
中世からの石造りの聖堂、回廊─ 。冬から春へ、ゆるやかにめぐる季節、くり かえされる祈りと務め、修道士たちの澄んだまなざし、空のうつろう青の色、雲、 ふりしきる雪、火、窓辺の明かり─ この世の喧騒からとおく離れ、まったく異なる 時間が流れてゆく。中世から朗唱されてきた聖歌のように。質朴な家具にさしこ む日の光、訪れる人と去りゆく人、生と死、闇と影、ろうそくの灯、星々、月、太陽、 風にゆれる木々、氷、水滴、水紋、清冽な川の流れ、かたい土を耕し、芽吹く 緑、はじけるように咲くクロッカス、日のぬくもり、労働と休息、聖なる言葉、鐘の音、 はるかなる山々─ 。この作品は修道院を撮影したというよりむしろ、映像が修 道院そのものとなったと言える。 今日の社会のように、かたちや結果に価値をおくのではなく、内なる精神に意味 を求める日々、この沈黙にみちた、深い瞑想のような映画には、進歩、発展、テクノ ロジーのもとで、道を見失った現代社会に対する痛烈な批判と、今日の物質文 明を原点から見直そうとする思いが根底にある。森羅万象、瞬間がこの上なく尊 く、観る者はこの2時間49分をとおして、かけがえのない経験をすることだろう。
ベトナム戦争に和平をもたらたそうと尽力したことで、亡命を余儀なくされた禅師、ティク・ナット・ハン。亡命先のフランスで世界的なマインドフルネス実践センター「プラムヴィレッジ」を立ち上げた。こ…
>>続きを読むナレーションと音楽を排して食糧の生産現場を見せつけた「いのちの食べかた」や、夜に活動する人々を描いた「眠れぬ夜の仕事図鑑」などを手がけてきたドキュメンタリー作家のニコラス・ゲイハルター監督…
>>続きを読む第二次世界大戦時、ヒトラーへの忠誠を拒絶し、ナチスに加担するより自らの信念に殉じた一人の農夫がオーストリアに実在した。 彼の名はフランツ(アウグスト・ディール)、山と谷に囲まれた美しい村で…
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>>続きを読むさまざまな生き辛さを抱えた人々が、孤独を感じることなく地域で暮らしていける方法を長年模索してきた精神科医・山本昌知が、82歳にして引退。彼を慕う患者たちは戸惑いを隠せない。引退した山本は、…
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