぃ、市長を清水ミチコ、市秘書課職員の吉田を菅井友香、観光課長の武藤を手塚とおる、観光課職員の古川を三戸なつめが演じているほか、平山浩行、田中要次、麿赤兒等が登場。
物語は、2005年当時の山田が、中学校の文化祭で『大怪獣セキラ』なる作品を発表するも、変な映画として一刀両断されてしまうシーンでスタートするのだが、この時の子役が、ぐんぴぃになかなか似ていたところ。
次には、そんな山田が公務員となり、市長から、ご当地映画の製作を命じられ、かねてからの夢であった怪獣映画を撮り始める様が中心となるのだが、本作品そのものが関市PRを中心としたご当地映画であるため、そのクオリティは推して知るべし。
ただ、そこの部分を差し引いたとしても、私には全くもって笑いのツボが合わず、つまらないわけではないが、面白くもなかったというのが正直な感想。
怪獣映画や、地元に対する愛着は伝わってきたものの、そこだけで全てを押し切っている作風で、肝心の映画としてのクオリティは、映像はもとより、コメディとしてもドラマとしても中途半端な脚本であり、この手の作品としては頑張ってはいたものの、それでもフルプライスを払ってまで観る価値があったかというとお世辞にもそうとは言えない仕上がりに。
クルマ好きの視点からすると、山田が乗っているのが、ダイハツ・ムーヴキャンバスだったのだが、基本メインのターゲットを女性としているクルマであり、山田がそのチョイスをしているのが、ギャップからくる笑いを狙ったのか、はたまた他に意図があるのか汲み取れなかったのは悔しかった反面、鉄道好きの視点からすると、劇中に登場していたのが、車両改装費用をクラウドファウンディングにより調達した長良川鉄道の観光列車「ながら」の川風号だったのは見逃せないポイント。
前述のように、ご当地映画としては、と言う前提をつけたとして、そこを差し引いて応援すべき作品であるとともに、愛知岐阜三重と、通称東海三県と称される岐阜が舞台であったため、本作品をチョイスしたものの、「春とヒコーキ」なるコンビ名や、ぐんぴぃなる芸人を本作品で初めて知り、つい最近まで主演がチャンカワイだと思っていた私のような人は観てはいけなかったかと思う内容で、そもそもぐんぴぃの特徴や芸風が伝わってこなかったこともあり、ご当地映画なのか、ぐんぴぃのファンムービーだったのかすら区別がつかず、全くピンと来なかった凡作。

怪獣ってのは、怒りだ。
ぶみ

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