死んでも生きても地獄。

生きたいと思うことに後ろめたさを感じるのも、生きたいと願っても生きられないのも、そういう環境を人間が作れてしまうのも、全てが恐怖。

表情を捉えるシーンがすごい繊細で素晴らしかった。人間の顔って一番情報量多い。

次はcome and seeですね

1942年冬。雪深い山に逃げ込んだパルチザンがドイツ軍に捕まり…。
現実主義者と理想主義者の二人のパルチザンと、ドイツの協力者となった元教師の審問官。(フライヤーより)
“炎628”のクリモフ監督の奥さんの作品！炎628もフォロワーさんに激しく勧められて、観たくて仕方ないけど、こっちが先になった。
いやもう、凄いしか言葉がない。
顔、顔、顔の圧が強い。人間の弱さをこれでもかってくらい炙り出してくるし、さらけ出してくる。
丸裸にされた気分だ。
あの彼は生きたい！て気持ちよりも、死にたくない！て気持ちだったのかなぁ。
この気持ちは似て非なる気がする。

• #ソヴィエト映画の世界

【第27回ベルリン映画祭　金熊賞】
ソ連のラリーサ・シェピチコ監督作品。ベルリン映画祭金熊賞を受賞した他、2022年に英国映画協会が発表した「史上最高の映画ベスト100」にも選出された。

BDにて鑑賞したのだが、非常に美しかった。白黒映画の美しさがぎゅっと詰まったような作品になっている。

ナチス・ドイツに捕まったパルチザンを残酷に描いているのだが、語り口が美しい。一つ一つのカットが芸術といっても過言ではない。

ナチス・ドイツによって追い詰められていく様は胃がキリキリと痛むようだ。特に軍服を着ていないあの男とのシーンは緊張感がすごい。落ち着いてるが故の狂気というか残酷さというか…まさに「冷徹」という言葉が似合う。

この映画はできるだけ美しく観られる環境で観るべき。久しぶりにBDを買って良かったと思える映像美だった。内容的にも映像的にも、もっと広く見られるべき隠れた名作。

• #第27回ベルリン国際映画祭