山のかなたにの作品情報・感想・評価

「山のかなたに」に投稿された感想・評価

イスラエルで暮らす家族が、どういう緊張感に身を置いているかよくわかる。建国から70年も経つと、その地で生を受けたものも出てくる。偏見を持たず、隣人であるパレスチナ人と接したいと願う、そんなイスラエル人の娘の気持ちも当然であろう。これから世代を経るうちにどう変わっていくのか。やはり宗教の対立が焦点になるのは間違いない。
Vega

Vegaの感想・評価

3.9
『迷子の警察音楽隊』のエラン・コリリン監督。本作も音楽が印象的。

イスラエルの普通の家族の物語になんだかすっごい皮肉が込められてるなーーーと。破綻かと思いきや結束って。

「私たちは悪人ではない」という台詞が忘れられない。

善人として生きていても過ちを犯す。
悪人ではないがそこにパレスチナ問題はある。多くの人は悪人ではないが世界中に諍いがある。
籠

籠の感想・評価

4.0
フィルメックスでの山映画の最後は原題に沿った退役後の人生とは自分とダブる。後ろめたい過ちや過去は大なり小なりこんな感じだから巧みに描かれていたと思う。石田長生の名曲 最後の本音 の通り悪い人間じゃなくて、ただ考えが甘いだけなのだ。おまじないを怠るとすべてはジ・エンド。教訓になる良作!もうすぐ始まるロマンポルノ・リブートにて描かれるべき社会性や怒りや秘めたエロスの世界がここにある。こういうのが出来ないなら溜池ゴロー、マドンナ、SODに任せて撤退した方がいい。
家族崩壊もの。
画面の奥の人物が歌うのをFIXショットで撮る最中に、その手前に人物が割り込んできて、カメラはその人物にフォーカスを切り替えるのが、まだまだ青い。

あと、切り返しの、内側と外側の使い分けがヘタ。
andorinha

andorinhaの感想・評価

5.0
どこにでもいる父、母、娘、息子の四人家族。でもそれぞれが人には言えない秘密を心に抱えていた…というストーリーの映画は、もしかしたらこの映画の他にもかつて存在したかもしれない。
しかしこの映画が他の映画と一線を画す理由のひとつは、舞台がイスラエルであるということだ。
イスラエルはご存知の通り、非常に複雑な歴史を持つ。そのため、イスラエルと言えばとても物騒で危険な国というイメージを持つ人も多いだろう。かつての私がそうだった。
しかし当たり前だが、そこには人々の生活がある。人々は友人や家族と大切な時間を過ごすし、普通に恋も(不倫も)するし、お腹を抱えて大笑いすることだってある。
この映画は少しずつイスラエルの問題を挟みながら、イスラエルに住む人々たちの日々の営みを、実に軽やかに、時にスリリングに、コミカルに話を展開させていく。そこにはTVや新聞で報道されるイスラエルの記事では分からない、イスラエルの素顔が垣間見える。監督の手腕はお見事という他ない。必見!
konomo

konomoの感想・評価

3.5
東京フィルメックスにて。

イスラエルの映画は何本か観たけれど、テーマも登場人物の生活レベルも身上も色々過ぎて、「普通」が読み切れない。まぁ、海外の人がウシジマくんと海よりもまだ深くと葛城事件観てもそう思うよな。そりゃそうだ。

…と言うわけで、これが普通なのかは良く分からないけど、とある家族の話。退役軍人で求職中の父親(自己啓発セミナー行ったり、ネズミ講始めようとしたり結構空回ってる)、高校の国語教師の美人妻、政治的デモに参加したり正しい人であろうと一生懸命な高校生の娘、つかみどころのない高校生の息子、という4人家族の物語。
それぞれがそれぞれの鬱屈から道を踏み外し、でも人生は続いていく。

…え?そのまま続けてっていいの?許されるの?…というのが、観ていて疑問だったり。

差別は良くないよなぁと仲良くしてみたアラブ系の人がテロリストだったり、避難訓練がガスマスク着用だったり、日本とは違うわーというところにへーと思ったり。

少し冷たい感じのする映像はとても美しかったし、台詞も美しかったけれど、なんとなく自分の問題に近づけることのできる何かに欠けていて、遠い国をまんま遠く感じた。
SUIKA

SUIKAの感想・評価

3.8
初めてのイスラエル映画。初めての有楽町マリオン。何かが正しくないはずなのに、正しいことが何なのか分からなくなる家族とその周りの物語な気がします。監督のQ&Aで話が出た、何でみんな笑っているの?幸せって何なの?ここから抜け出すことはできるの?と、ここじゃないどこかへ辿り着こうとするけれど、同時に抜け出せないのが分かっていそうな主人公のラストが印象的でした。
eyebw

eyebwの感想・評価

4.5
軍を退役した父、高校の文学教師の母、高校生の息子と娘からなるイスラエルの「普通」の家族。それぞれの欲望、弱さ、愛が少しずつ空回りするさまから、イスラエル社会の分断と緊張が見え隠れする。なまじっか平凡な良心を持ち合わせるがために「私たちは善良な人間なんだ」「だから起こったことは私たちのせいじゃない」と、自らの過ちの責任から目を背けてしまう彼らは、われわれの似姿でもある。傑作。
尋問勘違い二回ださい。いろいろボーダーラインにいるミリ・エシェットの揺らぎがよいので+。
1970salsa

1970salsaの感想・評価

3.5
東京フィルメックスにて。
ある意味似たもの家族の物語(それぞれがそれぞれの形で自爆)。
ラストは一見何となく収まるところに収まったように見えるけど実際はそれぞれの問題を抱えたままである。
避難訓練というと日本と違ってガスマスク着用なんだなー、そうだよねぇ、自然災害より【そっち】の方が確率高いよねぇ。
パパ、ママ、それぞれにクスッと笑えるシーン有り。