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隠された記憶
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『隠された記憶』に投稿された感想・評価

4.2
 閑静な高級住宅街の一角に構えた一軒の邸宅。人気キャスターであるジョルジュ(ダニエル・オートゥイユ)と、作家で彼の妻アン(ジュリエット・ビノシュ)、一人息子のピエロ(レスター・マクドンスキ)は何不自由ない優雅な生活を送っていた。そんなある日、ジョルジュの元に送り主不明のビデオテープが届く。テープに映し出されたのは、ジョルジュの家の風景と家族の通勤・通学の様子で、やがてビデオテープの内容は回を追うごとに徐々にプライベートな領域へとエスカレートしてゆく。冒頭、3分強の固定カメラで撮影された映像が不穏な空気を醸し出す。外に出てどこから撮った映像なのか確認してみると、家の前の通りで撮影されたものであることがわかる。いったい誰が?何のために?姿の見えない送り主の姿に怯える日々が始まる。ヒッチコックのようなミスリードを強いる今作において、犯人は21世紀においてもはや珍しくなったVHSテープというメディアを通し、核家族に物言わぬ警告を発し続ける。最初は自宅にのみ発送されていたビデオテープがやがて主人公の勤めるTV局にも届き、不気味な血のついた何者かが書かれた絵ハガキは一人息子の通う学校にも届く。悪戯は徐々にエスカレートし始め、やがて主人公は子供時代のある苦い思い出に辿り着く。

 だが中盤、ジョルジュが犯人に当たりをつけた時点で、サスペンスとしての魅力は薄まる。我々人間は常に、誰かにしてあげたことはすっかり忘れているが、誰かにされたことはいつまでも覚えている。主人公のジョルジュは嫉妬に駆られ、マジッドを孤児院に追いやったことはすっかり忘れているが、マジッドはその幼少期の苦い思い出をずっと引きずっている。ここでもハネケ作品の共通の特徴である「人種差別」の問題が頭をもたげる。裕福な家に生まれ、それなりの教育を受け地位と名誉を得た主人公の生活に比べ、アルジェリアに生まれ、民族解放戦線のデモで両親を失ったマジッドは未だに団地の狭い部屋に押し込められている。先進国に生まれた人間は常に無意識下で誰かを差別しており、その見えない恐怖に怯えている。一人息子のピエロが母親の浮気を疑い、友達の家に泊まる展開は脚本上の辻褄合わせだろうが、ここに来て人間の憎悪は制御出来ないところにまで来ており、引くに引けない主人公の憎悪に対して、マジッドはあっと驚く結末を用意する。ここではハネケ作品の中で初めて死の場面がワンショットで観客に公開されるが、それはむしろ残酷さではなく、事態のショッキングさを強調する。ロング・ショットの位置取りも含め、釈然としないラスト。いったい誰がビデオを送り付けていたのかの謎は残る。
Funazo
2.0
フランス映画ならではの空気感といい、期待とは程遠いレベルで盛り上がりに欠けるサスペンスだった。衝撃のラストカットという煽りもあったけど自分には全くハマらなかった。はっきりとしたストーリーを好む人には向かない。
4.3
さて、賛否大きく割れるこの作品。
ある日タレントとして成功しているジョルジュの家に不審なビデオテープが届く。作家で成功している妻と確認すると、ただ家をずっと撮っているのみ。2時間も。数日後またもビデオテープが届く、今度は子供が描いたようなイラストと共に。何の意図で、誰が犯人なのか?って感じ。
私は大好きです。ヨーロッパの作品らしく淡々と進んでいき、深く考えさせられる内容となってます。
まず、犯人探しは難しいですね。観る人によって全然解釈が変わってきますので。
私の解釈は、ジョルジュの会社での、マジットの息子のセリフ「本当の疚しさを見た」ってのが答え。
つまり犯人探しの映画ではない。一見成功している家族の、揺れ動く心情、関係性、家族、過去、そして裏側を除き観る映画ですね。
ミステリー的考えとするならば、近い人物なら誰が犯人でも成り立ちますよね。
それでも、犯人は?と、私に問われれば、まぁあくまでも私の解釈ですが…
意外にヒントも多いし、いなくなってみたり、イレギュラー的に死んでるのに冷静だったり、例えば送られてくるビデオとセットの絵のタッチとか、消去法とビデオアングルで犯人はあえて言うなら、ラストのプール前での長回しのシーン気づくかな?、です。
まぁ多くは語るまい(笑)の私が「こりゃ解釈割れるわ〜、俺は面白かったゼ。少しでも多くの人にご理解頂いたい」ので、たまには語るの巻(笑)でした。

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