燃える秋の作品情報・感想・評価

燃える秋1978年製作の映画)

製作国:

上映時間:137分

3.1

「燃える秋」に投稿された感想・評価

2016年10月22日、渋谷ユーロスペースにて鑑賞。

この映画、三越・東宝提携作品。
三越の岡田茂氏による「三越事件」のため、未ソフト化作品である。
ということで、ようやく劇場で観た。

前半は名古屋・東京の室内が多くてチマチマした印象だが、後半はイラン(ペルシャ)ロケを敢行した映像が続く。後半で製作費がかかっていそうだ。

物語は、主人公の女性=アキ(真野響子)がエロい金持ち爺さん(佐分利信)と2年前から腐れ縁の肉体関係続けているが、京都の友人(小川真由美)には爺さんとの別れ話を相談している。
そんな折、現れたのがペルシャ絨毯に魅せられている若い男(北大路欣也)であり、彼に気持ちが揺らぐアキ。
しかし、この女性=アキの心情が揺れまくるので、「なんで?なんで、こうなるの?」と観ていて思うので、共感できない。
また、真野響子の脱ぎっぷりが悪く、ヌードシーンは別の人のようで、顔とバストが一緒に映されることが無いのもイライラする。(いつだったか、TVドラマ『悪魔のキッス』だかで脱ぎっぷり良かった常盤貴子を見習ってもらいたいものだ。)

観た後、モヤモヤ感が残りまくる失敗作であった。

<映倫No.19472>
あーや

あーやの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

前もって映画の師匠に「イランが舞台だよ」と教えてもらっていたので、今回の小林正樹映画祭の中でも特に私にとっては必見の作品でした。
本作は東宝と三越の共同製作だったのですが、三越事件の影響でDVDも出ていないという不遇な作品です。当時三越のワンマン社長だった岡田茂は製作費に10億もかけたそうで...。そのような大人の事情は置いておいて、幻の作品化してしまっているのはあまりにも勿体ない素晴らしい作品でした。
とりあえずね、ヒロインの亜希を演じた真野響子が壊れやすくて美しい!幸薄そうな雰囲気が大人の恋愛を描いた作品の雰囲気とも相まってなんとも刹那的な魅力でした。
偶然美術館で出会って以降ズルズルと付き合い続けてしまっている博識な年寄りの影山(佐分利信)との関係を絶ちたくて、京都の祇園祭に向かった亜希。そこで出会ったのは祇園祭の山鉾に飾られたペルシャ絨毯をまじまじと見つめる岸田守(北大路欣也)だった。ペルシャ絨毯にも岸田にも惹かれた亜希だったが、そのペルシャ絨毯につられて関係を絶とうとした影山とまた再会してしまう。影山との関係を絶って自分と結婚して欲しいとせがむ岸田のことを次第に疎ましく思い始めた最中、亜希は影山がガンに侵されていて余命僅かであることを知った。彼女は岸田と別れ、これが最後と覚悟して影山に会う。そして影山から自らの望みを聞かれた亜希は「仕事を辞めてイランに行きたいわ」と答えた。数日後、影山の親友が亜希のもとを訪れてイラン行きのチケットを渡す。影山が亡くなったことをはっきりとは伝えなかったが、彼の死を悟った亜希はイランに向けて出発する。
ここからラストまではイランロケです。しかも1979年なので革命前のイラン。スカーフ不要ですよ。貴重。
テヘラン→カシャーン→ゴム→イスファハーン→ペルセポリス→テヘラン→イスファハーンとイランを余すところなく観せてくれます。たっぷりイラン!「亜希のイラン紀行」です。絨毯織りの作業を見たり、風景を撮影したりと忙しい亜希だがペルセポリスの風の中で影山の幻覚を見て倒れてしまう・・。目が覚めると亜希の目の前には岸田が居た。なんと亜希が倒れたことを聞いて岸田はテヘランまで駆けつけたのだった!しかも最高級ホテルの1室と上質な赤と青のペルシャ絨毯を用意して。ただでさえ弱っていた亜希は岸田の優しさに感激して結婚することを約束する。そこからはイラン新婚旅行が始まります。ところが日本へ帰国する日、空港へのタクシーに乗っている時に亜希は岸田が仕事のために日本へ持って帰ろうとするペルシャ絨毯のカラーデザイン集を見つけた。彼はそのデザイン集を元に安い機械織りでペルシャ絨毯を作るというビジネスプランを亜希に意気揚々と語る。ところがその考えを聞いた亜希は岸田への熱が一気に冷めた。亜希は岸田と別れ、ひとりテヘランに残ることを決意した。
男臭い映画の多い小林正樹監督の中でも女性が主人公という異質の作品でした。大人の恋愛を女性目線でということにも驚いたのですが、女性の内面を優美に描き出すこともできる技量のある監督だったなんて驚きです。真野響子の美しさとペルシャ絨毯の美しさを重ねて映すために、色にはとてもこだわったように感じました。大人しくて感じやすい亜希の色は青、明朗な性格の親友の揺子の色は赤とはっきり使い分けているのはわかり易かったです。加えてペルシャ絨毯の複雑な色彩と繊細な模様に亜希の揺れる女心を投影していました。時間をかけて色と構図を練られたのでしょうか。とても丁寧です。小林正樹監督には恐れ入りました。。この人が作るのは男の映画だけではなかった。
そして亜希と2人の男性がそれぞれを翻弄し合っているのですが、亜希のように若い割に落ち着いた女性は例え爺さんでも博識な人間特有の色気には惹かれ易いのでしょうね。しかし佐分利信だったとは。お爺さんの姿やと全く分かりませんでした。影山の部屋が暗かったせいもあるのかな。もう1人の男性である岸田を演じたのは北大路欣也。私ね、若い時の欣也さんがとにかく大の苦手なのですよ。若尾文子との「濡れた2人」でもそうだったのですが、ギラギラし過ぎ!!!突っ立っているだけで精が出てる。無言でも祇園祭の山鉾より派手。ただでさえギラギラしてるのになんであんな胸元がはだけたシャツにバブリーな金のネックレスを付けちゃってるの・・。欣也さんが脱いだ時には軽い胃もたれを起こしていました。ギラギラが脱いだらもう、ギラギラのデラデラなんですもの。TOO MUCH!!!欣也さんは存在感がありすぎるので犬の声で充分です。
そのギラギラ欣也さんが真野響子にフラれて個人的に喜んでしまったあとに聞こえるエンディングテーマがハイファイセットの「燃える秋」ですね。原作の五木寛之作詞、武満徹が作曲しています。それだけで必然的に名曲なのに山本潤子さんの声が乗るわけですから。それを映画館で聞ける贅沢!たまりません。
革命前のイランの映像が(体感やと約45分くらいかな)ぎゅっと凝縮されて残っていることだけでも貴重なのに、女優は美しくて繊細な色使いにはため息が出る。そしてほろ苦い大人の恋愛の傷はイランの遺跡と音楽がしっとりと癒してくれる。どこにも遜色のない出来なのにDVDが出せないことが本当に本当に本当に勿体ない作品です。もう1度観たい。
小林正樹監督

普通のOLが、ある絵画展で老紳士に出逢う。それから老紳士の愛人になり、心身ともに疲れはて、京都に逃避行した先で、若い男と出逢う。

若い男と老紳士の板挟みになり、さらに愛に迷い、そんな時に、老紳士が亡くなりイランへの旅券を贈られる。

単身イランへ行き、ペルシャの文化に魅せられて・・。

当時、携帯電話の無い時代で、家の電話にヒロインが追い詰められるシーンは、私も経験があり、懐かしくも恐怖を感じました(笑)

ヒロインの真野響子は、上映当時に「それ行けカッチン!」と言う子供番組で、先生役をされてて、めちゃ美人な方だと思ってました。