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モレク神
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『モレク神』に投稿された感想・評価

3.5
独裁者たちのときまで変わらず、威光を感じない権力者と無時間性の映画。朝か夜かも分からない霞んだ空間で女がオリンピアみたく機械運動してるショットは冥界のよう。

ソクーロフ映画においては傍観者というか光景を俯瞰から眺める者の視点が度々登場する。覗き見たりするのも然り、独裁者たちのときでは扉の向こうから何か気持ち悪い巨人みたいなのが見ていたが、統治者を監視する「目」は悉く冷たい。
あと俳優の喋り方は三部作全てに言えることだがめちゃくちゃ完成度高い。特にヒトラーなんかジョジョ・ラビットの2兆倍ヒトラー。
菩薩
4.0
黄昏の1942年、ベルヒルデ・ガーデン、「クソつまらない」ただの人間のアドルフ・ヒトラーが「クソつまらない」側近たち、そしてなぜかそんな「クソつまらない」人間を愛して愛してやまない、やめられない愛人エヴァ・ブラウンと過ごす一昼夜の出来事を描いた「クソつまらない」映画。何も起きない、何も聴こえない、何も聴かせてくれない…じゃなくて、結構本気で何やってるか分からないくらい画面が暗かったりするお馴染みのソクーロフの不親切(嫌いじゃない、むしろ好き)、けど結局は何も起きてはないから大丈夫(野糞はする)。布団を被って「働きたくない!」と駄々をこねてみたり、クソつまらないギャグなのかなんなのか言ってスベってみたり、と思ったら突然ヒステリックに叫び倒してみたり、優生学やら女性蔑視ぶちかましてみたり、そんな「クソつまらない」ヒトラーをただひたすら「はいはい、そうですね。」と済ます側近たち。ただ一人エヴァだけは、そんなヒトラーに銃を突きつけてみたり、ケツを蹴っ飛ばしてみたりする訳だけど、結局1番つまらない日々を送っているのは彼女なのかもしれない、クソつまらない人間を愛してしまったが故に。権力の脆さと人間の脆さ、そして愛の脆さをただ淡々と、神でも無く闘士でも指導者ですらない、半分人間アドルフ・ヒトラーの姿、「アウシュビッツ」すら知らない総統は今日もクソジジイでした。
「独裁者たちのとき」のまったり感はここでもみられる。私の好きなソクーロフの幻想的な映像美を堪能できたけど、ちょっと眠くなった。霧深い山の頂きに浮かぶように佇む別荘は、まるで地に足がついていない印象を際立たせる。恋人エヴァやごますりゲッペルスたちと過ごすひとときは、さながらヒトラーの白日夢のよう。「あそこが痛いそこが調子悪い、癌で死ぬ、君は若いからわからないんだ」 とふくれっ面を見せられるのはエヴァただ一人なのに、自分のそんな一面をエヴァとの関係ごと封印したいからこそ、結婚を迫られてもできなかったのかもしれない。霧の中から現実に帰るときには鉄仮面独裁者に戻る、と決めているように見える。自分は死も克服できるというヒトラーの傲慢をバッサリ否定するエヴァのほうが現実を生きていると思わせるラストが秀逸。


モレク神とは、ユダヤ教では偶像崇拝と人身御供(ここでは生け贄として幼児を捧げること)の象徴で、キリスト教では悪魔とされているらしい。ドイツが勝利していたら、人間には優しくない神が爆誕していたでしょう。

ヒトラーが恋人からお尻に蹴りをお見舞いされるシーンがみられるヒトラープライベートムービーだけど、時折キラリと光る瞳の奥からは独裁者が常にこちらを覗いていた。

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