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『ギムリ・ホスピタル 4K版』に投稿された感想・評価

Omizu
4.0
試写にて拝見。『世界で一番悲しい音楽』など怪作を作り続けているカナダの鬼才ガイ・マディン監督の長編デビュー作。

フィルメックスのプレイベントで『世界で一番悲しい音楽』を観て以来気になっていたガイ・マディンだが、縁があって試写で観ることが出来た。

これはもう唯一無二としか言いようがない。ストーリーはあるが映像がもうとんでもない。サイレント映画にオマージュを捧げた独特な映像美、悪夢の中にいるような悪魔的な演出が放つ衝撃度は半端じゃない。

病院に収容された男の嫉妬を描いた物語であるが、そんな物語は重要じゃない。とにかく映像に圧倒される。白黒のサイレント調だが、サイレント映画時代には絶対に出来なかった悪夢的なビジュアルに貫かれている。

これはもうとにかく観てほしいとしか言えない。ガイ・マディンという存在はもっと日本でも知られるべきだと思う。そう思うくらい映像文化に溢れた現在でも新鮮な映画体験ができるはず。怪作。
『ギムリ・ホスピタル』なる響きからしてなんだかいかがわしアヤシくて即屹立してしまう。ギムリ=擬夢痢、とか勢いで変換してしまいそうだけれど、カナダに実在する海辺の村なのだそうである。

かのアリ・アスター兄貴監督がリスペクトした、ていうかパクったのも納得の知られざる悪夢…ガイ・マディン、ほぼ骸・魔人。

夢野久作か丸尾末広的な期待をしてしまうのはなぜだろう、そしてそれを裏切らない偏執偏屈であり、サイレント時代のクラシック怪奇映画への偏愛映画でもある。女優たちの眼の縁取りに込められた影と死のエロス。

その明らかなコントロールフリークっぷりからは、アリ・アスターに限らずギリアムやジュネやデル・トロを思い出したって良いはず。要するにそのへん界隈の人におすすめの作品であり、そのへん界隈にしかおすすめできない。スパイクしていこうじゃあないか。

夢幻的な映像に比してストーリーのほうは意外にもシンプルで、古典的・ギリシア悲劇的ともいえる奇縁と愛憎の話だ。
皮膚にヒビが入るような奇病(パンフには天然痘、とあったけれど)が流行る辺境くさい村、奇妙で猥雑なバラック病院のベッドで隣り合わせた2人の男。陰キャと陽キャ、友情を次第に妬み嫉みが上回り、やがて発覚したとある事実を皮切りに決裂は決定的なものとなる…

そのきっかけとなるアイテムがハサミだというのはなんともわかりやすく、彼らの関係を文字通り断ち切ってしまう。
そのハサミは「切り絵」というある種の偶像=幻想を作るための道具だったわけなのだけれど、それによって主人公の男は無味乾燥な現実に戻される、というのは皮肉である。

そして、この物語全体もまた乳母が子供たちに語り聞かせる昔噺として幻想にくるまれているのは興味深い。目前に迫る実母の死に際し、子供たちをせめてひととき現実から遠ざけようとしたのか、あるいはトラウマの種を植え付けようとしたのか…

しかし、実際のところそんな「全体」の話よりも圧倒的に「部分」のクセの方が気になりすぎる。
麻酔がわりの人形劇、対面髭剃りあいっこ、ネクロフィリア、そして全編に渡りそこかしこに登場する魚・魚・また魚!死んだ魚、燻製の魚、切り絵の魚。

魚といえばキリスト教的には聖性をもったシンボルで…とか考え出したくなる隙も与えることなく、次の「部分」がやってくる。これまさに熱病に浮かされた悪夢の如し。覚めてよかった…でもまた帰りたい欲望を否定できない、赤黒い緞帳のひだを覗かずにはいられないみたいに。
3.2
昔の記憶が正しければ、深夜の情報番組で一部だけ、宣伝として本編が少しだけ流れていたけど、改めて本編を見直すとイメージが違う印象だった。

【↓以下ネタバレがございます↓】

ガイ・マディンの長編デビュー作「ギムリ・ホスピタル(Tales from the Gimli Hospital)」(1988年)は、モノクロ映像と擬似サイレント映画的な演出が生み出す異色の世界が特徴だ。カナダの小さな町の病院を舞台に、19世紀末の社会を背景にした病床の患者たちの奇妙な物語である。友情と男女の嫉妬が絡み合う人間関係を、幻想的かつユーモラスな映像美で描いている。

本作には、デヴィッド・リンチよりもむしろ初期のルイス・ブニュエル、特に「アンダルシアの犬」(1929年)や「黄金時代」(1930年)の影響が色濃く感じられる。フロイトの無意識理論を下敷きに日常の倫理を解体する手法は、ブニュエルの作風と相通じるものがある。リンチの「イレイザー・ヘッド」(1977年)のような畸形を比喩に用いた暴力的な描写(自らの子への不安を畸形に投影)とは異なり、本作は土俗的な寓話と箱庭療法が混ざり合った独特の世界観を構築している。(リンチでさえも、興行成績を気にする商売人であることは重々に承知しているつもりであるが。)

演出面では、サイレント映画の方法論を徹底するか、初期トーキーの実験性を追求するかの選択が課題として残る。現在のバランスにはやや物足りなさを感じる部分もある。それにしても、いきなりのシンクロナイトスイミングの場面には、あまりにも意味不明で思わず失笑してしまったが、学者先生の言わんとする無意識下の現実逃避という意味であれば、的を射ていたのではないでしょうか。(笑い)

アリ・アスターが本作の再上映に尽力したというエピソードは興味深い。両者の作品には、日常の常識を超えた表現において確かに共通点が存在する。ただし、ブニュエル的な反社会(宗教)的過激さやリンチ的な露悪性は皆無である。むしろ、瀕死の母親の前で狂的な不条理譚を語るような演出には、グロテスクで鼻につく要素が残るものの、それがかえって作品の魅力となっている。シュールでありながら田舎臭さを残し、退廃や耽美という記号に陥らない絶妙なバランスこそが、本作が真のオリジナリティと言えるだろう。

適当に実態のない美辞麗句を並べておりますが、端的にいえば、意味不明でクチャクチャな映画でした。

パンフレットは薬袋(やくたい)を模した仕様で、患者名の欄には監督の名前(ガイ・マディン)が丁寧に印刷されているという、ブラックジョークの効いたデザインだった。

中面はB4サイズの紙が四つ折りされ、三種類に分かれていた。全面を大きく開くとポスターとして使える意図として冊子にしなかったようだが、コレクターズアイテムとしては実際にポスターとして使用することは少ないとは思う。薬袋の発想がユニークだっただけに、本文との構成に剥離を感じてしまい、若干の違和感を覚えた。たとえば実際にプラシーボが入ったの偽薬を二、三錠入れるのも洒落があるとは感じたが。

「どうぞご自愛のうえ、お大事にお過ごしください。」

[シアター・イメージフォーラム 12:30〜]

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