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Sorry, Baby(原題)
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『Sorry, Baby(原題)』に投稿された感想・評価

sonozy
4.0
大学院生時代のBadなトラウマ体験に苦しみながら日常を生き抜く主人公アグネスを時系列が交錯する5章で描くインディペンデント作品。
本作が長編デビュー作となるエヴァ・ヴィクターが脚本・監督・主演を務めています。

トラウマ体験の描き方、親友リディ(ナオミ・アッキー)との親密さ、隣人ギャビン(ルーカス・ヘッジズ)との出会い、猫やサンドイッチのシーンなどの日常を繊細に捉え、ユーモアも交えながら、トラウマ体験から回復するための道のりの長さや複雑な心理状態に寄り添うようなストーリー、演出、演技、映像。
タイトルとつながるラストからのじんわり沁みる読後感。
監督の才能を感じる作品です。

5章のタイトル:
The Year with the Baby
The Year with the Bad Thing
The Year with the Questions
The Year with the Good Sandwich
The Year with the Baby

サンダンス映画祭: ウォルド・ソルト脚本賞
A24配給
["それを考えていないとき、私は罪悪感を感じる"] 90点

大傑作。エヴァ・ヴィクター長編一作目。今年のサンダンスで話題となり、北米配給をA24が獲得したことでも話題となり、今年のカンヌでも監督週間で上映され、カンヌで上映された全ての作品で最も高評価だった(つまりカンヌプレミアの作品が一本も超えられなかった)ことで主に私の中で話題になった一作。物語はアグネスの大学院時代から現在に至るまでの数年間を描いている。ニューイングランドの田舎町にある大学院でデッカー教授の指導の下、論文を書いていたアグネスは、非常に優秀な生徒として彼からの評価も高かった。しかしある日、彼女は教授に呼び出されて彼の自宅へ行き、そこでレイプされてしまった。そのことは同じ家で暮らすゼミ仲間で親友のリディアにしか打ち明けられなかった。被害の翌日に教授は大学を辞めてNYに引っ越してしまい、大学が彼を処罰することも出来なくなってしまった。それでも彼を刑務所に送ること自体は本望ではなく、思い悩み始める云々。本作品は、性的暴力が破壊してしまうものがある一方で、破壊できないものもあることを描いている。淡々としたデッドパン的ユーモアで軽やかに語られるのは、事件以前も以後もアグネスが変わらず聡明でユーモラスな人物であるということだ。しかし当然、事件については常に頭の片隅にある。共存するそれらの要素が、事件以後も続く人生においてどのように変わり或いは変わらなかったかを丁寧に描いている。それについて考えると気分が悪くなり、考えていないと罪悪感があるというのは象徴的な発言だ(ジョン・キャロル・リンチ演じる親切な店主とのシーンは白眉)。また、病院や大学での空虚な手続きは被害者に寄り添うものではなく単なる手続きであると気付いたアグネスは、結局は一人で立ち直らなければならないと気付いてしまう。リディアは寄り添ってくれるが、永遠に二人でいられるわけではない。様々な整理の付かない感情とそれによって更に不透明になった未来を独りで抱え込んだ不安が常に押し寄せ続ける、そんな中で彼女は歩き続けていく。

本作品は五部構成になっているのが非常に上手い。時系列順ではなく、第一部は五部の中では四番目に位置しており、台詞も省略的だ。周囲に家もない田舎にポツンと建つアグネスの家にリディアが帰ってきて、久々に大学院時代のような騒がしい日々を過ごす。そして彼女が帰る日、アグネスに"死なないでね"と呟き、リディアが帰ると家の中は急に暗く静かになり、幽霊屋敷のような不気味さが滲み出してくる。時系列的には最初となる第二部では隣にリディアがいてくれるが、それ以外の部では遠くへ引っ越してしまい、結婚して子供まで生まれている。頻繁に彼女を頼ることが出来ない、そんな寂しさまで空間の中に感じた。彼女の家は多くの場面で重要な舞台となり、特に窓やバスタブに関する時間変化の描き方も上手い。
すごく好きな映画。
生きていれば酷いことが起きることもある。でも、生まれてきてくれてありがとうと思う。あなたのことも。

サンドイッチのおじさん、めっちゃ良い。

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