
1930年代、日本による植民地支配が40年近く経過した、日本統治期の台湾。古都・台南で、日本語で詩を創作し、新しい台湾文学を創りだそうとした、モダニズム詩人団体、「風車詩社」。植民地支配下で日本語教育を受け、日本留学をしたエリートたち。日本近代詩の先駆者であり世界的評価を得ているモダニスト西脇順三郎や瀧口修造をはじめとする、日本文学者たちから刺激を受け、日本文学を通してジャン・コクトーなどの西洋モダニズム文学に触れる中で、若きシュルレアリストたちの情熱が育まれていった。日本語で新しい台湾文学を生み出そうとした彼らは、戦後の二二八事件、白色テロなど、日本語が禁じられた中で迫害を受けていく。植民地支配、言論弾圧という大きな時代の渦の中に埋もれていった創作者たち。その情熱は現代を生きる私たちに、何を問いかけてくるのか。
1920年代、「乳白色の肌」で裸婦を描き、エコール・ド・パリの寵児となっていたフジタ。戦争を機に日本に戻り、数多くの「戦争協力画」を描いて日本美術界の重鎮に上りつめていく。5番目の妻である…
>>続きを読む1953 年、 自由を口にするものは政治犯としてすぐに捕まる時代。政治的弾圧が続く中、罪を課せられた者は思想改造および教育・更生のため緑島に収監されていた。連行された者たちは、名前ではなく…
>>続きを読む1940年代・京城(日本統治時代の韓国・ソウルの呼称)― 盗みなどで生計をたてていたお調子者のパンス(ユ・へジン)は、ある日、息子の授業料を払うためにジョンファン(ユン・ゲサン)のバッグを…
>>続きを読む日本統治下で日本語教育を受け、晩年を迎えた台湾の人々が、たくましくひたむきに生きてきた姿を捉える。敗戦により日本が去った後は、言論統制と弾圧の時代が長く続き、彼らの声は封殺された。今、彼ら…
>>続きを読むノーベル平和賞候補になり、朝日賞や埼玉県民栄誉賞などを受賞した水墨画で風景画家の丸木位里(1901‐1995)と人間画家の丸木俊(1912‐2000)夫妻は、「日本人側から見た記憶を残して…
>>続きを読むナレーションと音楽を排して食糧の生産現場を見せつけた「いのちの食べかた」や、夜に活動する人々を描いた「眠れぬ夜の仕事図鑑」などを手がけてきたドキュメンタリー作家のニコラス・ゲイハルター監督…
>>続きを読むなぜ、対馬丸は狙われ、そして見捨てられたのか―。 一夜で784人の子どもたちが命を落とした、戦時下史上最大の学童死亡事件「対馬丸事件」。当時、この悲劇は箝口令により徹底的に秘匿とされ、その…
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