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『アリラン』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 キム・ギドクは2004年の『サマリア』、2005年の『うつせみ』で世界のトップに躍り出てからは、2000年代後半の作品はややスランプに陥っていたように思う。2008年の『悲夢』のクライマックスで、危うく主演女優のイ・ナヨンを事故死させそうになったことで彼は映画監督を休止し、人里離れた山奥に3年もの間籠もった。雪の積もる田舎の村で木造の掘っ立て小屋を建て、その中にテントを設営し、寝泊まりした。映画はキム・ギドクの影が監督自身にインタビューする形式を取っている。ここでの監督はカメラの前で役者として振る舞う。役者を恫喝する言葉を吐いたり、脚本や原案をプレゼントした助監督の裏切りへの恨み節を語ったかと思えば、突然カメラの前で泣き出したり、しまいには朝鮮民謡の『アリラン』を声高らかに歌う。特に『春夏秋冬そして春』で50代になった主人公を演じた彼自身が、石を背負いながら山を登る場面をDVDで観て、ひたすら号泣する場面が印象的だ。

 2020年12月11日、キム・ギドク死すの報道は日本で暮らす私にも11日の夜に届いた。最初は俄かに信じられなかったが、どうやら事実らしいと聞いて絶句した。監督は工場勤務のあと厳しい訓練で知られる韓国海兵隊で5年間勤務し、突然絵の勉強のためにフランスに渡った。30歳の時である。初期の作品には多くの絵描きが登場するが、結局彼の絵画の才能は開花しなかった。韓国に帰国してから脚本を勉強し、36歳の時監督デビューを果たす。いわゆるシネフィルではない彼の出自と軍隊出身のルックスには強い生命力があり、COVID-19にやられたとはどうしても考えにくかった。彼の映画には死をも恐れない登場人物たちが幾度も出て来た。それが生身の人間ではなく、ウィルスにやられるとは何たる皮肉だろうか?ラトビアで彼は既に住居を購入し、韓国から永遠に移住する計画を立てていたという。キム・ギドク監督のご冥福を改めて心よりお祈り申し上げます。
Lily

Lilyの感想・評価

4.8
現代版ルソーの「告白」に出会えた衝撃!こんなに自分を面白く語る本物の変人をみた喜びに久しぶりに興奮してる。キム・ギドクワールドにしばらく酔い潰れたい。これは何回観てもいい。小屋も料理もボサボサ頭も1人3役も銃も最高の芸術だ。撮れない空白の3年間はこれを撮る為だったというだけ。岩波文庫の「アリランの歌」もお勧め。革命家と同じ血が流れている。
一

一の感想・評価

3.6
キム・ギドク監督によるセルフドキュメンタリー

今観ると内容とは別にいろいろな思いが胸にこみ上げてくるけど、この映画の翌年に『嘆きのピエタ』で金獅子賞受賞という非常に感慨深い側面もあるドキュメンタリー作品

ほぼ1年に1本のペースで新作を撮り続けていた韓国の鬼才キム・ギドクが、2008年以来映画界から遠ざかり、山中の一軒家で隠遁生活を送っていた自らの姿を捉える

カンヌ、ベルリン、ベネチアの世界3大映画祭でそれぞれ受賞という快挙を成し遂げているにもかかわらず、国内での低い評価とのギャップや、仲間から受けた裏切りについてなど、内に秘めていた心情を吐き出していく姿が映し出される

「自らに疑問を投げかける自分」
「それに答える自分」
「それらを客観的に分析する自分」
と、3人の自分を演じながら心の内をさらけ出し、ぐちぐちとうちに秘めた想いを吐露するかと思えば歌ったり笑ったり
かと思えば怒ったり泣いたりと起伏が激しいので、キム・ギドクを知らない人からすると、ただの酔っぱらいにしか見えないかもしれない

一応映画的な要素が後半にはあるんですが、正直ドキュメンタリーとしての面白味はそれほどなく、あくまでギドク作品が大好きな人向けのドキュメンタリー
しかし、山小屋での隠居生活やチャン・フン監督との関係性、自分の映画を観ながら涙を流したり、何でも手作りしてしまう器用さなどとと、ギドクの知られざる一面を沢山観られただけで大満足
監督のファンであれば間違いなく必修レベルの1本です

〈 Rotten Tomatoes 🍅※33% 🍿52% 〉
〈 IMDb 6.9 / Metascore - / Letterboxd 3.3 〉

2020 自宅鑑賞 No.582 GEO

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