きゅうげんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

現代ホラーの旗手、ジョーダン・ピール監督の最新作!
新世代のクリエイターとして「ぼくのかんがえたさいきょうの“接近遭遇”」を観せてくれるのか、と期待していたらそれ以上に映画愛あふれるものを目撃できまし
>>続きを読む

復讐するは我にあり(1979年製作の映画)

4.4

実際の連続殺人事件を素材とする背景や、映画化をめぐる製作トラブルなど、作品周辺のスキャンダラスさが目立つけど、内容のほうがもっともっともっと衝撃的な映画。

隠れキリシタンとしての漁村暮らしでも、別府
>>続きを読む

天国と地獄(1963年製作の映画)

4.6

監督による民家破壊などエピソードが先行しがちなイメージですが、作品そのものもサスペンスフルでスリリングな大傑作エンタメ。

事件発生〜電話交渉に関わるドラマを描く権藤邸での密室劇の前半戦と、こだま号で
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

シュール&ナンセンス×カンフー+“家族愛”!
心の底から笑って泣ける大大大大大傑作です。
今年ベスト級どころか人生ベスト級かも!

「別宇宙の自分の能力を体得できる」というシステムゆえ、何かを成し得た
>>続きを読む

ドラキュラ(1992年製作の映画)

4.2

フランシス・フォード・コッポラ監督が「ダーク・エロティック・ナイトメア」をテーマに再構築した『吸血鬼ドラキュラ』。

キアヌ&ウィノナのハーカー夫妻
 &
アンソニー・ホプキンスのヘルシング教授
 v
>>続きを読む

ノスフェラトゥ(1978年製作の映画)

4.0

みんなだいすきヘルツォーク&キンスキー組が主演にブルーノ・ガンツを迎え、バンパイア映画の金字塔『吸血鬼ノスフェラトゥ』をリメイク。

表現主義時代の傑作である旧作の画的なクールさを受け継ぎつつ、70年
>>続きを読む

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年製作の映画)

3.8

海フランケンシュタインズ・モンスター!
 vs
山フランケンシュタインズ・モンスター!

なんでも『進撃の巨人』のインスパイア元らしいですね。
確かに巨人vs人間のシビアな作戦や、巨人vs巨人の泥臭い
>>続きを読む

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)(1965年製作の映画)

3.7

ネトフリ配信がタコ版だったとは。
トラウマを抱えた孤児という人間味ある悲痛な背景により、戦争や怪物を扱う映画としてツボをおさえたドラマとなっています。ただ、「各地の被害は怪人か怪獣か」というサスペンス
>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

どうしても1930年版が名作すぎて身じろぎしますが、こちらも負けず劣らずの新たな傑作です。
冒頭の長回し撮影の突撃戦や、中盤の戦車・戦闘機・火炎放射器の塹壕蹂躙シーンなど、戦闘描写には『プライベート・
>>続きを読む

マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.6

原作フィリップ・K・ディック!
監督スティーブン・スピルバーグ!
主演トム・クルーズ!
2050年代のアメリカでは、予知能力者の出現と技術の革新により予防警察活動が可能となっており、不穏分子とされた人
>>続きを読む

ブルークリスマス(1978年製作の映画)

3.9

倉本聰×岡本喜八の東宝SF映画。
……!?
仲代達矢の演じる記者が「青い血」の噂を探る前半と、勝野洋の扮する若き軍人が国と愛とに葛藤する後半という、「接近遭遇による政治サスペンス」をテーマとした内容に
>>続きを読む

エスパイ(1974年製作の映画)

3.4

“科学”的なサイキック・ブーム、お洒落なヨーロッパ感、小松左京らしいサスペンスフルなSF。アイちゃん+峰不二子みたいな由美かおると漢・藤岡弘、にカワイイ草刈正雄。
……いい時代ですね〜。

飛行機が墜
>>続きを読む

マーターズ(2015年製作の映画)

3.5

トーチャーポルノ宗教映画の大怪作をリメイク。
「拷問という暴力的な手段によって、強制的に宗教的な昇天を再現する」というショッキングな設定はそのままですが、教科書的な起伏とオーソドックスなカタルシスでわ
>>続きを読む

真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

トンデモ・オカルトの雄トカナ製作映画第一弾。
人体バラバラ唐揚げ話から、ヒロイン達の痛快復讐エンドまで、随所でとても映画愛を感じさせる内容になっています。
そして本作の白眉は高クオリティなゴア描写。解
>>続きを読む

箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

シュワちゃん復帰作『ラスト・スタンド』やリメイク版『人狼』のキム・ジウン監督が、韓国の古典的怪談を翻案したサイコ・ホラー。

視点人物が姉妹と後妻の間で偏らないため、“継母いじめ”もののハズなのに後妻
>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

ジェーン・カンピオン監督最新作。
ホモソーシャルな牧場のカウボーイと、嫁いできた共依存親子との、スリリングでショッキングな人間模様を描くドラマです。
意地悪で捻くれた牧場主と、健気だけど苦悩する後家さ
>>続きを読む

フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)

3.9

NFFAの復権、パージの再開。
そして合衆国は修羅の国へ……。
パージで繰り広げられる犯罪は大抵ヘイトクライムなので、そりゃまあ確かにブザーが鳴って「ハイおしまい」とはならないよね。

そんな黙示録U
>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

老年に至ってからは、アメリカ的男らしさに対して自己批判する映画を作り続けてきたクリント・イーストウッド。
本作はタイトル通り、そんな監督がいよいよ「マッチョ」を正面から取り上げた物語になっています。
>>続きを読む

パージ:エクスペリメント(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

タイトル通り最初の“実験的パージ”を描いたエピソード・ゼロ。

シリーズお決まりの“夜の逃避行”場面で遭遇するバイオレンスに目新しさはなく、行政によるパージに乗じた“強制執行”もショッキングさは薄く、
>>続きを読む

トリプル・フロンティア(2019年製作の映画)

3.5

豪華キャストによる対麻薬王ケイパーもの。
テンポのいいお約束ストーリーラインや、ブートキャンプ仕込みの手堅い銃撃戦、目まぐるしく壮観なロケ撮影など、配信スルーでパッとしないのが勿体無い印象。

ところ
>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

超弩級リベンジ・アクション・ブロマンス・ミュージカル!
実在の革命家をモチーフに、インド神話を織り交ぜた、笑って泣けるエンタメ叙事詩となってます。
ダブル主人公の二軸展開&3時間の前後編、ということで
>>続きを読む

モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン(1979年製作の映画)

4.2

宗教映画の大傑作。
『ベン・ハー』っぽいアニメ&『007』っぽい主題歌という、しょうもないOPからして最高です。

サンダルと瓢箪のまさしく神学論争的なナンセンスさや、当時の新左翼にも重なる地下組織に
>>続きを読む

Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.0

監督デイヴィッド・フィンチャー!
主演ゲイリー・オールドマン!
脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツ、通称“マンク“は如何にして『市民ケーン』を書いたのか、脚本作業と回想とを行き来する形でその全容に迫
>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

3.9

不穏な交通事故からはじまるゾンビ映画は良作。

「ゾンビ×鉄道」ということで、車両の密室性や駅舎の立体感などを活かしたバトルは面白く、また乗車・下車や扉の開閉などのスリルはドラマとも絡みあって、全体的
>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「え? ウチのために映画撮ってくれてる?」
……と言うくらい、『ウィッチ』も『ライトハウス』も趣味趣向ド真ん中だったエガース監督。
そんな最新作は、年明けたばかりだけどもう2023年ベスト級かも。
>>続きを読む

モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

4.0

ふざけ倒すスタッフロール、最悪のタイミングでインターミッション、第四の壁を突き破るオチなど、まさしく劇場版だからこそのモンティ・パイソン。
「ニッ」とか「アアアア」とかのしょ〜もないくだりから、低予算
>>続きを読む

パージ:大統領令(2016年製作の映画)

3.7

アメリカ政治の真骨頂・大統領選挙を舞台にすることで、社会制度としてのパージに深く切り込んだシリーズ3作目。
NFFAの白人エスタブリッシュメント感や、弱者であるアフリカ系・ラテン系の市民感情なども、カ
>>続きを読む

ヴァルハラ・ライジング(2009年製作の映画)

4.0

レフン監督の新作もあるし、同系統の『ノースマン』公開も控えてるし、チェックしとこっかな……。って姿勢で観てみたら、琴線わしづかみレベルでした。
小説でも映画でも、こういう「空虚で不条理だけど運命的な冒
>>続きを読む

オズの魔法使(1939年製作の映画)

4.0

テクニカラーを活かしたセット、息をのむマットペインティング、遊び心に満ちた特殊効果など、ミュージカル映画黄金期を支えた存在として、とっても大事な作品です。
原作からの脚色も、映画として収まりのいいもの
>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

4.1

数あるスピルバーグ戦争映画の中でも、なまなましいバイオレンスの残酷さが際立つ作品。とくにノルマンディー上陸作戦とクライマックスの市街戦は凄惨すぎますね。

注目すべきは名カメラマンのヤヌス・カミンスキ
>>続きを読む

マザー!(2017年製作の映画)

4.0

正体不明の闖入者たち、無神経な年上の彼。
そんな人々の傍若無人な振る舞いはどんどん加速してゆき……。
ハビエル・バルデム、エド・ハリス、ミシェル・ファイファーなど、それぞれのイヤさが絶妙でホント最悪。
>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

技術7:物語3といった印象。
奥⇄スクリーン⇄手前の立体感を多用した3Dの視覚効果はニクい演出ばかりでしたし、水中・水上のシーンは4DXのおかげで臨場感マシマシ。

前作を踏まえての復讐劇、とパーソナ
>>続きを読む

アバター(2009年製作の映画)

3.2

映像体験も大変だけど、家族みんなの映像酔いも大変で……という幼少期のトラウマを払拭すべく、続編を前に再履修。

ひねりのないストーリーラインとか、定型的な軍産複合体イメージ・先住民イメージとか、権利的
>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

名探偵自身が「くだらない」というように、前半1時間は説明→後半1時間は回想と“ミステリー映画”としてはお粗末。
ただこの映画の面白味は、クラシックな推理ものの枠組みを利用したポップな社会批判という内容
>>続きを読む

コナン・ザ・バーバリアン(2011年製作の映画)

3.3

モモア版“蛮勇コナン”!
出血大サービスなバイオレント感とか、露出度の高いエクスプロイテーション感とか、とにかくみんな蛮族。陸路を帆船でゆく敵役カラーの“狂王”っぽさ最高。

ただファンタジー作品とし
>>続きを読む

容疑者、ホアキン・フェニックス(2010年製作の映画)

2.9

主犯ホアキン・フェニックス
共犯ケイシー・アフレック
業界を敵にまわした問題作モキュメンタリー。
ハリウッド・セレブやそれを取り巻く環境・文化への批判精神が製作動機らしいですが、ホアキンの創作や表現に
>>続きを読む