侠骨一代の作品情報・感想・評価

「侠骨一代」に投稿された感想・評価

亡き母親に似る女郎、お藤(藤純子だからまんまじゃないか)との出会いが除隊して土建屋に入った健さんを更に前向きにする。しかし折角もらった大仕事を快く思わぬ天津敏と名和宏率いる敵の組が邪魔をする、最後にとった健さんの行動は如何に…

と言う容易に想像がつく内容だが、マキノ雅弘作品の中でも屈指の出来と思える。ヤクザ役ではない健さんが全うに働こうとする様は日本任侠伝シリーズと似ているが、それ以上に藤純子とのやり取りが素晴らしい。藤純子も演技以上に儚く、美しい女郎役を演じこなしているし、母親の影を追う健さんも演技とは思えない様子だ。
乞食役で遠藤辰雄と山本麟一が出ており、この辺りのコミカルさも序盤の楽しみ。
TAR2AN

TAR2ANの感想・評価

3.4
マザコン少年兵の伊吹龍馬は兵役中に母の死を知り途方に暮れる。
生きる意味を失い死のうとするも通りすがりの親方に咎められ、何とか生き方を模索していく。
一度は乞食にも身を落としたが逆に乞食仲間に元気付けられ、先の親方の下で働く事になる。
ちなみにこの親方、別の映画でも似たような流れで高倉健を救っているがそれはまた別の話。→ごろつき無宿

そんな折、龍馬は死んだ母親に瓜二つの芸者に出会い、擬似親子の遊びに励んでしまう。結局それか。
芸者も芸者で龍馬の純朴な姿に母性本能をアてられ、遊びのつもりが本当に母親気分になってしまう。お前もか。

侠骨と書いてマザコンと読む。
そんなマザコンヤクザのセカンドライフ。


いやーでも健さんその顔で少年兵はねーよなぁ少年兵はよぉー。
roland

rolandの感想・評価

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この世は「こんにちは」と「さようなら」のみ。二階で藤純子が待っている。
藤純子が美しすぎる…。
牛乳瓶を飲む仕草の素晴らしさ。
マキノこそ女優を最も美しく撮れる演出家であり、マキノの前では成瀬も溝口も加藤も増村も霞む。
いつみ

いつみの感想・評価

3.8
健さん、マザコン役でもかっこいい♡笑

愛する人のために母にでもなってあげたい富士純子の心意気が切なすぎる。
本日2月16日で生誕85周年を迎えた高倉健さん。
フリーになってからの朴訥な健さんももちろんカッコいいんですが、やはり東映時代の男気溢れる彼には敵いません!

名匠マキノ雅弘がお送りするマザコン健ちゃんの堅気任侠道。
時は昭和2年。軍隊から浮浪者、そして土木人足と流れつき、やっと見つけた労働への誇りと歓び。

亡き母タカと瓜二つな女郎フジと出会い、より生きること・働くことへの活力を見出だしていきます。
二人の擬似母子プレイは必見!
この藤純子さんがとにかく艶かしくていじらしくて、もうドえらいことになってるんですわ。
ほどいた長い黒髪で横たわり、煙草を燻らすシーンなんて妖艶すぎて口半開き状態でした。
牛乳を飲む姿もコケティッシュで可愛い!
牛乳瓶三段活用お見事です。
本当のところ、本作の主役はこの藤純子なのかも知れません。

志村喬演じる親方の粋な役柄も素敵で、昭和の名優っぷりを遺憾なく発揮してくれます。

乞食のセリフ「生きるためには命懸けの恥ずかしさってことを知らなきゃ」
親方のセリフ「度胸ってのはな、思慮分別があってこそ立派なんだ」
和尚のセリフ「人間の力には限りがある、仏が恵みを垂れるのは懸命に働く人間にだけだ」
などなど、格言も数多く散りばめられた秀作です。
健さんのはっちゃきぶりは清々しいが、何と言っても富司純子さんが絶品!!

健さんの母親に生き写し。
だから健さんの為に時には母の様に接する。
しかし実は女として健さんには扱われたい…
その切ない色気溢れる表情にグッとくる。

最後は母親が我が子の為にするかの様な、自分の全てを犠牲にする選択をする。
牛乳を飲む様子から病気も進行しているのだろう。

まさに菩薩に昇華した富司純子の名演に男なら涙しろ。
2015.11.26@新文藝座
《高倉健一周忌 健さんFOREVER あなたを忘れない》
漢気と粋。マザコンな高倉健氏。
藤じゅんを生み出したのはマキノ氏なのか。ぶじじゅんの所作、立ち振る舞いの美しさたるや。ひぼたんばくと以上。