“この靴をはいたまま、彼に封じ込められていたいんです”
小川洋子の同名小説が原作。
働いていた炭酸飲料の工場で左手の薬指を欠損したイリスは仕事を辞め彷徨うように港町に辿り着く。
夜は海に出ている労…
こういう世界感(原作は小川洋子さんと聞いて)が好きな人にはたまらない作品だろうなぁと。主演の女優さんは儚げな少女のようでいながら濃密な色気があり、いるだけで絵になる感じ。
しかし。私ははっきりしない…
標本室のイメージが小説を読んだ感触と全く同じで驚いた。カットの美しさは日本人ではなかなか映せない冷たさだった。ただモーテル男のくだりは正直微妙。標本室だけで十分成立する完成度なのに、一気に現実に引き…
>>続きを読む泥のような過去のお話。
水に関する描写が多数でてくるが全て粘度が高い。故に泥のように思えてしまう。
標本は記憶の保持であり過去を示す。なのに動いているように見えてしまうのは水のせい。
そんな水と標本…