黒い眼のオペラの作品情報・感想・評価

「黒い眼のオペラ」に投稿された感想・評価

ツァイ・ミンリャン監督作品。
マレーシアのクアラルンプール。シャオカンは賭博が原因で暴行を受けて道に倒れ、労働者ラワンの看護を受けるが・・・という話。

シャオカンの台詞量がゼロ。舞台がクアラルンプールなのでインド系の人が多く、流れてくる音楽もインド映画だったりして、いつものツァイ・ミンリャン作品とは少し違う印象。ただ、暗くて青い画面、台詞少な目の長回しはいつも通り。

シャオカンがロン毛。屋台の火花がいい。硬直状態のシャオカンの顔が怖い。
LaserCats

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3.7
4連休の締めに持ってくるのは選択ミスだったかもしれないが、ツァイ・ミンリャンの1本目に選ばなかったのは正しかったかもしれない。
個人的に、最初の3作はリー・カンションが美青年であることで観やすかったので…
道端で倒れている見知らぬ怪我人(まだ動ける方のリー・カンション)を拾ってきて面倒みてあげる男の気持ちがそもそも理解できないんだけど、世話してて幸せそうな様子からは「ブエノスアイレス」を思い出しました。
一方、全然動けない方のリー・カンションを看てる女性たちからは優しさや愛情が前者よりも伝わってこなかったような。
共感できるところがなく、心に響くものがなかったけど、あの優しい男はあれでいいのか、もっといい人を見つけて幸せになってほしいものだとは思いました。
a

aの感想・評価

4.8
安心安定の長回しとツァイ・ミンリャンブルー。全カットとにかく画が決まりまくっていて息を呑んだり溜息もれたりとこちらはそれなりに忙しい。どの作品もそうだけど建築物やロケーションへの愛が凄まじいな。
mtmtmt

mtmtmtの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

寝たきりのリーカンションに布?シーツで隠すシーン、わたしも小学生の時友達が家に遊びに来たとき居間に飾ってあるお父さんの遺影を見られるのが嫌というか、お父さんが死んでる、いない=かわいそうだと思われるのが嫌だし恥ずかしいと思ってしまって、写真をパタリと伏せてしまった記憶を思い出した。そのことをお母さんに寝る前に懺悔したら、泣きながら抱きしめられながらお父さんだったら許してくれるよ、と言ってくれた。シチュエーションも背景も全く違うけど、記憶と映画のワンシーンがリンクしたような気がした。
無

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3.3
ボコられ行き倒れになった外国人を拾って介抱する男と外国人に抱かれる女。
植物人間で寝たきりになってる複数の女の手によって生かされる男を交互に映し出す映画というよりは監督が自身の性癖とフェチズムをガンガンにアピールしてくるビデオ。

印象的なジャケ写と謎の邦題に惹かれて観てみたらとんでもない映画だった。
セリフはほとんどなく、字幕の文字は大体ラジオから流れてくるニュースや音楽の歌詞でストーリーはふんわりした物だけど描写があまりにもゲイゲイしくてびっくり!
蚊帳の下に収まる小さな布団に半裸で言葉もなく見つめあう男と男。
用を足すにも外国人のズボンを下ろしてあげたり、身体を拭う時の仕草も明らかに見知らぬ外国人相手にするレベルじゃなく丁寧で愛のある優しい拭き方。
終盤、彼が泣きながら外国人を見つめる表情が素晴らしい!
一方異性愛者?の外国人は女としか抱き合わないがその行為があまりにも荒々しく獣のような早送りのような雑さで監督が前者と後者のどちらと触れ合う場面を重要視してるかは最早言うまでもなく、汗ばむような湿度の高さが伝わる映像と相まって一層官能的。
「無無眠」でも同じような場面があったが男の裸や寝そべってたり、身体を洗ったり肌に直接触れるシーンが好きなんだなあ…というのが分かる。
カメラを通して男と女の映し出し方とテンションがこれほど違う人ってなかなか見ないし、ゲイだと公言する監督の中でもここまで作品内で男への愛を隠さないどころか潔いほど欲望のままに織り込んでくる人は他には一人もいないだろうと思う。
滲み出てるというよりは溢れ出るような描写力。
淀川長治が水野晴郎が存命だったらこの映画に関する見解を是非聞いてみたいw
巨大で薄暗い廃墟の水溜りで釣りをする非日常的で幻想的な風景は美しく、水浸しの階段も良かった。

Trailer
https://www.youtube.com/watch?time_continue=27&v=Azu197bM2Zk&feature=emb_logo
セリフがほぼ無くて、異様なまでの長回し。

正直言って退屈な映画で、気を抜くと寝てしまいそうになるのだが、カメラワークは天才的。知らないうちに映画の世界観に没入してしまう。

最後まで見終わってもピンとくるようなこないような、でも、またあの世界の住人と触れ合いたいような、そんな余韻を残してくれる。
zhenli13

zhenli13の感想・評価

4.0
原題「黒眼圏」は、殴られたときの眼の痣の意味で、舞台であるクアラルンプールの政治事情を揶揄したものらしい。
舞台が台湾ではないためか、寄り集まる人々に身の置き所の無い異邦人感が漂う。暗く軽く、そこはかとなく頓狂な可笑しみと、いたみと温かさが静かに満ちている。

ラストの、反則と云いたいくらいの美しさ。

※かなり好きなのに多分2回くらいしか観てない。記録によると
smmt705

smmt705の感想・評価

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言葉はほとんどないけれど、誰かが好きだったり、側にいたかったり、困惑したりする気持ちが痛いほど伝わる。あの夢みたいな工事現場にある水。ツァイさんの映画に出てくる水が好き。マットレスが街で運ばれている様子も、あり得なさそうであり得るから、その境界のなさも好きだなぁ。
無気力や孤独の映し方がスゴイ

鏡越しの後ろ姿
廃墟での蝶と釣り
女性の影と足音
マットレスで寄り添う3人
印象的なシーンが多かったです

難解で漂うような表現ですが
芸術的な作品でした♪
あぺ

あぺの感想・評価

4.8
初めてツァイミンリャン作品を理解できたような気が、、

植物人間の男(リーカーション)の黒い眼は無心で明後日の方向を向いていて死んだように見えるが、その黒い眼にはボコボコにされた主人公(リーカーション)、その恋人(男)、恋人(女)が繰り広げるオペラが見えているのではないだろうか

植物人間の人達は何も見えていないわけではなくて壮大な別世界が見えているのかな
ロマンが溢れてる
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