さらば夏の光の作品情報・感想・評価

「さらば夏の光」に投稿された感想・評価

浮浪者

浮浪者の感想・評価

3.3
漂白されきった怠惰なる関係性が露出され続ける。あまりに無意味な時間系列。そこに生きることもまた稀有か。
烙印0928

烙印0928の感想・評価

5.0
秋津温泉でもおなじみの、一方が追いかけたら他方が逃げる恋愛のあり方が全体的に描写されている。

主人公にとって、女=カテドラル=追いかける(逃げさる)ものなので、カテドラルが実在し、女が自分から逃げさらないと知った瞬間に、その恋愛は終わるのである。

長崎=カテドラル=実在性を探そうとする男と、忘れようとする女

実在性を忘れようとする女は、すでに男が探していた寺院を知っているが、過去の記憶を忘れたいがために男にその寺院の場所を言わない。

ただ、過去の記憶を心の奥底では求めているために、男と求め合うのだ

印象的なシーン
・アムステルダムでガラス越しに直接触れ合えないシーン
・ノルマンディーのカテドラルの前で抱き合うシーン
・ローマで影絵のように戯れるシーン
・闘牛場で岡田茉莉子が倒れるシーン


会話劇の詩のような文章
EnCeTempLa

EnCeTempLaの感想・評価

5.0
出合いと別れ。男と女のモノローグ。何処か虚ろで空虚。ヨーロッパの美しい風景と重なり、映像に力を感じる。この時代にアラン・レネの影響をここまで消化出来るのは凄い。
tristana

tristanaの感想・評価

4.5
ここまで図々しい映画ははじめて見た。メモしておきたいセリフも目白押し、とても良い。最後に茉莉子の重めの告白でさんざん付け回した横内正がスタコラ退散するのもマル。
吉田喜重の作品で、もしかしたら一番好きかもしれない映画。

アラン・レネの影響がめちゃくちゃあるだろうことが容易に想像できる格調高い映像が抜群に素晴らしく、尺がそんなに長くないこともあってその美しさを堪能しているだけであっという間に終幕まで時間が過ぎてしまった。(それこそかの傑作「去年マリエンバートで」が如く!)

後年マルグリット・デュラスが作るようなシーンも多数見られるけど、改めて考えてもそんなヨーロッパ的な美の境地に日本人が到達していたっていうのは驚異的。
T

Tの感想・評価

-
「幸せってそれはなんですか」
音楽が美しいのでなんかよくわからなくてもずっと見てられる。
「私には探すものが何もない。すべて思い出すだけ」
岡田茉莉子と横内正がヨーロッパをごちゃごちゃ喋りながら徘徊する映画。堅苦しい松竹の旅行シリーズみたいな感じ。
吉田喜重なので構図やショットはカッコいいが、話はそんな面白くない。
あと、日本航空の全面タイアップのおかげで当時のヨーロッパの様子がたくさん観れる。衣装もおしゃれだから意外と飽きずに観れた。
ヨシミ

ヨシミの感想・評価

3.7
観念的だけど、カットの構図とセリフがカッコ良かった。映画としては眠くなりそうでカタルシスは無し。
Panierz

Panierzの感想・評価

3.5
時間の流れを刻印するヨーロッパの都市の景観。その中で貿易商として働く岡田茉莉子が、戦後の断層を意識しながら幸せとは何なのか問いかける。喋ってることがなんか全体的にボードリヤールっぽいがカテドラルという記号が愛に変換されていく終盤は美しいフレームワークと相俟って割とロマンチックになる。岡田茉莉子と行く観念的なヨーロッパ観光映画。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

3.0
‪「さらば夏の光」‬
‪冒頭、一九六八年の初夏。暗闇に光る粒、ポルトガル、リスボン。男の一人称、ヨーロッパの街並み。地図の絵が描れた大理石、家具や工芸品を買い漁る女、2人の出会い…本作は吉田喜重の初となるATG配給の作品で三作目のカラー映画だ。物語はリスボンの広場を歩く横内正演じる川村が長崎で見た一枚の写生図を求め各地へ。そこで出会った岡田茉莉子演じる工芸品のバイヤー鳥羽直子が彼を寺院へ案内する。そして物語はスペイン、スウェーデン、フランスと移動する。いや〜まず日本風土には無いロケーションが返って新鮮で、モンサンミッシェルと暮色の描写の神秘さは凄く、圧巻だ。スライドするカメラ、只管、男女の会話を延々と描く正に吉田映画の新たな特徴だ。光と影が幻影のヨーロッパを写し、抵抗の感ぜられない空虚な場所を見事に新たな論理でぶつけた虚空界な作品だ。トラヤヌス神殿の廃虚に佇む二人の姿やロアール河畔の離宮、トラムが走る坂道、路地、街を見下ろす砦、教会、古代の水道、運河付近のカフェ、噴水、街角、エッフェル塔、遺跡、中庭など様々な場所を転々とするオールロケが見所だろう。砂浜を歩く黄緑色のジャケットを羽織った岡田茉莉子の美しさがヨーロッパの街並みにも溶込み、頭から被ったスカーフも風に靡き、カットが代わり彼女の衣装が桃色に変わったり、小物、振舞いが聡明で気品的。歴史ある建物、固定ショット、波音、夕日の海、鐘の音、荒涼とした地、西班牙での闘牛観戦、パリの街を彷徨い歩き、ブロンドの外人、聳え立つ城、それをバックに抱擁、風音の強調、愛し合い、ロングショットの風景、それと逆光に撮られたモン・サン=ミシェルの画はインパクトがあり、流石は世界遺産だ。にしても前作の樹氷のよろめきで初のロードムービーを手掛けた吉田が続く本作でも旅を題材に撮ってる。どんな巡り合わせか、確かこの時代は日航がヨーロッパ全土に路線を拡大した記念に複数の外国で旅映画を提案されたと記憶しているが、二千万映画とされるATGじゃ外国ロケはかなり制限されるだろう…事実、六人のスタッフと主演の岡田茉莉子と横内正と総勢八人と極めて少ない。音楽は一柳だが、あの前衛的な音楽デザインはほぼ無くて当時見た際、驚いた。それに何処かしらドキュタッチだったのが不思議で敢えてそうしたのかと思ったら撮影が奥村祐治との事で納得はした。物語も中々変わっていてリスボンから始まり、長崎で見た一枚の写生図のカテドラルを尋ねる男のモノローグ、対して二人称と一人称で応える形式だ。愛を見せながら記憶を巡るストーリーには惹かれたが退屈…だが一時間半程度しかない為、見易い。‬ ‪三十代半ばの岡田茉莉子の熟された容姿も可愛らしく綺麗な映画だ…。‬
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