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サタンの書の数ページ
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『サタンの書の数ページ』に投稿された感想・評価

TS
3.5
【人間になりすますサタン】75点
ーーーーーーーーーーーーーーーー
監督:カール・テオドア・ドライヤー
製作国:デンマーク
ジャンル:歴史
収録時間:157分
ーーーーーーーーーーーーーーーー
カール・テオドア・ドライヤーの大作。どうしても気になり5000円ほどで購入。このあたりの作品は、版権が切れてるにも関わらず容易に見ることができないので歯がゆい。ムルナウ も然り、このあたりの作品がさらに見やすくなれば嬉しいのですが。。さて、今作は4部構成でして、イエスがいたイェルサレム、16世紀のスペインでの異端尋問、フランス革命、20世紀初頭のフィンランドで構成されています。各35分程度なのですが、現代編のフィンランドは異様な数のカット数であり、どうやらドライヤーはこの現代編に最も力を入れていたのではと思わされてしまいます。

サタンとは言わずもがな堕天使のことであり、さまざまな手段を用いて人間を誘惑していくという存在であります。今作においても人間になりすましたサタンが人間を陥れていくのですから面白い。個人的に面白かったのがフランス革命のパート。あらゆる人がギロチン送りになる中、富裕層の人たちはこの事態をどう捉えたのか。優れたモンタージュ技法によりそれがひしひしと伝わってきます。また、あまりにもギロチン斬首が社会現象になっていたため、子どもたちですら「ギロチンごっこ」をしていたということには驚きでした。

ドライヤーはグリフィスの『イントレランス』を鑑賞して強い影響を受けたと言われています。確かに『イントレランス』も今作のように4部構成でして、同作は映画史に残る傑作なのですが、ドライヤーはこのようなパート構成にサタンを登場させ、サタンに操られていた人間が、現代編でついに打ち勝つというプロットをつくりあげるのです。サタンの誘惑に人間が打ち勝つというのはどういうことを示すのか。個人的な見解ですが、当時の情勢も考えて、絶対的な存在に一民衆が打ち勝つというのを表現しているのかと思えます。人間が初めて悪しき存在に打ち勝つ。そして人間は成長し続けるということを示しているのかもしれません。

簡単には鑑賞できないかもしれませんが、見ても良い作品かも。個人的にはもう少しインパクトが欲しかったところであり、無難にこのスコアです。ドライヤーの作品はまだ多く鑑賞できていないので、どんどん見ていきたいですね。
カール・Th・ドライヤー。
神、サタン、女性。

ドライヤーの長編第二作。
グリフィスの名作、『イントレランス』にも似た、四つの時代の独立したエピソードで構成される作品である。
『イントレランス』を特徴付ける時代を超えたクロスカッティングは見られず、各エピソードが独立している点、また時代も風俗も厳格なドライヤーらしく順に並んでいる点から、非常に見易く理解の為易い劇映画である。

本作をドライヤー作品の中でも特異な位置へと押し上げている特徴の一つに、“サタンの役割”があろう。
通常サタンと言えば、絶対悪、若しくは神に抗する者として画かれるが、本作に於いて彼は神と対等の立場には無く、永遠の従者であり、下僕である。
作中彼が人間を誘惑し、また桎梏を課すのも神の呪いが故であり、其れに負ける人々を哀しみの籠った眼差しで眺め、時には面罵する者として画かれている。
この為、劇全体に底流する「人間の弱さ」への諦観に加え、「人間の哀しさ」、他のドライヤー作品に類を見ない「温もり」が付与されている様に思われた。

特徴の第二に、女性の描き方がある。
本作での女性の立ち位置は、終始徹底して「庇護される者」であり、サタンの誘惑に負けた者の「被害者」である。
但し第三話・第四話に見られる様に、サタンの誘惑にも負けず抗し切り、誘惑に乗った者を叱責するのも女性であり、単純な「弱き者」としては描かれていない。
此処からは監督自身のフェミニズムと母性への憧憬が見て取れ、個人的には「ドライヤー君、まだまだ若いな…」と思わせられた点である。

第三の特徴は、正義の描き方の“揺らぎ”である。
本作では各話で主人公が社会正義の名の元、抑圧を受け、サタンより選択を提示される。
経緯の程度差はあれ第一話から三話迄は、己の欲望を具現化させようとした者が凋落する自業自得の物語であるが、第四話のみが趣を異にする。
此処では、「愛国心」と、「家族愛」若しくは「自己愛」が秤に載せられる。
ギロチンの初期名が「Bois de Justice(正義の柱)」であった様に、或る人の「正義」は他人にとっての「抑圧」に他ならない。
第四話では、この「愛国心」が正解であった様に画かれており、少々イデオロギーが臭く感じられた。
ブックレットを読むに、この第四話のみが原作とは別に書かれた(当時の)現代劇と知り、初めて納得した次第である。

本作は三時間を超える作品ながら、緩急も有り、またコミカルなシーンも有りで、飽きさせない。
秋の夜長に嗜みたい古典劇である。
菩薩
4.9
イエスを売るユダ、若き色香から逃れようともがく僧侶、元は忠実なる召使いでありながら保身に走るジャコバン派党員、その妻を奪おうと友人を密告する男。様々に姿を変え、それぞれの時代、それぞれの方法で、そんなか弱き人間たちにそっと忍び寄る悪魔の影。神に歯向い人間を貶める宿命を課されたサタンの嘆き、サタンの誘惑に負け堕ちていく者、その裏切りにより破滅していく者たちの姿、人間の弱さと狡猾さ、裏切りと悪意の蔓延を描いた四編からなる作品。この国からトリアーみたいな監督が生まれた事がなんだか必然だった様な気すらさせる作品。減点は絶世の美女であるはずのマリー・アントワネットが女装したザキヤマにしか見えないため。まぁでも、キルスティン・ダンストもなかなか…。

正直一番可哀想なのはサタンだったりする。彼がその呪縛から解かれるには彼の誘惑を退ける人を見つけるしかないが、それに失敗すればより一層サタンへの恨みは増していくという無慈悲なシステム。神はやっぱり鬼畜だ。第2章に出てくる異端審問の拷問室がゾクっとする、久しぶりに明大の拷問博物館に行きたくなった。

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